和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

福光(三十二)新・人間革命

2011年10月08日 08時20分01秒 | 今日の俳句
    新・人間革命

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    福 光(三十二)

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 菅田歌枝は、体当たりしていくような、一途な求道心を胸に秘めていた。


 文京支部の会合では、文京支部長代理で青年部の室長を兼務し、学会の運営の一切を担う山本伸一と、しばしば顔を合わせる機会があった。活動のことで、指導を受けたこともあった。


 ある時、会合が終わると、伸一は、遠方から参加した壮年や婦人に、ねぎらいの言葉をかけ、自ら用意した土産の品などを手渡していった。菅田には、こう声をかけた。


 「いつも、本当にご苦労様です。福島は大事です。広宣流布の新天地になる場所です。日々、奮闘してくださっている、せめてもの御礼です。お使いください」


 伸一は、購入してきた椿油を差し出した。


 「まあ、そこまでお気にかけていただき、申し訳ありません。ありがとうございます」


 菅田は、伸一のこまやかな心遣いに、深い感動を覚えながら、その椿油を受け取った。


 夕刻、帰途に就いた。外は、既に夜の帳に包まれていた。


 彼女は、列車の中で、車窓に映る自分の姿を見た。顔は歓喜に燃え輝いている。しかし、化粧っ気はなく、髪も、無造作な感じがした。また、アイロンをかける時間がなかったことから、着ているブラウスにも皺が目立った。


 膝の上に置いた椿油を見ながら、菅田は、思いをめぐらした。


 “会長の戸田先生は、学会の婦人部は、身だしなみも、きちんと整えるようにおっしゃっている。でも、私は、なりふり構わず、ただ動くだけで、精いっぱいだった。山本室長は、そんな私に、学会婦人の在り方を教えようとされて、この椿油をくださったのではないか……”


 婦人部員が、誰からも、すがすがしく魅力的だと思われるようになれば、学会理解の輪は、さらに大きく広がるにちがいない。一人ひとりが〝学会の顔〟であるがゆえに、身だしなみに気を配ることも大切なのである。


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(聖教新聞・2011/10/8)より転載」
http://m.seikyoonline.jp/top/top?t=805&sk=377037b65d04f4e970507bffe8ed9125


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