小さな温泉街に寄り添うように佇む旅館。年数を経た建物が多いがどの旅館も個性的。川の両側の道は車が通れない歩行者専用。その道沿いには今も現役の赤いポストが。街灯は新しくしたものの形は昔のままに。昼過ぎの早めの到着であったが、夜暗くなるまで、時間とともに変化する銀山温泉の表情を追ってみた。
川を挟んで佇む旅館は昭和初期の面影を残す建物ばかり。その素朴な姿には郷愁と愛着を感じる。
日も落ちる頃になると旅館の各部屋にも明かりが灯る。山間の静けさと冬の寒さの中にも、柔らかな温かさを感じる。
前日に大雪の降った銀山温泉。温泉街は中心を流れる川を挟んで両側に昭和初期の面影を残す木造の旅館が軒を並べる。旅館の数も多くはなく、旅館街の距離もせいぜい200m足らず。旅館街を過ぎればその先も手前も山ばかり。そんな山峡の小さな旅館街であるが、この情景を一目見ただけで多くの観光客をひきつける魅力がよくわかる。とりわけ雪深い銀山温泉は想像以上の美しさがある。
会津若松東山温泉に向かう途中の磐越西線は大雪のため不通。郡山から急遽高速バスに乗り換え会津若松へ。幸い大きな遅れもなく鶴ヶ城まで直通で行くことができ、あとはタクシーを乗り継ぎ御薬園、日新館と見学、夕刻、東山温泉「旅館 原滝」に到着。部屋は掘りごたつもあり、渓流沿いのゆったりとした15畳間ほど。温泉も源泉かけ流しで、雪景色を眺めながらの露天風呂は旅情をそそる。食事も渓流沿いに配置され、雪景色を眺めながら会津の郷土料理を堪能、日本酒の利き酒は6種類を味わい文句なし。翌朝は、しばれる外気の中、朝ぶろにつかり体をゆっくりと温め、美味しい朝食をいただく。味噌汁と会津の料理「こづゆ」の味が炊き立てのご飯によくあっていた。
これから、山形の銀山温泉へ…。
これから、山形の銀山温泉へ…。
会津藩士の精神的支柱となる会津藩校日新館。「什の掟」、とりわけ「ならぬことはならぬのです」の精神が、正門をはじめ日新館の敷地、建物全体にしっかりと浸透しているように感じられる。大雪がすべてを覆い尽くす光景の中では、その張りつめた空気が伝わってくるよう…。
日新館正門
日新館の説明書きも深い雪に埋もれ、文字も読めない。
什の掟
日新館正門
日新館の説明書きも深い雪に埋もれ、文字も読めない。
什の掟