古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

医療介護施設における患者さんの性的逸脱行為について

2017-04-05 16:06:22 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

医療介護施設で、顧客が特に認知症である場合
なぜか顧客から職員への卑猥な言動、行為は 
相手が「認知症である」ことから 泣き寝入りさせられることが多々あります。

管理人は個人的には、
性的逸脱行為への対応は 看護介護の職務内容に入っていないと思います。
また認知症だから、さみしいからと言って、
全員が性的逸脱行為に走るわけではありません。
加齢により性欲が減退する方もおられますが、
管理人はもともとの個人の資質が大きく出てくるところと思っています。
(前頭側頭型はともかく)

認知症の対応の講習のなかで、性的逸脱行為について
「他のことで気をそらす(食欲を満たすとか 手を握るとか)」
「リハで体力を消耗させる」
「話し相手となる」

など 勧めているケースもありますが、
期間限定の対応でよいケースならともかく、24時間365日対応の
施設内で そのような姑息な(笑)方法でいつまでも対応できるとも思えません。

管理人は女性ということもあるかもしれませんが
性的逸脱行為について 講習などでご家族や職員「全員」に「大人になって」
「上手に対応させる」ことを「強いる」のは間違っていると思います。
そうできる人が上手にかわしつつ対応されるのは構わないと考えますけれども。

一時的に効果があると思われるのは、
合意形成の容易な性的有料サービスでしょうが、
施設入所中の方なら連れ出していただければ 可能と思います。
施設への出張サービスは施設内の管理衛生上 好ましくはありません。
特別養護老人ホームなどでは、性的問題行動を起こす方々を集団で集めて
成人向けビデオなど見せているところも
あるそうですが、人(職員も患者さんもご家族も)の価値観は様々ですので 
なんともコメントできない対応です。

施設内での対応は 現実的には
①「同性介護」(同性愛者なら異性介護)
②「薬物投与」
③ 内容や程度によるが 黙認

となっているのが現状です。

脱衣行為や自慰行為などは必ずしも他人へのわいせつ目的ではないですし
ケースバイケースです。

薬物投与では 代表的なものでは
抗うつ剤(SSRI)や 抗男性ホルモン剤(リュープリンなど しかし当然保険適応なく、一本3万弱と高価です。育毛剤であるミノキシジルも抗男性ホルモン剤です、)が有名で、
性欲減退の副作用を利用します。

当院薬剤師さんから 他に漢方薬(桂枝加竜骨牡蠣湯)もあると
紹介され、使用したことがありますが、2-3日後からわいせつ言動がピタッと
治まりました。自験例を増やしてみないと何ともわかりませんが・・・。

悩んでいる方や施設は多いと思います。
ご参考まで。

http://komori-hp.cloud-line.com/

追記

「認知症の患者さんにブスと言われたら」

参考記事
http://girlschannel.net/topics/176097/

管理人は個人的に「知ってた・・・」が一番ナイスな答えかと思いました。


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