くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

先代幸四郎(白鸚)版「鬼平犯科帳」が終わってしまっていた・・・

2013年03月09日 | Weblog
時代劇専門チャンネル、今週から丹波哲郎版「鬼平」。丹波っていう人、それはそれは由緒正しい宮廷医師の末裔で、先祖のなかには日本医学史に大きな足跡を残した人物を持つのですが、いかんせん、大名、旗本の類のお役が似合いません。そもそも、時代劇自体があの人のニンにあっていないと思うのですが。

丹波版の前は先代幸四郎版だったのですが、何時しか終わってしまったのですねえ・・。それにしても、何を演じても”大きさ”のにじみ出る役者だったにだなあと改めて思いました。

もっとも、かつて「本所の銕」と呼ばれた御仁にしては、その過去がいささかもにじみでないところが何といえば何で、その点においては、息子の方が上だと思いますが、台詞だけではなく、姿かたち、目の演技からにじ出てくる威厳というか迫力は、当代吉右衛門もかないません。

先代の黒主が立派だったというのもうなずける話です。

亡くなった団十郎も”大きさ”を感じさせる役者でしたが、先代幸四郎のはそれとはまったく違った味わいの”大きさ”です。

残念なことに、当代幸四郎にそれはまったくありません。声は朗々たるものがありますが、当代のしばしば大仰な演技は、演じる役を軽く見せてしまいます。父親の重厚感は、弁慶をやっても、大星をやってもありません。おそらく、染高麗にもそれは期待できないでしょう。

私は生前の先代を直接舞台では見ていません。生前唯一目にしたのは、「黄金の日々」の倭寇役。先代を贔屓にしていた父からはよく話を聞きましたが、それを自分で確認できたのは、大学に入ってからビデオ等で。

素顔は何のことはない爺さんでしたが、つくると実に立派になります。

亡くなった人を相手に使う言葉ではないかもしれませんが、今ではすっかり先代の贔屓です。

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