
アメ横は今「たきおか」、「大統領」の店舗が核となって賑わっている。
「たきおか」、「カドクラ」が2ndウェイブなら、海鮮系24時間営業の居酒屋は3rdウエイブといたっところだろうか。
さしずめ、由緒ある伝統的な居酒屋が1stウェイブにあたる。この界隈でいえば、閉店した「一力」、「えんぱち」、「たる松」などがそれに該当するだろう。
大勢の客を見込んだスタイル、そのため酒肴の量が多い。必然的に料理の料金も高い。ちょい飲みとは対極にある店舗である。
だが、料理はおいしいので、この存在を軽視できるものではなく、いつか大勢で行こうかとも思っている。
「東屋」もそのうちのひとつだ。
この店はまさにアメ横の1stウエイブの典型ともいえる。主張の少ない外観。いや内観だって、それほど主張しているわけでもない。
ただ、他店の1stウェイブはともかく、この店は営業努力を重ねている。ちょい飲み仕様にモデルチェンジを図りつつあるのだ。
「しらすおろし」
「厚焼き卵」を300円メニューとし、ライトなスナックとして提供している。
生ビールは「一番搾り」。これが1杯390円。
古典酒場の既得権益である生ビールの利権をあっさりと手放しただけで、見事というべきかもしれない。
アメ横の1stウェイブはどこも生ビールが総じて高い。
この決断だけでも賞賛に値する。
この店は海鮮系が得意だ。
「北海道産縞ほっけ塩焼き」が550円。
「青森産八戸産 いか一夜干し」が450円。
水揚げの生産地を明らかにしているというのもやはり嬉しい。
「ウチはものが違うんだ」と言わんばかりである。
その心意気は料理の味にも表れている。
「まぐろ山かけ」(500円)は丁寧に長芋をすりおろし、眩しくひかる赤身は新鮮だった。
これひとつ食べただけで、仕事への情熱が伝わってくる。
2nd、3rdウェイブの店舗ではこうはならないだろう。
じっくりと腰をおろしてビールを飲むのもたまには悪くない。
多分、「大統領」の辺りは今日も相当な混みようだろう。
そこから歩いて数分という立地にもかかわらず、この店は落ち着いている。
海鮮が豊富ということで、日本酒を多く取り揃えている。ただ、銘柄は保守的。
「八海山」、「雪中梅」などなど。
ただ背に腹は変えられないので、「浦霞」をいただく。
あては「いかの一夜干し」。
この組み合わせは立ち飲みでは味わえない。
土曜日の昼下がり。
エアコンの効いた店内でたまには座り飲みもいい。
アメ横の喧騒から逃れて、静かに飲めるよ。
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