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居酒屋さすらい 0478 - 立ち飲み3割引! - 「浜焼太郎」(台東区上野)

2011-10-10 13:13:33 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋
御徒町ガード下の最南端にあった伝説の立ち飲み屋「市場」。閉店から数ヵ月後、テナントが入り、店はオープンした。それが、「浜焼太郎」である。
当時、「トロ函」の成功により、海鮮系の炭火焼店舗が急激に増えた頃である。御徒町にもこの類のお店がオープンし、海鮮系居酒屋のプチブームが一瞬訪れたことがあったが、ブームに乗っかれるほど、安易なものではなかった。

「浜焼太郎」の経営はうまくいっているようには見えなかった。なにしろ、会社を終えて、帰宅の途につく際に店内を覗いてみるのだが、客が入っている様子をみたことがない。
 経営は危ういな、と思っていたが、本当に現実的なものになりつつあった。

ある日から、「立ち飲み3割引」と貼紙が店頭に掲出された。
これは、もはや末期的症状かと思い、その貼紙が出た3日後にわたしは店を訪れた。
1年ぶりに店に入って驚いた。
店内が汚かったからである。「市場」時代から店内は汚かったが、大掛かりな改装もしないで、店を立ち上げていた。これでは、客は入らないと思う。

ともあれ、わたしは中央の円卓に陣取った。
それは異様な光景ともいえた。椅子があって、客が私一人なのに、わたしはひとり立っている。傍から見れば「このおっさん、何突っ立ってるの?」という感じ。だが、仕方ない。世の中の全ての立ち飲みを制覇する野望を持つわたしが、これしきのことでは音をあげたくないからである。

生ビールを頼んだ。
プレミアムモルツが390円。この店、開店当時は490円で生ビールを出していたが、値下げして、とうとう100円も値引いていた。こうなった以上はもう、あとは自滅を待つしかない。もはや、なりふり構わない状況に陥っている。
 そのうえ、立ち飲みには3割引の特典をつけているのだ。
 
つまみは「カキフライ」(390円)。かきは「岩手県産」のようである。
ここは海鮮系の店なのだが、どうもそっち方面に食指は伸びない。焼肉と違って、これらを焼くのが億劫なのである。

 「市場」時代は、正面の壁に大きなテレビがあったが、今はもうない。テレビを導入しないコンセプトには賛成だが、JポップをBGMにかけるのは反対だ。
 プレモルを飲み干して、ホッピーを頼んだ。これも、開店当初は390円だったが、この時点で290円に値下げしている。290円という金額はこれまでお目にかかったことがない。上野界隈のホッピーの平均値は390円だから、かなり大胆に安くしている。そのうえ、立ち飲み客には3割引だから、203円ということになる。ものすごい安さ!

つまみに「金華サバの生ハム」(390円)というものを頼んだ。
生ハムと書いてあるが、石巻の金華山沖で漁獲され、石巻港に水揚げされた旬の大型の真サバの燻製である。
これが実にうまかった。
店はおどろおどろしかったが、これだけでもこの店に入った甲斐があったというものである。
全体的に、リラックスできる雰囲気ではなかった。店員たちにも諦めムードがありありと見えて、もはや店は死に体と言ってもよかった。

ちなみに、「浜焼太郎」はその2週間後に閉店となり、今は「I’RIS」(イリス)というバーが入っている。その店も経営は厳しいようで、この御徒町ガード下最南端のテナントは大きく揺らいでいる。
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