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旅するランチ037 -とびうおといりこのおだし- 「おだしと小麦 一三〇」(京都市左京区一乗寺樋之口町)

2014-10-09 14:00:11 | 旅するランチ

今年はもう来られないだろうと思っていた京都。

だが、思いがけなく大阪出張となり、今年3度目の京都行きが実現する。

前日、ふらいんぐふりーまん師の特製「フィッシュカレー」と「スペアリブカレー」withチャパティでお腹と満足感を満たし、一夜明けた土曜日、「おだしと小麦」の店を訪れたのだった。

 

来る度にスタイルが変わる店。

前回来たのがつい1か月前だったにも関わらず、またメニューが違う。

限定メニューは「鯛出汁」(900円)。限定10食のみ。

レギュラメニューは「昆布だし」(800円)。

そして「きまぐれだし」とうメニューに「とびうおといりこのおだし」(900円)が並ぶ。

我々は後者を選んだ。

 

魚出汁はただただあっさりしているわけではない。スープを一口すすると、その豊かな味わいが口の中に広がっていく。前回は羅臼昆布の出汁をいただいたが、今回は鼻を突き抜けるようなうま味はない。

だが、なんとなくクセになってしまうこの微かな味はなんだろう。キラキラと光る、この黄金色のスープについ我を忘れてしまう。

そして麺。やや茶色がかった麺はもはやラーメンとは違う。それは蕎麦を想起するほどの腰の強さだ。小麦が基本なので、もちろん蕎麦ではないが、ふらいんぐふりーまん師は、全粒粉を使用していると推測した。

それがこのスープに恐ろしく合うのだ。

この食感、柔らかくもなく、硬すぎるわけではない。この絶妙なバランス。まさに麺とスープの黄金比率!

具材のつみれがまたうまかった。もちろん、これもマスターの手作りであることは一目瞭然だし、その材料に何が使われているのか、分からないけれど、この出汁と小麦の邂逅に、つみれが花を添えていたことは間違いない。お芋系の具の正体が分からなかった。菊芋かと思ったが、結局最後まで分からない。淡泊なもので、主張もしないし、かといって存在感がないわけではなかった。

常連さんとマスターの会話がつい聞こえてきた。「鮫の出汁はよかった」と常連さん。
「鮫って、しかし…」と我々は心の中で反芻する。

この店がもうジャンルそのものである。

ラーメンではない。新たな境地に立つこと、食べる側がそれを自覚しなければならない。

店を出て小さな坂を下りていると、目の前に「天下一品」の本店。そこに多くの客が並ぶ。

世界が違って見える。ボクらと彼ら。

それでいい?いや、ボクがとやかく言うことではないんだけれどね。

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4 コメント

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むしろ (ふらいんぐふりーまん)
2014-10-13 10:31:32

 行列を作って待つような店にはなって欲しくないと思う俺がいるよ。気軽に行けなくなっちゃうから。

 今のまま、マニアックな出汁好きが、コンスタントに行くお店のままでいて欲しいよ。

 しかし、天一の「本店信仰」が未だなくならないのが不思議だよ。どこの店も昔とは違って、工場で大量生産したレトルトのスープを温めて作ってるのにね・・・。

 聖地巡礼化してるのかな。(苦笑)

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Unknown (熊猫)
2014-10-13 15:05:25
実は自分も本音ではそう思っている。メジャーよりもマイナーでいてもらいたい。
だけどさ、メジャー化するものに対して、何故真贋の目が養われないか、それを嘆いているんだ。
だから、本物とそうでないものという対立軸ではなく、
少数派と多数派という見方で、評価される社会がくだらないと思う。
返信する
まあ (ふらいんぐふりーまん)
2014-10-13 16:07:39

 食べログとか、提灯記事満載の広告系食雑誌とかを妄信的に信じると、自ずと広告、プロモーション上手とか、ただ話題性があるというだけで、行列の店になるからねえ。

 他の人が並んでるから並ぶ、みたいな人が、またそういう人を呼んでるんだろうね。まあそれでも、どうしようもない店は、いずれ淘汰される気もする。

 ただ、万人向けの味というのは、ある日突然飽きられてしまうということもあるよねえ。最近のマクドの転落なんか、腐敗鶏問題とか価格の問題だけじゃなく、そんな理由もあるような気がするよ。

 評価が低かろうが、全くメジャーじゃなかろうが、己の好きなお店を、胸張って好きといえるようになりたいねえ。例え己の味覚が腐っていようとも、そこまで己に正直なら、賞賛に値すると思うよ。

 でも、自分がそうできるかっていうと、やっぱ難しいよねえ。

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Unknown (熊猫)
2014-10-13 22:32:19
インターネットの登場で、極端な偏向的好き嫌いが多くなったような気がする。
嗜好は細分化しているくせにね。
要するに、人は騙されやすくなっているともいえる。
日本の社会が性善説だったというのもあるし。

もっとも、自分もその一人なんだけれどね。
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