三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

読書と共感と食欲

2012-03-08 23:09:23 | 食とレビュー
〈2月22日の食事〉
朝:鮭とほうれん草のキッシュ(メゾンカイザーで購入) ミエルの焼きドーナツ・チョコ コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、焼き塩鮭、レタスとベーコンの炒め煮、ほうれん草のおひたし)
夜:麻婆豆腐 菜の花のおひたし(以上二点、セブンイレブンで購入) 玄米ご飯

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ある小説を読んでいた。
過食症を患う女子大生が主人公である。
彼女は日々食べたものを記す。
その量たるや、圧倒的だ。

過食に陥いるにいたった明確で決定的なきっかけというものがなく、それらしき分岐点は、「そういえば、過食になった時期にああいったことがあって、こういうこともあったな」と回想されるだけだ。
「失恋したのを境に」「親の離婚がきっかけで」といった、ダイエットや美容番組でよく語られるようなトラウマ談とは一線を画する。
その辺り、画期的な話であると言えるかもしれない。

通勤の往復を使って一日で読み切ったのだから、総合的には、面白く読めたと思うのだ。
気に入った表現も何ヶ所かあった。
だけど、釈然としない気持ちがいつまでも残った。
どうしてだろう、と分析する。
と、ある可能性に行き当たった。
ああ、共感をまったく感じられないところがあったからだ。

主人公、まったく太らないんである。
文中に、「体重計の針はピタリとも動かない」といったような記述があるのだ。
食べたいだけ食べて太らないだなんて、何だそれは、羨ましいだけではないか。
そうした思いが、物語の世界から現実に引き戻してしまうんである。

彼女だって、悩んでいる。
特に確固たる理由がない食欲を持て余し、薄気味悪く感じている。
一日中「食べること」を考え、「気軽に食事を摂れない場にいたとき、途中でお腹が空いたらどうしよう」という不安でいっぱいになる。
作品ではそんな記述は出てこないが、エンゲル係数がやたらと高くなってしまうのだって困るだろう。

特に意味もなくみなぎる食欲を私も持て余しているし、食べられない用事がある時にお腹が空いてしまう状態には恐怖を覚える。
だからかなり備えた行動をする。
その辺りには深く共感する。

だけどだけど、私は食べた分だけ肥えるもの。
運動しても、動いた分だけお腹が空くもの。
すんでのところで、共感が出来なかったのだった。

作品のタイトルを記そうか迷ったけれど、全体的に喧嘩を売っているように書いている気もするから、控えておく。
物語に感情移入するには、深い共感があることが有効だ。
まざまざと見せられた一冊であった。

ビールとシャットダウン

2012-03-06 23:30:44 | 食日記
<2月21日の食事>
一応朝:ランチパック・黒い板チョコと白い板チョコ ぎゅっとクリームチーズ(ローソンで購入)野菜ジュース
間食:リッツ
夜なのかな:ベーコンとチーズのパン チョコチップスコーン(ヴィドフランスで購入)よなよなエール 

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いま話題沸騰だという、ローソンのチーズケーキを食べる。
セブンイレブンの「濃厚フロマージュ」にひけをとらず、これまた美味しい。
カロリーは230kcal台、値段はとても控えめ130円!
たっぷりしっかり食べたかったらセブンイレブンで、少しだけ食べたいときはローソンで…と使い分けるとよさそうだ。

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さて、この日は、というより前夜から、とても変なタイム感で仕事をしていた。
まず徹夜の予定もなかった上に、朝の5時過ぎに、納期がその日の昼という仕事が発生する、といった案配だ。
そのため、深夜12時から5時くらいまで眠気が時折訪れるものの、仮眠をとる隙がない。
聞いていた深夜ラジオがいつの間にか朝の番組に変わっていた時には、心底怯んだ。

朝の9時頃。
チェック用のデータを飛ばし、返事を待つ間は少し睡眠をとれる…というタイミングがようやく訪れた。
だがちっとも眠くならないのだ。
無理に寝ることもないかと、そのまま起きていることにした。

仕事がすっかり終わった夕方頃、普段よりはだいぶ早いが事務所を出ることにした。
帰りの電車でも少しも眠くならず、だんだん怖くなってきた。
三十路を超えて幾分無理がきかなくなり、徹夜どころか深夜3時以降に目を覚ましていることが困難となった身の上である。
この前、友人宅に遊びにいったときですら、楽しかったくせに舟を漕いでいたほどである。
いま、どうやら体が変だぞ。

帰りにビールを買って帰ったのは、まずは開放感ゆえだったのだが、これを飲んだのが最終的には功を奏したようだ。
アルコールがちゃんとした眠気を呼び込んだようで、20時頃にすこんと寝られた。
強制終了、シャットダウンという言葉がぴったりだと思った。
一度夜中にトイレで起きて、そのまま朝まで継続して寝られた。
目覚めた時には、少し頭が痛かった。

しかし、前日朝の7時から起きていたのだから、36時間は起きっぱなしでいたという計算になる。
若い頃の「徹夜」ですら仮眠をとっていたと考えると、下手すると自己最長記録ではないか。
そういう言い方をしても誇りに思う気持ちはまったくなく、自分の身に起きたことが薄気味悪くて仕方ない。

眠くならなかったことをツイッターに書いたところ、要約すると、脳が体を騙しているようなものだから、一度寝た後の体調に注意せよ、と友人からリプライをもらう。
おおお…脳内麻薬みたいなものか、恐ろしい。

眠くならなかったのは錯覚なんである。
三十路越えてんだし。
そう心得て、これからはちゃんと仮眠をとろうと思う。

燻された豚を食う

2012-03-06 07:16:05 | 作りました。
〈2月20日の食事〉
朝:ベーコンエッグのせトースト 弁当の残り コンソメ野菜スープ
昼:お弁当(玄米ご飯、ハンバーグ、ブロッコリー、ニンジンしりしり、スナップエンドウとベーコンの炒めもの)
夜:カボチャとチキンのカレー ナン マンゴーラッシー @スルターン/飯田橋

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さて、一発逆転した話である。
昨夜、あまりの煙臭さと、中まで火が通ってしまったベーコンに、すっかり意気消沈してしまったのである。
一緒に炭を噛んでいるかのような出来たての味わいに、少し泣きたくもなったのだ。

翌朝、「けどさ、1日置いて煙臭さを抜くものらしいし」と一縷の望みをかけて、朝食と昼食とに使ってみた。
そしたら、驚いたんだった。

まず、ベーコンエッグ。
少しまだ匂いは残るものの、それよりも旨みの強さが圧倒する。
不味くないどころか、すごく美味しい。
あれ、きみは昨日と同じひとであったか?と尋ねたいほど。

更に想像を絶するものだったのが、スナップエンドウと炒めたもの。
味がよく分かるように、シンプルに塩胡椒だけの味つけにしたのも功を奏した。
噛み締める肉から、塩分だけではない深みのある味を感じる。
うまい肉は、それだけでだしになるというのがよく分かる。

特に銘柄豚であったりとか、産地直送ひきたて新鮮!みたいな肉ではないんである。
普通にスーパーマーケットで買える豚バラブロックだ。
その実力をここまで引き出せるとは。
じっくり熟成し、そのあと燻すということに思いを馳せる。
こういう変容が、とても面白い。

その後、煙と接していた外壁部分を取り除くと、煙臭さが抑えられ、旨みだけが残ると判明した。
以降、そうすることで、より一層汎用性も高まった。

まったくもって部屋を臭くした(おまけに私も臭くなった)甲斐があったというもの。
とはいえそうそう部屋を臭くしてもいられないので、河川敷や公園などで、カセットコンロ使用可の場所を探そうかと思っている。

豚を燻す

2012-03-05 19:20:29 | 作りました。
〈2月19日の食事〉
昼:イングリッシュマフィンのきんぴらサンド コーヒー
夜:ロコモコ丼 野菜コンソメスープ
夜中:できたてベーコンをつまみ食い

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ようやく遂行した。
自家製ベーコンである。

長い道のりであった。
昨年来に、中華鍋にて自家製薫製の本を買ったとき、一番試したかったのはベーコンなのであった。
ところがベーコンは、仕込みに一週間かかるという。
年が明けてからというもの、一週間先に空く確約のない週末が続き、地方にいることも多かった。
また、必要なスパイスも中々揃えられなかった(その帆走ぶりは後日書く)。
満を持してのこの日であった。

まず、塩とスパイスの混合に一週間漬けていた豚バラブロックを一晩水に漬け、塩分を抜く。
それがこの状態。



その後水気を拭き取り、ザルに乗せて何も被せない状態で冷蔵庫に入れて乾燥させ、4~5時間。
冷蔵庫から出し、室温に戻して約1時間。
そこまでの過程を経て、ようやく薫製が出来るようになる。

そしていつものように、中華鍋型フライパンにアルミホイルを敷き、スモークチップを置き、またアルミホイルをかぶせる。
金網を置き、豚バラを乗せる。
半球状の蓋を鍋にかぶせ、着火する。
さあ、燻しの始まりだ。

着火してすぐ異変に気づいた。
とにかく煙が臭いのだ。
キャンプファイヤーの比ではない。
というか、その煙を全部鼻から吸い込んでいるというか。

2度ほどやったスモークチキンの時もそれなりに凄い匂いだったが、これほどじゃなかった。
豚バラの方が脂が多いからだろうか。
スモークの種類を変えたから、そのせいか。
まさか使っているスパイスの違いか?
どれもこれも違った条件でやっているため、どうも原因は掴めなかった。

着火から火を止めるまでの約40分は匂い地獄であった。
なんせ火を使っているのだから、長い間そばを離れるわけにはいかない。
他の部屋に匂いが移るのを防ぐため、台所を閉め切ったのは吉だったのか凶だったのか。
私自身も燻されたようである。
同居人に嗅いでもらったら、「うん、くさい!」と即答であった。

何にしても出来上がりだ。
それがこれである。



…想像以上に真っ黒で、怯んだ。
ええっ、こんなにベーコンって黒いものだったっけ…
「指で押して弾力があれば完成」とのことで、実際押して弾力があるから、ちゃんと出来ているようなのだが…

少しさめたところを見計らって、包丁を入れてみた。
中もベーコンと呼ぶには黒い。
ベーコンとはもうちょっと赤いものではなかったか。
ううむ、どうやら燻しの時間を長くとりすぎたようである。
あの息を止めていた時間は一体…

本当は燻したては煙くて食べられたもんじゃなく、一日置いた方がいいようなのだが。
仕上がりが心配で、食べてしまった。
非常に煙をダイレクトに感じる味であった。
悲しみと悔しさに暮れ、換気扇を全開にして床についた。
もちろん風呂にも入った上で。

これが一発逆転、美味いじゃないか!と目を剥いたのは翌朝の話。


ありがとうまたいつか

2012-03-04 09:22:53 | 行きました。
<2月18日の食事>
朝:イングリッシュマフィンのきんぴらサンド ココア
昼:キッシュ チョコチップスコーン(以上2点、ヴィドフランスで購入)
夜1:焼酎お湯割り レバーや皮、ももなどの串焼き など @庵狐 三宿店
夜2:熟成アジの刺身 ウニ 昆布 サザエ サクサクチヂミ 安納芋のフライドポテト 香住鶴 天吹 @kazefukeba/池尻大橋

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大好きで月いちは通っていた、池尻大橋の「kazefukeba」が閉店してしまった。
その前の週に、最後の訪問をした。

このお店、ご主人や奥様には本当にいろいろなことを教えてもらった。
新鮮な野菜や魚は、ただそれだけで美味しいということ。
生の魚を熟成させて、一段と風味が増した刺身の数々。
熟成や発酵といったものの面白さと奥深さ。
日本酒が、本当においしい酒であること。

同居人と一緒になって魅了された。
正直、食の好みを変えられた、とすら思う。
少なくとも、まさかこれほど日本酒に傾倒し、自宅で飲む用に買い求めるようになるとは思わなかった。

今後はまだどうするか決めていないが、飲食はやらないつもりなのだという。
この腕を飲食に使わないなんて勿体ない!と歯噛みしたくなるが、そう決められたのだから仕方ない。
料理とは刹那であると、痛切に思う。

美味しい料理とお酒と、楽しい会話と。
今まで本当にありがとうございました!
この味、忘れません。
また飲食やりたいな~という気分になることを期待しておりますので、どうかその日までお元気で。

舌が似通う

2012-03-03 18:58:30 | 行きました。
<2月17日の食事>
朝:イングリッシュマフィンの目玉焼きサンド コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、鰹の生姜焼き、根菜のきんぴら、キャベツのおかか和え)
夜:妹と職場近くで食事。ベーコンクリームのニョッキ ナポリタンスパゲッティ シーザーサラダ コーヒー @パスタの店 SPIGA/飯田橋店

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高山に行ったときのお土産を、妹の分もまとめて全部、私の職場に送りつけていたのだった。
妹が、それを取りにいきたいのだと言う。
渡すついでに、私の職場近くで一緒に夕食を摂ることにした。

今回は地下鉄の飯田橋駅乗降口近くの『パスタの店 SPIGA』にて。
ついこの前初めて行ってみたところ、麺が太めでもちもちで私好みで、すっかり気に入った店である。
と同時に、これは妹も好きに違いない!と確信したから、このお店にしたのだった。

二人以上での外食のメリットといったら、何品か頼んでシェアできるところ。
今回も一人一品ではなく、数種頼んで取り分けることに。

選んだのはナポリタンとニョッキ。
期待に違わず、どちらももちもちで美味しい!
妹もすっかり気に入った様子だ。
やっぱり、といったしてやった感と、そりゃそうだの納得感。
同じ味で育てられているんである。
いちばんの好物には違いがあれど、好きな味や食感のベクトルは、同じ方向を向いているのであった。

誕生月だから、とご馳走になって店を出た。
本当にありがとう!
ここのところ詰まってて疲れていたのだけど、取り留めない話をしてずいぶん気分転換も出来たように思う。

店を出たら、雨が大粒の雪に変わっていた。
そんな2月半ばの出来事であった。

チャイ粉で豊か

2012-03-03 10:23:59 | 買いました。
<2月16日の食事>
朝:チーズときのこのイングリッシュマフィンサンド チャイ
昼:キッシュ チョコチップスコーン(以上2点ヴィドフランスで購入)
夜:無印のレトルトイエローカレー ご飯 豆乳 野菜ジュース ヨーグルト

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そうそう、チャイ粉を買ったんである。
チャイ粉とは何か。
ひとふりで普通のミルクティーもたちまちチャイになる魔法の粉である。
怪しい言い方をしないと、チャイにちょうどいいバランスになってるスパイスミックスですね。

どうでもいいけど、「ちゃいこ」と文字を打ったら「ちゃい子」って変換されたの可愛いな。

チャイ粉。
食品に限らず、色んな国からの輸入品を広く取り扱うお店にて購入。
胡椒くらいのサイズの小瓶で600円を超えたが、ミルクティーをチャイに変える力と回数とを考えたら、中々お買い得ではなかろうか。

ついていた説明書に従うと、まず水と牛乳をあわせたものを煮立て、茶葉とチャイ粉を入れて更に煮立て、お好みで砂糖も入れて…と、中々しちめんどくさい。
が、そのセオリーに従うと、びっくりするほど本格的なチャイに仕上がって感服した。
ってそりゃそうなんだが、インドカレーを食べにいく店と同じだ!と目を見張った。

とはいえやはり作るのがしちめんどくさいため、ズルも試みることにした。
まずは、レンジで温めたミルクティーにチャイ粉を振りかけるというもの。
お次は、ミルクティーとチャイ粉をマグカップの中で混ぜ、レンジで温めるというもの。

結論を言うと、駄目であった。
茶葉と牛乳とスパイスがまったく折り合ってくれず、それぞれあさっての方向へ自己主張している具合。
やっぱりちゃんと煮出して、それぞれをまとめあげてこそのあの味なのだなあ。

何度も言うようにしちめんどくさいため中々チャイを煮出せてないが、これをゆっくり飲めるというのは、生活に追われてないというバロメーターだと思うのである。
毎朝のようにチャイを煮立てられるような日々。
それを目指していきましょうかね。

体は寒いと言っている

2012-03-02 20:14:31 | 食日記
<2月15日の食事>
朝:チョコチップスコーン(ローソンで買ったもの) 豆乳
昼:お弁当を家で(玄米ご飯、鶏とレンコンのナンプラーオイスター和え、ニラの卵焼き、ジャガイモやキノコのマスタード炒め)
間食:エクレア(セブンイレブンで買ったもの)
夜:冷凍讃岐うどん+卵

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お弁当を作ったときまでは、何とか平気だったのだ。
ところが作り終えて一息ついたら、もう動けそうな気配がまったくない。
午前中だけ休んで、ゆっくり行くか…と最初は考えたのだが、スケジュールを調整して翌日早く行けばどうにかなるな、と考えを改めた。
休むことに決めたのだった。

とにかく寝た。
ひたすら眠った。
食欲だけはあったから(悲しいことに、いつなんどきも食欲が衰えることのない私である)、起きたら食べて、そしてまた寝た。

夕食にうどんを食べたときには、だいぶましになったように思う。
何よりうどんの温かさが染みた。
温かいものを体に入れるのは大切だ。
思えば最近ろくに休めていなかったところに、結婚パーティーの際にノースリーブのワンピースの上にダウンを羽織っただけの格好で行き来したのだから、そのときに冷えきってしまったのだろう。
寒くない、まったくもって大丈夫!となめきっていたが、体って正直だ。

翌朝目が覚めたときには、すこし怠さが残るものの、幾分よくなっていた。
実際に必要な量以上に食べてしまうことだけでない。
こういう面でも体の声を聞くことは大事だと、痛感した次第である。

ひとふり、ズボラを戒める

2012-03-02 11:35:28 | 食雑記
〈2月14日の食事〉
朝:ツナサンド(キビヤベーカリーのパン使用) ココア
昼:お弁当(玄米ご飯、牛肉と野菜のオイスター炒め、キャベツのおかか和え、ニラの卵焼き)
夜:ナスとひき肉のパスタ はちみつゴルゴンゾーラ 白ワイン @Copain/飯田橋

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平日の夜に一人でご飯を食べるのは日常茶飯事だし、それが外食であるのもよくあること。
この日は早く上がれたばっかりに、おまけに酒まで飲んだのだけど、日にちが日にちだけに淋しそうに見え、周りにあらぬ心配をされなかったか、という危惧。

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料理は好きだが、それほど手の込んだことはしない。
だしの類はたいてい顆粒状のインスタントで済ませている。

そんな一つに、「中華あじ」という、いくらなんでも、という雑なネーミングのものがある。
その名の通り、中華的な味付けをしたい時に便利な顆粒だしである。

その小瓶を見ていて、はたと気付いた。
いろんな料理におけるそれぞれの使用量が、「○ふり」と、ずいぶん概念的な数字で書かれているのである。
野菜炒めなら5ふり、炒飯なら3ふり、といった具合だ。
(※かりやすくたとえで挙げた数字ゆえ、正確な使用量ではないです。)

おいおい、ひとふりして出てくる量なんて、力次第で変わってくるんじゃないのか、と揚げ足取り気質がそう思わせるも、待てよ、と私に置かれた真実が足止めをしてくる。
私の持っているこの瓶は、使いきったら詰め替え用を買って詰め替えて…を繰り返すうちに、固まっただしで、蓋についた穴がずいぶんふさがっているのであった。
振って中身が出ないほどで、瓶の口を開け切って、中身はスプーンで取っているのであった。
固体差によるひとふりの量以前の問題で、私の瓶をふったところで何も出ないのであった。

「そりゃあひとふりの量は人それぞれですけど、そもそもあなたの瓶は詰まっているじゃないですか」と、中華あじの瓶の冷やかな指摘が目に浮かぶようである。
ついでにズボラさも指摘された格好だ。
今入ってる中華あじを使いきったら、次は瓶も買い改めよう、と決意。

黒に溺れたい

2012-03-01 10:30:04 | 買いました。
〈2月13日の食事〉
朝:チョコチップスコーン(たぶん東急ストアで買ったもの) コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、豚と野菜の旨煮、ニラの卵炒め、キャベツのコチュ和え)
夜:ロコモコ丼(ファミリーマートで購入) モロゾフのトリュフチョコ

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疲れたから甘いものが食べたい。
いつものことだけど、今日は殊更に、甘いもので自分を甘やかしたいんだ。
具体的にはチョコレートで。
それも思い切り甘くてネットリと重たい、トリュフチョコなんていいな。

という気分のところで奇しくも、というよりバレンタイン前日のこの日、あちこちでチョコレートののぼりを見たせいで、チョコレートを、しかも普段より気張ったのを食べたくなったに決まってる。
単純な女なんである。

事務所近辺で叶えてくれそうな場所はといえば、駅ビル・ラムラに入っているモロゾフ。
よし、行ってみるか。

午後7時台の店内は、会社帰りのOLさんとおぼしき女性たちで賑わっている。
翌日、会社で配るんだろうか。
その中に混じり、人にあげるものを買う風情を装いながら、職場に戻ったら即おのれが食べるチョコを吟味する私。

トリュフ5個入りで500円の小箱を見つける。
よしこれにすっか。
と、それのみ買えば目標は達成できるのに、コーヒー味のチョコレートを見つけてついついそれもレジに持っていってしまった。
チョコレートの誘惑に抗わずに過ごせる日は、果たして来るのだろうか…。

事務所に戻り、夕食をとったあとに小箱の封を剥がす。
5種5様の形をみせるトリュフが、艶々とうるわしい。
まずは一個、頬張る。
犬歯あたりで噛めばくしゃりと潰れ香りが漂い、ペーストよりもやや固い固体がじわりと広がる。
これだ!と思った。
食べたかったのこれだ!と思った。

欲しかった味に食感にピシャリとはまる快感よ。
本当に美味しかった。
美味しいあまりに即刻食べ終わらせてしまって、きれいな小箱をあっという間にいらない箱にしてしまったことだけ、少し忍びない。

と、自分の悦楽だけ追ったような日記だが、ちゃんとひと様の分もご用意しておりますよ。
コーヒーをよく飲んでいる上司Y田氏には、ローストしたコーヒー豆をチョコレートでコーティングしたものを。
事務所をシェアしているサーフィン好きのOさんには、サーフボード型の箱に南国フルーツ味のチョコレートが入ったひと品を。
同居人には、日本酒が入ったチョコレートを。

こういったものを雑貨屋や菓子屋で買い求めていると、浮わついた行事には何かとアンチだった昔だったら絶対に出来なかったと思うと少し感慨深い。
それが「成長」だとは思わないが、「変化」ではあるなと、そう思った2月中旬であった。