かつての北区十条の立ち飲みといえば「龍馬」だけだった。その後、「Beer++」ができ、そして「晩杯屋」(「居酒屋さすらい」未収録)がオープン、少しは賑やかになった。十条の商店街はお惣菜天国だから、もっと立ち飲み文化が成熟してもいいのだが、それでも少しずつ増えているのは確かである。2年くらい前、商店街のど真ん中に「勝(しょう)」(「居酒屋さすらい」未収録)という店ができると俄然盛り上がった。
味噌を買いに行った折、少し十条富士見銀座商店街を散策すると、立ち飲みを見つけてしまった。日曜日の昼下がり、ちょっと味噌を買いに出かけただけなのだが、これは困ったことになった。ムラムラと立ち寄りたくなったのだ。
しかし、店名が「まるけん」とは。ご承知の通り、北区にはあまりにも有名な立ち飲み、「丸健水産」があるではないか。よりによって、同じ店名にするなんて。
ちょっとお店に入ってみることにした。
カウンターだけの狭い店内。頑張っても10人くらいか。店主は強面で、厨房が近いから、余計に迫力がある。店内には小さなテレビが設置されていて、秋の競馬重賞レースを放映中。店主はどうやら競馬をやるらしい。
「酎ハイ」をいただく。
店主は慣れた手つきで「酎ハイ」をこしらえた。
さて、つまみを頼みたいのだがイレギュラーで入店したので、軽めに食べないといけない。
「大根煮」が一番軽そうなので。
しばらくすると、常連と思しき客が入ってきて、店主と親しげに話しをし始めた。
あまり、楽しい雰囲気じゃないな。店内が狭いので一人飲み態勢は作りにくいし、店主も気さくという感じではない。つまみはそこそこあるが、魅力が乏しく、ワクワク感はない。
「酎ハイ」をおかわりすることだけに留めておいた。
立ち飲みも様々な店が現れ、また消えていく。自分も歳をとったせいか、全てを受け入れられなくなってきたのだろう。
全く楽しくなかった、休日の昼飲みだった。
飲み終わって、外に出てから撮影しています。
撮影時刻は16時42分です。
お店の外観撮影は大体お勘定した後に行っていますよ。