普通、教員
「起立・礼・着席」という号令をかけて授業を普通開始します。
で、この号令を発しているのは誰か、というのが、今回の問題です。ふつう、当番とか、学級委員が号令をかけますね。じゃあ、彼らなのか?
彼らは、その指摘に対して、多分、こういうでしょう。
「先生にやれって言われたからやってる」
形の上ではまあ、そうなのでしょうけれど、厳密に、
「では、その命令を証明する証拠がありますか?」
「明確に提示できる文書なり、規則なりがありますか?」
といわれれば、私は自信をもって教員の命令を証明できる証拠は無いと断言したいと思いますね。
「あります?みなさん?」
さて、これは案外大事なつっこみなんですが、置いておきます。
ところで、普通学校の先生がこの命令の主だとだれもが思っているようです。しかし、学校の先生だとすると、奇妙な事実が浮かび上がるのです。わかりますか?
「起立・礼・着席」の号令の主が先生だとすると、どうしても無理が出てしまう事実、あなたはおわかりになりますか?そうなんです。あの事実を私たちがみたとき、この命令の犯人は先生ではないといわざるをえなくなるのです。そうです。あの事実です。
自分で自分に命令
その事実は案外単純な事実です。
私の勤務していた単位制高校はクラスがありません。特定のクラスがないのです。各授業担当者の下に集まる集団はあくまで、その授業を選択した生徒で成立しています。で、学級委員とか当番とかという制度を入れにくいシステムになっています。そこで、教員が号令をかけることになることが多いのです。私はちなみにこの「起立・礼・着席」はしません。ま、それはそれとして、ある日、この号令を教員がまさにかけるところをみて、私は噴き出しそうになってしまったのです。その方、とてもまじめな方で、
「起立」
といって、ご自分も両手をぴんと伸ばし、背筋を伸ばしてたっているのです。そして、
「礼」
の号令をみずからかけ、みずから礼をしているのです。(もちろん、最後の着席はしませんよ。大体、いわないですね、「着席」って。)
ま、私がおもしろかったのは、その方の起立の姿勢のマジな姿なんですが、それにしても、みなさんはおかしいと思いませんか?自分で命令して、自分がそれに従うのです。そのおかしさはこういう設定をしてみれば瞭然とします。
「セブンイレブンへ行っておでん買って来い!」
「はい、買ってきます」
と自分に行って買いに行くという設定です。落語だとしたらこれは、別の人物で話が成立するのでしょうが、同一人物でこの命令と服従をなぜするのか、ということです。おかしいではないですか?一々自分に命令して行くバカがどこにいますか?しかし、「起立・礼・着席」の最終命令者が先生だとしたら、このバカげたことを先生がしていることになるのです。
最終命令者はだれか?
いっけん、「起立・礼・着席」の号令の主は先生のように見えます。しかし、そうだとしたら、どうして号令の命令に本人が従うのです?それも生徒の号令の命令に従うのですよ。この不可思議を説明しなければいけません。少なくとも、頭を下げさせている人間、下げさせているモノをつきとめなければなりません。だれなのか?
なぜ、先生は頭をさげるのか?
それにしても、生徒はともかく、どうして先生が頭を下げるのでしょうか?それも、生徒に向かってですよ。大体、何で生徒が頭を下げるのです。生徒はカネ払って先生の生活を成り立たせている〈顧客〉=〈Client!〉(笑)ですよ。頭を下げるのは逆でしょ?
「毎度ありがとうございます!」って。
あなたはお店でレジでお金払うとき、レジの人の号令であなたが
「お願いします」とか「ありがとうございます」って頭を下げますか?
この謎の紐解き解明をしなければいけません。分かるでしょうか?
あ、それから、私木村は授業で私だけが礼をします。それも無号令です。私だけが頭をさげるのです。で、笑っちゃうのは、生徒の皆さんはひょっとするとだれもその姿をみていませんね。さて、いずれにしても私はどうして頭を自分だけ下げるのか?おわかりになるでしょうか?
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