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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

NHKプロフェショナル仕事の流儀 高校教師 岡田倫代さん

2010-02-10 22:30:20 | 社会福祉士
昨日午後10時ごろ、階下に下りていくと父親がテレビを点けたまま椅子に腰掛けて寝ていた。
起こしてトイレに同行しその後はベッドに行ってもらった。

テレビは、NHKプロフェショナル仕事の流儀を放映中だった。
父親を寝かせてから、テレビを見始めた。

教師の岡田さんは、定時制の高校に勤務している。
普通の高校に比べはるかに多彩な生徒が定時制の高校に通っている。
そのことは容易に想像できる。
しかし、私の考えが及ぶのはそこまでだ。

岡田さんは、生徒のことをキラキラした原石だという。
映像は、教員室にやってくる様々な生徒を映している。

定時制の生徒たちは全日制の生徒に比べて、より多くの課題を抱えているように感じた。
毎日、講義に出席することだって楽ではない生徒が多い。

そのような生徒の多くは自分自身を「つまらない人間」と低く評価している。
自信が持てない原石たちだ。

先日、放送された30代のホームレスの方に取材してNHKの番組では、
30代にホームレスの方が「ホームレスになったのは自分の努力が足りないから」という思いを語られていた。
高校生の場合も、若くして自分自身のせいではない生活環境が、彼らに多くの課題を負わせている。

教師の岡田さんは、彼らの話をとにかく聞く。
寄り添って聞く。
判断するのは生徒。

「私は寄り添うことしかできない」
しかし、生徒にとっては「寄り添う存在」こそが欠落しており、もっとも必要とされることなのだ。

私たちにとって、生きていくこととは、「寄り添いあうこと」。
「人を頼ろうよ」とは、ホームレス支援の奥田さんの言葉。
奥田さんは、ホームレス支援は、こころのホームレスも支援しなくてはならないと言われる。

岡田さんこそ、こころのホーム作りを実践されている方だ。

※写真は、己高庵の和室。

追伸:「ホームレスの方」という表現を長妻大臣も国会答弁で使っていたのですが、
厚労省に抗議の電話が入っていたとのこと。抗議内容は、「ホームレスの方」という言い方をするな、
「ホームレスの人」でいい。すなわち、「方」に値しないということらしい。
比較的冷静なつもりの岩清水ですが、頭に血が上りました。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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寄り添うことだけで (Maa-chan)
2010-02-10 23:34:21
 「寄り添うことしかできない」,これこそが欠けているということを,日々実感しています。

 文部科学省も,「問題のあるこども」ではなく「問題を抱えたこども」という姿勢で,課題があるお子さんに接することを教師に求めていますが,残念ながら多くの教師は「問題=悪」ととらえていて,こどもを罰してしまいます。

 寄り添うこと,それができるだけで,こども達は安心して成長することができるのだと思います。

 学校での「外部の専門家」であるソーシャルワーカーやカウンセラーが,学校ではこうした役割を負っていくことになるのでしょうし,その役割を果たしていくためには,この両職種の充実がいっそう求められていくでしょう。

 「岡田先生」という「属人」的な対応では,もう対処しきれないほど,現実は厳しくなっていると感じています。(もちろん,岡田先生のような考えをお持ちの先生がたくさんいらしてくれたらうれしいですが)
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仕事の流儀だけでは。 (岩清水)
2010-02-11 22:07:07
プロフェショナル仕事の流儀は、
まさに個人の仕事の取り組み方であり、
政策としても改善策とは切り離していますね。

このあたりがこの番組の範疇というか、限界ですね。
学校の中のことはとんと疎いのでこれからもいろいろ教えてください。
ありがとうございます。
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