「居酒屋さすらひ」アワード 2023

2024年も秋に差し掛かろうとしているのに、今更2023年を総括するのも気がひける。ただ、やっぱり総括しておかないと社会と酒場の現在地をプロットできないような気がする。特に時代の変化が激しい時は、記録しておかないといつしか忘れてしまうし。それがブログや日記の役割なのかなと思う。

2023年は変化が早かった。激動だったとも思う。コロナは落ち着き、5月になって五類に移行した。それを境に社会は元の世界に戻ろうとした。

「あぁ、元に戻りたかったのね」。

そう思ったのを覚えている。

それに合わせて、遠方の出張が増えた。実は2023年はほとんど全ての地方に行った。四国を皮切りに、沖縄、北東北、南東北、甲信越、そして関西。夏以降は二度の九州、秋に中国、そして北海道、京都、最後に中部地方で締めた。一年で日本列島をほぼコンプリート。こんな年も珍しい。

さて。この2年間、「居酒屋さすらひ」アワードは都内からの選出だった。

その反動か、2023年は都内からの飲みネートは一軒のみ。

なお、2022アワードの「杯一」は一回しか行かなかった。ご近所なのにね。また、2018アワードの「一平」も訪問は一度のみ。お店が空いていて驚いた。ここはあの満席の雰囲気で飲むのがいい。よって今回は飲みネートしなかった。

2023の飲みネートは以下の6軒。

徳島の「両国」。

こちらは市内を歩いていて、偶然見つけたお店。またいつか必ず行きたい。それまでお店が存続されていますように。

甲府の「くさ笛」。

ご存知、太田和彦さんご推奨のお店。お母さんの楽しいお話しとお料理、そしてお酒で楽しい時間を過ごせてもらった。翌日、大きな仕事があったので早めにお店を後にし、「5月にまた来ます」という約束も空手形にしてしまった。またお母さんに会いに行きたい。

大宮の「いずみや 第二支店」。

お恥ずかしながら初訪問だったが、小樽の兄貴と楽しく飲ませてもらった。本当にいいお店。

大船の「との山」。

ジャンさん御用達のお店。メニューよし、お酒よし！　

そして船橋の「竹うち」。

2度目の飲みネート。昨年は2回訪問したが、少しずつ人気店になっていて、予約なしだと入れなくなりつつある。

赤羽から飲みネートの常連、「まるます家」。

もはや説明不要の伝説的酒場。2020年のアワード受賞店。

例年だと1年のうちに複数回行ったお店に栄冠は輝いてきた。今回もそれを踏襲しようと考えた。ただ冷静に評価をすると「いずみや 第二支店」が圧倒的に楽しかった。酒も料理も、そして人も。電車賃払ってもまた行きたいと思わせるお店。「くさ笛」も抜群に楽しかったけれど、滞在が1時間半程度。5月に行けてたらもしかしてアワードもあったかも。

ということで、2023のさすらひは埼玉県初受賞の「いずみや 第二支店」を選出。「竹うち」は2度目の飲みネートでも涙を飲んだ。「まるます家」は朝11時開店になって、少し変わったかなと思う。朝9時から殺気だつ、あの雰囲気がよかった。

さて、立ち飲み部門は、この3年間は無風状態が続き、「宗屋」一強が続いた。

その「宗屋」には昨年1度きりしか行けなかった。その「宗屋」にも変化があった。「レバ刺し」のレバーがかつてのものと違っていたのだ。たまたまこの時だけだったのかは分からない。でも、少しがっかりしたのは確か。

2023年で最も行った立ち飲み屋は赤羽の「ソルト」。北区のソウルフード、「からし焼き」が食べられることに感動し、5回も行った。ただ、行くたびに対応が異なり、つまらない思いをしたことも。いい酒場なので今後もウォッチングしていくが、今回はアワード落選。

一方、復活を遂げた「富士屋 本店」にはまた違う感動を覚えた。2回の訪問でおいしい「ハムキャ別」をいただく。料理がうまく、酒もいい。

一強体制が続いていた立ち飲みに新たな風が吹いた。

立ち飲み部門は「富士屋 本店」を初選出。

 

歳をとるごとに煮込みをいただく回数は減った。

その数少ない中でも秀逸だったのが「竹うち」の煮込み。「おぎのや」の峠の釜めしの器を使った極上の煮込みが「煮込みオブザイヤー2023」である。

最近、お店で必ずいただくのがポテサラである。

煮込みもそうだが、ポテサラはお店によって様々で面白い。

ただ、業務用が出てくるともう一瞬興ざめする。神は細部に宿るわけであり、ここで手抜きをしないお店がやはり本物だ。

ポテサラも最近はやたらと凝っているお店がある。悪くないが、出来うる限りオーソドックスなものがいい。

一番おいしかったポテサラは「くさ笛」のもの。恐らくお母さんのもの、或いはお母さん直伝だ。

「ポテサラオブザイヤー2023」は「くさ笛」で決まり！