古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

本人訴訟

2019-12-24 22:00:08 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

管理人は善良な一市民で
人と争うのは好まない性格ですが

先日 他県出身の曾祖父の土地に
隣の居住者の方が 越境して小屋を建て
土地を占有し 20年経過したので
明け渡すよう(土地所有権の時効取得)
曾祖父の相続人全員を対象に訴訟を起こされました。

そのような土地があるということを
全く知らされていない管理人たち。

弁護士さんにも何人か伺いましたが
「勝てない」と言われ
このまま訳も分からず 結審は避けたかったことから
本人訴訟となりました。

登記簿を取り寄せまくって調べたところ
曾祖父は 奥さんのお父さんから
小作人(今回原告のお舅さん)付きの土地を売買してもらい
(26筆ありました)
戦後の財産税法と農地改革で 地目が田畑であった
19筆は 国家に収用後
小作をされておられた原告のお舅さんに
所有権の移転が行われたのですが
のこり7筆は 地目が宅地であったので
国家に収用されず 曾祖父の名義となっていたようです。

今回の訴訟は 残り7筆のうちの
2筆についてのものでした。

原告は農地改革の後 昭和27年ごろから
当該土地を曾祖父から譲り受けて 小屋を建て
固定資産税を支払っていると言っておられました。

しかし 昭和41ー47年に当該地区に
国土調査が入り、曾祖父と原告のお舅さんが
当該土地の境界確認のサインをしていることが
登記簿に記載されており
固定資産税の支払いは賃貸契約ではないかと
当方は主張。

賃貸契約では時効取得は成立しません。

しかし、土地の所有は占有した者勝ちという
日本の司法の現状最優先の判断から
色々原告の言動の辻褄が合わずとも 当方は敗訴。
(後で知ったことですが 日本は他国から
時効取得天国と言われているそうです)

判決文の論理が結論ありきのため
&本人訴訟でお金も掛からないので
控訴。

二審判決は管理人の一部の主張につき
「賃貸契約と言えないこともない」が
決定的証拠に欠けるとして 敗訴。

諸般の事情で 上告はせず
確定しました。

一審も二審も結審から判決まで2か月ほど
かけており、門前払いではなかったようです。
二審は控訴理由書提出から
口頭弁論日まで8週間弱と長く それなりに
検討されたようでした。

顧問弁護士さんに 15回ほど相談料を
お支払して 本人訴訟支援をしていただきましたが
一審の判決文を見られて
「普通(本人訴訟で)こんなにきちんと論旨を書いてくれませんよ」
と言っておられましたので、ド素人にしては
頑張ったほうかと思います。

負けた理由の一つに 当該自治体が平成15年ごろ
市町村合併を行っていて、合併前の土地の記録がすべて
破棄されていたということがありました。

本題ですが

諸般の理由で本人訴訟で争う場合
今回 管理人が参考になったことをいくつか挙げようと
思います。

①弁護士さんにご相談料をお支払して
アドバイスを求めましょう。
書面は自分で作成することになりますが、
どこが法的な攻めどころかはお伺いすべきでしょう。
法的なポイントがずれては意味がないです。

②今回 一審では 原告が代理人弁護士さんと
共に毎回出廷されており
裁判官は原告の言動の矛盾について
直接聞くことが可能でした。
何も聞かないので、管理人の主張を肯定しているのかと
思いきや、判決文では「原告の行動の理由は不明だが~~」と
書かれてあり、驚きました。

ちなみに裁判官には 公正な判決文を書くために
主張や証拠が足りないところを当事者に質問する
釈明権というものが与えられて
いますが、担当裁判官は全く行使する気がありませんでした。
(この辺は裁判官によるようですが、顧問弁護士さんによると
主張を書面に書いても、原告の証人申請を管理人が行うことが
普通(弁論主義採用のため)と言われました。
二審での証人申請は却下され、一審でしていないのが
いけなかったようです。二審は法律審ではなく、
一審の事後審で事実審といいながら、
訴訟期間の短縮のため、一審でやってないことは
怠慢と見なされるようです。当方がプロか素人かは
関係ないようですので、お気を付けください。

長すぎるので次回へ。
次の記事は参考書の紹介です。



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