〈2月22日の食事〉
朝:鮭とほうれん草のキッシュ(メゾンカイザーで購入) ミエルの焼きドーナツ・チョコ コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、焼き塩鮭、レタスとベーコンの炒め煮、ほうれん草のおひたし)
夜:麻婆豆腐 菜の花のおひたし(以上二点、セブンイレブンで購入) 玄米ご飯
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ある小説を読んでいた。
過食症を患う女子大生が主人公である。
彼女は日々食べたものを記す。
その量たるや、圧倒的だ。
過食に陥いるにいたった明確で決定的なきっかけというものがなく、それらしき分岐点は、「そういえば、過食になった時期にああいったことがあって、こういうこともあったな」と回想されるだけだ。
「失恋したのを境に」「親の離婚がきっかけで」といった、ダイエットや美容番組でよく語られるようなトラウマ談とは一線を画する。
その辺り、画期的な話であると言えるかもしれない。
通勤の往復を使って一日で読み切ったのだから、総合的には、面白く読めたと思うのだ。
気に入った表現も何ヶ所かあった。
だけど、釈然としない気持ちがいつまでも残った。
どうしてだろう、と分析する。
と、ある可能性に行き当たった。
ああ、共感をまったく感じられないところがあったからだ。
主人公、まったく太らないんである。
文中に、「体重計の針はピタリとも動かない」といったような記述があるのだ。
食べたいだけ食べて太らないだなんて、何だそれは、羨ましいだけではないか。
そうした思いが、物語の世界から現実に引き戻してしまうんである。
彼女だって、悩んでいる。
特に確固たる理由がない食欲を持て余し、薄気味悪く感じている。
一日中「食べること」を考え、「気軽に食事を摂れない場にいたとき、途中でお腹が空いたらどうしよう」という不安でいっぱいになる。
作品ではそんな記述は出てこないが、エンゲル係数がやたらと高くなってしまうのだって困るだろう。
特に意味もなくみなぎる食欲を私も持て余しているし、食べられない用事がある時にお腹が空いてしまう状態には恐怖を覚える。
だからかなり備えた行動をする。
その辺りには深く共感する。
だけどだけど、私は食べた分だけ肥えるもの。
運動しても、動いた分だけお腹が空くもの。
すんでのところで、共感が出来なかったのだった。
作品のタイトルを記そうか迷ったけれど、全体的に喧嘩を売っているように書いている気もするから、控えておく。
物語に感情移入するには、深い共感があることが有効だ。
まざまざと見せられた一冊であった。
朝:鮭とほうれん草のキッシュ(メゾンカイザーで購入) ミエルの焼きドーナツ・チョコ コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、焼き塩鮭、レタスとベーコンの炒め煮、ほうれん草のおひたし)
夜:麻婆豆腐 菜の花のおひたし(以上二点、セブンイレブンで購入) 玄米ご飯
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ある小説を読んでいた。
過食症を患う女子大生が主人公である。
彼女は日々食べたものを記す。
その量たるや、圧倒的だ。
過食に陥いるにいたった明確で決定的なきっかけというものがなく、それらしき分岐点は、「そういえば、過食になった時期にああいったことがあって、こういうこともあったな」と回想されるだけだ。
「失恋したのを境に」「親の離婚がきっかけで」といった、ダイエットや美容番組でよく語られるようなトラウマ談とは一線を画する。
その辺り、画期的な話であると言えるかもしれない。
通勤の往復を使って一日で読み切ったのだから、総合的には、面白く読めたと思うのだ。
気に入った表現も何ヶ所かあった。
だけど、釈然としない気持ちがいつまでも残った。
どうしてだろう、と分析する。
と、ある可能性に行き当たった。
ああ、共感をまったく感じられないところがあったからだ。
主人公、まったく太らないんである。
文中に、「体重計の針はピタリとも動かない」といったような記述があるのだ。
食べたいだけ食べて太らないだなんて、何だそれは、羨ましいだけではないか。
そうした思いが、物語の世界から現実に引き戻してしまうんである。
彼女だって、悩んでいる。
特に確固たる理由がない食欲を持て余し、薄気味悪く感じている。
一日中「食べること」を考え、「気軽に食事を摂れない場にいたとき、途中でお腹が空いたらどうしよう」という不安でいっぱいになる。
作品ではそんな記述は出てこないが、エンゲル係数がやたらと高くなってしまうのだって困るだろう。
特に意味もなくみなぎる食欲を私も持て余しているし、食べられない用事がある時にお腹が空いてしまう状態には恐怖を覚える。
だからかなり備えた行動をする。
その辺りには深く共感する。
だけどだけど、私は食べた分だけ肥えるもの。
運動しても、動いた分だけお腹が空くもの。
すんでのところで、共感が出来なかったのだった。
作品のタイトルを記そうか迷ったけれど、全体的に喧嘩を売っているように書いている気もするから、控えておく。
物語に感情移入するには、深い共感があることが有効だ。
まざまざと見せられた一冊であった。