和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

若芽24/小説「新・人間革命」   

2013年11月18日 06時10分42秒 | 日本


      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)11月18日(月)より転載】


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若芽24(11/18)

 記念植樹に引き続いて山本伸一は、入学記念の昼食会が行われるランチルーム(現在のおとぎ食堂)に向かった。児童、保護者、来賓などを合わせ、七百人の昼食会である。

 ランチルームには、縄跳びや輪投げに興じる子どもたちの姿が、大きく描かれていた。

 児童は、十二人で一つのテーブルに着いたが、少し興奮したのか、はしゃぎぎみの子もいれば、緊張した顔の子もいた。

 しかし、皆で「いただきます!」と言って、食事が始まると、赤飯や唐揚げなどに舌鼓を打ちながら、おしゃべりが弾んだ。

 伸一は、そんな子どもたちの様子を見ながら、校長の新木高志に言った。

 「食事は楽しく、皆で和やかに語り合ってすることが大事ですね。私たちが小学生のころは、食事中にしゃべると、行儀が悪いと叱られたものです。だから、皆、ただ黙々と食べるだけでした。しかも、早く食べる方が良いとされた。軍隊教育を真似ていたんですね。

 しかし、大人になり、社会に出ると、食事は、親睦を深める場であったり、交渉の場であったりする。特に、世界では、食事の際の語らいが大事です。

 したがって、若い時から、しっかりとした食事のマナーや、何を話題にして、どう語るかなどを、身につけていく必要があります。

 第二代会長の戸田先生は、折々に、青年たちを洋食や中華料理に招き、食事のマナーなどを教えようとされた。私も、そうしてきました。中学生や高校生を、ホテルの中にある一流の店に連れて行ったこともあります。

 将来、一流のレストランで食事をしながら交渉事にあたるようになるかもしれない。その時に、気後れしてしまうようでは、十分な働きができないからです。

 私は、常に若い世代を未来のリーダーと信じ、敬意を表し、誠意をもって育んできました。それが教育の根本姿勢ではないでしょうか。人を育てましょう。皆が逸材です。未来の希望は、教育のなかにしかありません」

 伸一の瞳が、輝きを放った。


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