菅直人総理の誕生だ、事実上の。事実上というのは、いまだ陛下の承認を得ていないからだ。
さて、その新総理だが、あまり期待しない方が良いと考える。
論客とのことだが、政治脳はさほどない。その証拠が代表選後のあいさつだ。何度、参院選、参院選と繰り返したことか。自分のあいさつが逐一カメラを通して国民の前に晒されていることはじゅうじゅう承知のはずだ。国民が期待するのは、参院選での民主党の勝利ではなく、民主党政権が今日只今の苦境を乗り越え将来展望を提示することであるはずだ。ところが、その辺についてはさらりと触れただけで後は参院選の繰り返し。これで期待しろ、支持しろという方が無理というものだ。
更に、参院選、参院選と繰り返したことで、自分の墓穴を用意するようなことになりはしないのだろうか? 民主党内には菅内閣=選挙管理内閣という見方がある。要は、選挙結果いかんでは9月にクビをすげかえてらろうという魂胆だ。おそらくこのままいけば、参院選挙は思うようにはならない。そうすれば当然党代表・総理の責任論が浮上する。そのときに、敗因は小鳩体制にありと言ったところで、就任時されだけ参院選、参院選と自ら口にしていたではないかと詰め寄られれば、小鳩に敗戦責任を押し付けて自らの安泰を測ることは困難になる。小沢が手練手管で動けば、菅など相手にはなるまい。
そのあたり、計算できなかったものかね?
苦節三十数年、ようやく手にした総理の座に舞い上がって、そこまで知恵が回らなかったということか?
いずれにしても、「未納三兄弟」がやがてブーメランとなって帰ってきて、お遍路という見え透いたちんけなパフォーマンスで誤魔化さざるを得ない事態に追い込まれたように、今回も「参院選」があだとなるのでは?
それよりこわいのが、昨日の「小沢」発言だ。あれは正直驚いた。「そこまで言うか」とも思った。言われた小沢もおもしろいはずがない。一説では小沢は「情」の人だという。つまり、「感情」の人だということだ。母親の出自のなせるワザか?とすれば、菅のあの発言に必ず「情」で報いてくるに違いない。
もし今後菅が世論的にも党内的にも苦境に立てば、必ずポピュリズムに走るはずだ。薬害エイズ問題は菅の功績にように言われるが、あれもやはり世論受けという計算があったはずだ。必ずまたその手でくるはずだ。レンホウを入閣なんて話もあるが、これもその種のことではないのか? 枝野幹事長? 冗談だろう、としか言いようがない。あの男にそこまでも力量はまだない。
要は仕分という比較的世論受けの良かった政策で脚光を浴びた二人を利用して支持率を稼ごうとの魂胆なのだろう。
ということは、寺田学あたりも? 若いし、女性受けするだろう。でも、寺田のおやじが地元で何やらしでかそうとしているのではという話もあるぞ。あの前知事が参院選で。
市民運動出身の性根はポピュリスト、これが菅という政治家の本性だと思うがね?