まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

球春に子規を思ふ。

2015年03月18日 | 日記

今年も「センバツ」の季節がやって来ました。
組み合わせ抽選会に集まった球児たちの笑顔がはじけていました。
まさに球春到来ですねえ。

対戦カードを見ながら「今年はどこの高校を応援するかなあ・・」
などと、あれこれ思案してみるのが楽しみです。
母校の系列である立命館宇治なんかには頑張って欲しいですねえ。

注目しているのは右端から三番目、愛媛の松山東高校です。
今回は「21世紀枠」とは言え、実に82年ぶりの甲子園出場だそうです。
たぶんブランクでは最長ではないでしょうかねえ。
実は、以前に一度、ドキュメンタリー番組の取材で訪れたことがあって
とても印象に残っている高校です。

創立130年の歴史を誇る松山東高校は
文豪「夏目漱石」が教鞭をとった学校として知られています。
漱石はここでの教員体験を生かして名作「坊ちゃん」を書いたのですね。
県内トップクラスの進学校で、偏差値はなんと70ですよ!
私など逆立ちしても入れませんね。(笑)
校風が「文武両道」のせいか、どの生徒も本当に礼儀正しかったです。

ノーベル賞作家・大江健三郎さんも卒業生ですが
旧制松山中学時代の卒業生に漱石の親友だった俳人「正岡子規」がいます。
子規と言えば日本の「野球大好き人間」の元祖です。
アメリカから野球というスポーツが伝来すると、たちまち夢中になって
同級生と野球部をつくって大活躍、ポジションは捕手でした。
とても「病床六尺」の著者とは思えませんねえ。
伝統ある松山東高校野球部の基礎をつくったのはまさに子規でした。

東京の上野公園には「正岡子規記念球場」があります。
東大進学後も野球には熱心で、喀血して倒れるまでプレーを続けました。
同時に子規は野球文化の普及にも関心が高く
現在、普通に使っている「飛球」「打者」「走者」「四球」「直球」などの訳語も
すべて子規が考えたものなんですよ、知っていました?



球場の近くには句碑も建っています。

  春風や まりを投げたき 草の原  

まさしく「球春」を連想させる名句ですよねえ。
そう言えばこんな短歌もありました。

  九つの 人九つの場をしめて ベースボールの 始まらんとす 

明治を代表する文学者は「永遠の野球少年」だった。
そう考えるだけでうれしくなって来ます。
それにしても「球春」とはなんと素敵な響きの言葉でしょうか。
春の躍動が伝わって来るような、誰の造語か知りませんが拍手を送りたくなります。

さて、松山東高校はどうでしょうか。
一回戦からいきなり強豪相手ですが、ぜひ健闘して欲しいものです。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
胸ときめく (おふみ)
2015-03-18 11:09:12
球春、ほんとうに素敵な響きです。
正岡子規と野球とは真逆な組合わせの感じ(笑)
人は見かけによりませんね。
でも子規が感じたワクワクはわかります!

12球団で唯一クライマックスシリーズ未経験という
不名誉を今年は払拭したいなぁ。
お手柔らかにお願いいたします~♪
返信する
でもでも・・ (まろ)
2015-03-18 21:17:13
おふみ様
今年のベイスターズは筒香くんも本物になって来て、監督は相変わらずでも、結構、楽しみではないでしょうか。
私の友人ディレクターにベイスターズの中継担当の坪郷という男がいます。
大阪人のくせに「ベイスターズファン」というふざけた男ですが、坪郷=筒香という似た者同士のよしみで
一度、三人で飲みませんか?楽しい「球春談義」が出来ると思うのですが・・・(笑)

タイガースはたぶん優勝です!



返信する

コメントを投稿