名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

牛舎の屋根葺き

2007年09月22日 | セカンドルーム
牛の飼育をしている老夫婦が、牛舎の屋根の張り替えをしていたので手伝ってきた。
真夏のような日差しが、シートに反射して暑かったし、老朽化した小屋は不安定で怖かった。
2~3年に1度はするとのことで、70過ぎのおばあさんも、10mほどの高さの屋根にへばり付いて作業をしている。
おじいさんは手際が悪いと大声で怒鳴り、おばあさんは負けずに口答えをしている。
喧嘩をしているようだけど、長年支え合って仕事をしてきた夫婦の、呼吸のようなものかも知れない。
13年前に、杉丸太で組み上げた大きな牛舎は、台風や豪雪にも耐えて来た。
山仕事が盛んであった頃は、寝泊りするために丸太で骨組みを作り、屋根や壁はススキを利用して小屋を作っていた。
こうした技術が、集落のお年寄りの間には残っていて、暮らしに必要なものは、周りにある材料を利用して何でも作ってしまう。

この仕事もこれでお終いだと、おじいさんはつぶやいていたけど、引き継がれることのない仕事をしている人たちからは、いつも哀感が漂ってくる。
昭和のはじめにタイムスリップしたような風景が、また一つ消えていきそうだ。
コメント
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