ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

本編の質感

2014-11-29 | 映画
今日から三日間は仕事です。

昨日の夜、テレビで高倉健さん主演の『幸せの黄色いハンカチ』を流していましたが、いつもは早く寝る私も無事に最後まで観ることができました。

もともとアメリカのヒット曲を下地にした良く知られているストーリーと言うこともあり、「最後はどうなるんだろう?」と言うサスペンスはありません。

「最後は妻がハンカチを掲げて待っていた」と言うプロットを観客皆が知っているのにハラハラドキドキさせるには、よほど登場人物に感情移入させていなければなりません。

その辺りはさすが山田洋次監督で、丁寧な人物描写と場面作りですっかり観客の気持ちを映画の世界に引き込んで行きました。

特に高倉健さんと倍賞千恵子さんの絡みでは、二人が映って入るだけで、画面に「映画そのもの」と言う質感と緊張感がありました。

それは生粋の映画スターのみが生み出せるものなんだなあ…と改めて知りました。

山田洋次監督もまた、まだ映画会社が自前で監督を育てることが出来た時代に松竹に入った人です。

そういう「映画撮影所育ち」の現役監督も、今や他には東映出身の降旗康男監督くらいでしょうか。

あの時代の映画人たちは映画を「本編」と呼んで、テレビドラマとは峻別していました。

この映画が封切られた1970年代後半は私が一番日本映画を観ていた時期でもあります。

観終わって色々と感慨深い気持ちになりました。


神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康で暮らせますように。
友人たちが実りある休日を過ごせますように。
お祈り致します。