古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

療養病床でリハビリが出来にくい理由

2014-04-07 23:05:08 | 日記
今晩は。
古森病院@博多区対馬小路です。

今日は、当院の入院打診時面談で患者様御家族様から 質問断然トップの
「当院入院後のリハビリテーション」について いつも私が
御家族様に説明している内容をUPします。

当院に転院の打診で紹介されてこられる方は、在宅介護や在宅医療が
難しい方ばかりです。歩ける方は当然ながら、殆ど居られません。
歩ける認知症の方は グループホーム入居がよい適応で
療養病床には不向きです。
在宅からの直接入院は稀にありますが、当院外来通院中の方が
一時的に肺炎になったり(肺炎が治れば退院)、博多区のクリニックの先生から、
高齢で介護が必要になったが、急性期病院や回復期リハビリテーション病棟の
入院を御家族様が希望されていないので、そちらに入院をさせてほしいと直接
リクエストがあるケースです。大半の方は急性期病院に入院後、
回復期リハビリテーション病棟に移られ、その後あちこちの病院を転々とされた後か、
医療行為が必要で、あちこちの老健や特別養護老人ホームに断られ、医師や看護師の
常駐している長期療養病床適応ということで紹介されてこられる方です。

厚労省は在宅医療を推進しているので、在宅に繋げるために
急性期病院や回復期リハビリテーション病棟、今度の診療報酬改定で
名前の変わった地域包括ケア病棟(旧亜急性期病棟)にはリハビリテーションの
報酬を手厚く配分しています。また在宅強化型老人保健施設という在宅への移行率が
高い老人保健施設については、リハビリテーションの点数を手厚くするというよりも
介護報酬そのものの点数が高く、医師も常駐しなくてよいので
人件費の面から リハビリテーションスタッフを手厚く配置できる
ことが出来ます。

それに比して、当院のようなロングステイ病棟については、リハビリテーションの
報酬は微々たるものです。当院は死亡退院あるいは御家族様希望の方は急性期病院への搬送退院が
退院の殆どを占めます。在宅に繋がらないため、厚労省はリハビリテーションの
点数を長期療養病床にはあまりつけません。昔はもう少しリハ報酬を出していたのですが、
国の財政が悪化しているので削ってきています。

こういう事情は、当然ながら、患者様の御家族様にはわかりません。
わからないことは仕方ないのですが、入院後にリハの回数で揉めることが少なくありません。
何しろ今までいた回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟ではリハビリを手厚くして頂いて
いたのに、急にリハビリの回数が少なくなる(というか激減する)とは何事か、ここまで回復したのに
手抜きではないかと、お叱りを受ける羽目になります。

仕方が無いので、転院打診面談で毎回「国におカネがないので、厚労省は在宅に戻られる方にしか
手厚いリハビリテーション報酬を出しません。うちのような病院はリハ報酬をあまり頂けないのです」と
患者様の御家族様に、ご説明申し上げる羽目になる管理人です。
胃の痛いことです。



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