庄助さん

浮いた瓢箪流れのままに‥、日々流転。

いとこ会(2)

2006-11-29 23:30:30 | 評論、感想
 場所は湯河原。千歳川の渓流沿いに建つ宿は昭和初期開業の古い旅館であった。ウイークデーであったこともあり客の数も少なく、お互いに久しぶりに会ういとこの集まりにはうってつけの状況設定であった。3時のチェックインタイムを過ぎるとほどなくみんなが集まった。久しぶりの再会であり、お互いにそれなりの齢を重ねているにもかかわらず何十年もの年月を一気に飛び越え、自然に子供時代に帰っていったような感じに囚われた。                          「イチローちゃん」、「カズちゃん」、「ヒデちゃん」、「アキちゃん」…、何の戸惑いもなく自然に昔の呼び名が出てくる。そう呼び合うお互いの心境はすでに子供時代。頭の髪は薄くなり白さが目立つ、体形も若いときとはかけ離れ老齢を感じさせるものがある。しかし、歳だの、立場だの、今おかれている状況だの…、そんなものはどうでもよかった。今、お互いの心にあるのは子供時代の気持ちそのもの。見目形は熟年の姿、話は大人言葉に呼び名は「ちゃん付け」、そして気持ちはまったくの子供、このミスマッチがなんとも面白い。これこそ、まさに何十年ぶりかのいとこ同士の集まりだ。

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