前回の要約をする。
静岡県の多くの高等学校でPTA会費を教員が納めていないことが問題になった。で、納めることになった。
ここまで書いて、何かを感じるだろうか?
私はここに「PTA」という組織の謎と問題が集約して現れていると認識している。
保護者はなぜ教員に払えといわなかったのか
まず、これが問題ではないか。PTAの会員である教員が会費を払っていない、ということをなぜ問題にしなかったのか、ということだ。正確にいえば、おそらく、文部科学省や県教育委員会事務局が指摘しなければ、教員のPTA会費未納問題は永遠に表面化しなかったであろう。
「AKB48ファンクラブ」を立ち上げた。会費を年会費5000円とする。スタッフが会費の徴収等の運営をする。そのとき、未納者がいた、とする。その会のスタッフが気づかないということはあるだろうか?少なくとも、未納の会員が未納を気づかないなどということがあるだろうか?
会費を支払うことを提案したのは誰か
この問題も一筋ではいかないやっかいな問いだ。
私の所属する学校では「事務長」が提案した。
なぜ、事務長が提案したのか?
別段事務長はPTAの役員ではない。
じゃあなぜ提案したのか?
大体、この未納を未納として問題にしたのはPTAではない。PTAの会長が責任を持って問題としたのではない。そう、こういう言い方がぴったりだ。
「教員が勝手に問題にした」
おそらく、未納が判明した(という表現が正しいと思うが、本当ならばとっくにわかっていたはずだね)時点で、ちょっとお金にシビアな人間ならば、
追徴金の請求とか、
滞納した分だけでも払え、
とか、いうはずではないか?PTAにはそのような反応はない。じゃあ誰が提案したのだ。くりかえすが、
「教員が勝手に問題にした」
のだ。では、その問題の提起者はだれか?
学校長ではない。当日、学校長はこの提案についてはほとんど発言していない。
では、事務長はなぜ提案者になったか?
理由は単純である。カネを扱うからだ。教員からカネを徴収するのは事務である。だからだ。
では、だれがこの問題を問題とし、提案したのか?
提案者はいないのだ。
意志なき意志、これが正解である。
PTAは、一人一人の目的意識に裏付けされた結社ではない。
だから、どうしてPTA会費をこれまで納めなかったのかについてはもちろん、なぜ、PTA総会に教員は参加しないのか?PTA会長をどうして教員も選挙しないのか?についても、明確な意志は存在しない。
PTA――意志なき組織
PTAは親と教員からなる組織だ、と最初に定義を加えた。しかし、教員といっても、そこには、校長もいれば、教頭もいれば主任もいれば、平の教員もいる。そのそれぞれの関係はどうなっているのだろうか?
「聞くなよ!そんなこと!うるせえ!」
だれですか?今発言した人は?
「うるさいよ、聞くなよ!そんなこと!そういってんだよ!」
誰ですか?あなたは?誰なんです?誰ですか?・・・・・・・・・・・・
↑ ↑ ↑ ↑
よろしかったら、クリックをしてください。ブログランキングにポイントが加算されます
最新の画像[もっと見る]
しかし、その時にとにかくとことんPTAの歴史から遡って調べつくしました。
先生がおっしゃられているようにPTAは今や任意団体ではありません。明確に言えば元から任意団体ではありません。
戦後、GHQが・・・・・・云々は釈迦に説法ですから書きませんが、そもそも、アメリカ式の学校経営にはPTAは無くてはならないものでした。親が資金を運んできて、学校経営が成り立っているからです。ですから当然、教員の人事権も握っています。
しかし、日本のPTAは学校の翼賛団体でしかありません。それは、お仕着せで借り衣の民主主義のように、アメリカ式のPTAのやり方を軍事教育から切り離すために与えられただけです。
その証拠に、次子の中学のPTAの約款には、学校に所属する生徒の保護者は例外なくこのPTAに所属すると書かれてあります。つまり、選べないのです。任意です。所属しませんと言った途端、「この非国民が!」と罵られピアプレッシャーの内にPTA会員にさせられるのです。
また、S市(県庁所在地)では、市内の1/4の小中の教員しかPTA会費を払っていません。それについても、私自身がPTAの三役をやった時に会長に糾弾しましたが、「PTAは親の会ですから」ととんちんかんなことを言われなし崩しにされました。
今、なぜ教員がPTA会費を払うようになったのか、またどこで根本的な問題、存在意義を捻じ曲げられたのかはともかくとして、私は民意が低いからこんなことが起きていると感じます。
自分たちの周りで当たり前に取り巻く環境に何の疑問も抱かないという低い民度が大変問題だと思います。
関心を抱かないということは、そもそも大罪なのではないかと感じます。