和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

勇将47/小説「新 ・人間革命」

2013年04月08日 09時33分59秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)4月8日(月)より転載】



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勇将47(4/8)

 近年、全国各地で医師である学会員の活躍が目立っていた。山本伸一は、二十一世紀を「生命の世紀」とするために、人間の生命に直接関わる医師など医療関係者の育成に、ことのほか力を注いできたのだ。

 医学の進歩は急速であり、日進月歩の勢いである。しかし、それによって、必ずしも人間が幸福になるとは限らない。
進歩発展した医学を、真に人類の幸福実現の力にしていくためには、医療従事者が、“人間とは何か”“生命とは何か”を説き明かした、生命尊厳の思想と哲理をもたねばならない。

 人間を“モノ”としか見なければ、その医療は、人びとの幸福とは、著しくかけ離れたものとなろう。

 ゆえに伸一は、医師のメンバーに大きな期待をかけ、力の限り、励ましを送り続けてきた。それが次第に実を結びつつあったのだ。

 彼は、溝渕義弘に尋ねた。

 「医師として、患者さんに接するうえで、心がけていることはありますか」

 「はい。患部や病だけでなく、人間を見るようにしています。
一個の人間として患者さんと向き合い、どうすれば、苦を取り除き、幸せになるお手伝いができるかを考えています。
ですから、話をする場合も、カルテや検査の数値ばかりを見るのではなく、患者さんの目をしっかり見て、人間対人間として対話するように心がけています。

 私は、患者さんから実に多くのことを学ばせてもらっています。
自分の説得力のなさや力不足、生命を見つめる眼の大切さなど、すべて患者さんと接触するなかで気づかされ、教えられました。

 患者さんこそ師匠であり、患者さんが医師としての私を育ててくれたんです。
患者さんを、心のどこかで見下し、“自分が診てあげるのだ”などと思ったら、それは慢心です。
いい医師にはなれません」

 伸一は、その言葉に感動を覚えた。溝渕には、信念があり、謙虚さがあり、感謝があった。それが成長の大事な要因といえよう。


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