まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

おじさんの暴挙

2011年08月30日 | 日記
人間は時に「魔が差す」ということがある。
不惑の年齢をはるかに過ぎたオジサンとて同様である。



代々木公園の休日を楽しんだ帰り
原宿駅の前を通った時にふと「竹下通り」を覗いてみるかと思い立った。
今にして思えば「魔が差した」としか言いようがない。



まあ大変な人混みだった。
よく「イモの子洗うよう」などと言うが、イモの子も蜂の子も数の子も
一緒くたになって湧いてくるような大混雑だった。
一瞬「やめとこか」と怯むが、勇気をふるい大きく深呼吸して突進した。



どこの店先も人、人、人であふれかえっている。
小規模なファッショブティックやアクセサリーショップが圧倒的に多い。
ちょっと中を覗こうとすると「なんでここにオッサンがおるの!」という
女の子の厳しい視線が飛んでくる。



中にはオバサンらしき人もいてホッとするのだがほとんどが中国人の観光客。
うーん、中国人はこんなところまで進出しているのか!
彼女らは一向に臆する風もなく声高に中国語で喋りつつ写真を撮っている。



イモの子のほとんどが女子高生や女子中学生たちだ。
それぞれ個性的なファッションでキメて人混みの中を闊歩している。
可愛い関西弁や九州訛りも混じっていてちょっと微笑ましい。



竹下通りと言えば80年代前半の「竹の子族」発祥の地でも知られる。
毎週日曜日、原宿や代々木公園周辺の「ホコ天」に集結し
ラジカセから流れるディスコサウンドに合わせて踊る若者たちのパフォーマンスは
日本の新しいサブカルチャーとして海外にも紹介された。
ちなみに「竹の子族」の名前は竹下通りの「ブティック・竹の子」という店の
奇抜な衣装を若者たちが好んで着たことに由来すると言う。
そう言えば「竹の子族」出身の芸能人も結構いたな・・・えーと、誰だっけ?



せっかく来たのだからマクドでお茶でもしながら
女の子と喋って見聞を広めようかとも考えたが大変な混雑で店にも入れない。
うーん、どうしよう・・・



途方に暮れたオジサンは人混みの中で茫然と経ちつくす。
ここでは原発放射能も円高も民主党も全く関係ない。
あるのは阿鼻叫喚の喧噪と屈託のない笑顔と中国人たちの耳障りな叫び声ばかり。



行き場を失ったオジサンはすごすごと出口の方向へ。
竹下通りは全長350メートル近くもある商店街なのだが
私が歩いたのは30メートルもなかったような気がする。
「滞在時間はわずか10分」であった。



なんとも情けない「竹下通り滞在記」ではあったが仕方がない。
この場違いな人混みの中に突入しただけでも自分で自分を褒めてやりたい。
しかし、わずか10分でもドッと疲れた。
オジサンにとってはやはりとんでもない「暴挙」であった。

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