和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

革心28/小説「新・人間革命」

2015年06月01日 10時11分19秒 | 今日の俳句
【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 6月1日(月)より転載】

【革心28】

 蘇歩青学長は、中国と日本の平和友好条約の締結は、一衣帯水の間にある両国の友好善隣関係を子々孫々まで伝え、引き続き新たな輝かしい歴史を書き加えていくものであるとの確信を語った。

 次いで図書贈呈に言及。今回贈られた図書は、一九七五年(昭和五十年)に寄贈された二千冊余の図書とともに、文科・理科の各学部の授業や科学研究に、いっそう大きな役割を果たすことになるとし、強く呼びかけた。

 「こうした中日両国の人民が丹念に育て上げた文化交流の花は、必ずや中日平和友好条約を新しい起点として、より豊かな友情の実を結ぶものと固く信じてやみません。

 お互いに手を携え、力を合わせ、中日平和友好関係の新たな一章を書き記すために、共に奮闘、努力しようではありませんか!」

 会場は、大きな拍手に包まれた。

 贈呈式のあとは、懇談会となった。十二年間の日本留学の経験をもつ蘇学長は、流暢な日本語を交えて、訪中団の質問に答えた。

 復旦大学は全寮制で、一部屋に六、七人の学生が入り、和気あいあいと学び合っているという。学生たちの話では、図書館も完備され、部屋代、電気代も無料であり、体調を崩したりした時には診療も受けられ、申し分のない教育環境であるとのことであった。

 学生たちの言葉には、国への信頼と感謝が感じられた。山本伸一は、その信頼こそが、国家の重要な基盤であると思った。

 国が、国民の信頼を失えば、建国の土台は崩壊する。「四人組」による文化大革命の時代にピリオドが打たれ、中国人民は、国家に、中国共産党に、大きな期待と信頼を寄せているようだ。

 話題が復旦大学の日本語教育に移り、教師の陣容などが紹介された時、学長は言った。

 「実は、私の息子も、日本語教師の一人です。近々、日本に行く予定です」

 「親子二代、日本で暮らし、日中の懸け橋になられるわけですね。すばらしい!」

 伸一の言葉に、学長は笑みを浮かべた。




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