久保田潤一郎の不健康日記

久保田潤一郎の日常と医療情報

クリニック移転、その後

2017年06月06日 | Weblog
2017年2月1日に西池袋の立教大学正門前のビルの1階に移転して4ヶ月が経過しました。何が変わって、何が変わらなかったか考えてみました。
資本主義の原理に基づけば、事業規模を拡大していく事が正義でしょうが、私の選んだ道は規模を縮小する事です。
先ず、診療所の面積が半分です。当然、以前使っていた器械やベッド、机などの備品は半分処分しなければならないのです。先ず、待ち合い室のソファー、本棚、飾り棚、診察室の机と椅子2セット、ロッカー4、エステ用ベッド1、診察ベッド2、手術ベッド1、戸棚などはほとんど処分しました。そして、超音波診断装置、超音波脂肪融解装置、EMS、脂肪吸引器、全身麻酔器、ガス滅菌器、レーザー脱毛器、Qスイッチヤグレーザーまでも処分したのです。他にも多くの手術器具を処分しました。産廃業者に頼んだ量は2トントラック2台分です。それでも間に合わず、クリニックと自宅に運んだ荷物は半端ない量です。未だに片付かずにいるのです。
いくつかの機器を処分したので、当然業務内容が変わりました。
時代に逆行してレーザー脱毛は止めました。某社が脱毛用レーザー装置を輸入する契約時に米国に同行してテストを重ねた事は遠い昔のことになりました。最終的にサイノシュアー社のアレキサンドレーザーに決定しましたが、あの時、ロングパルスルビーレーザーを導入していたら、現在のようにレーザー脱毛は普及しなかったでしょう。
Qスイッチヤグレーザーの最新器も処分です。レーザービームの特徴が気に入らなかったのです。
痩身や体型の治療も止めました。器械が大きいので入らないのです。全身麻酔を要するような手術もやめる事にしていたので、全身麻酔装置、手術台、脂肪吸引器を手放しました。それに伴って、豊胸術や腹部の手術に必要な手術器具も処分です。
私がやろうとしている医療は足し算して付加価値を高めて高額の医療費にするのではなく、引き算の医療です。肥満、高血圧や脂質異常などの生活習慣病に対して、薬剤の投与はできるだけ避けることです。生活習慣を改善すれば良くなる病気だと命名されているんですから「生活習慣病」と。それには食事、運動、睡眠を考え直してもらう指導をしています。すぐに治りません、3年かかります。でも、やらなければなりません。
美容医療でも必要ないと思う施術は勧めません。望まれてもお断りすることが度々です。
局所麻酔で可能な手術は以前通り行っています。
フィラー、ボツリヌストキシン注射やPRPの注射も行っています。
創傷治癒促進や疼痛寛解に効果のある半導体レーザーは私の研究テーマであり、友人たちの熱い要望により継続しています。
レーザーとラジオ波の器械は6台残りました。これで十分です。
大きく変わった事がもう一つありました。それは休診日と診療時間です。休診日は日、木、金としました。診療時間は午前10時15分から午後7時までなのですが、初めて休憩時間を設けました。午後1時から2時半まで休憩とし、電話も出ません。
これで良いのか悪いのか、まだ結論には至りませんが、身の丈に合った仕事をもう少し続けていこうと考える今日この頃です。