高校公民Blog

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無学年無学級制の可能性 4 マーケティング/広告/授業仕訳

2010-10-03 14:08:52 | 単位制システム革命

単位制の時間割は一枚

 以前、無学年無学級制単位制高校の時間割が一枚である、ということを紹介しました
 じつは、この一枚の時間割がなかなか味わい深いのです。私は、有能な管理職は、この一枚の時間割からいかなる可能性を読み解くか、だと考えていますが、なかなかそういう方に巡り合えません。
 が、ともあれ、この時間割表には、すべてがあるのです。その可能性を私は、高等学校のあるべき可能性の中心と考えています。少なくとも、今、私たちは、その可能性に注目すべきだと考えています。いえいえ、少なくとも、私たちは現在、その可能性がまったく可能性の域に押しとどめられているにせよ、確認すべきだと私は考えています。

凹凸のある時間割表

 無学年無学級制の単位制高校の時間割表ができあがり、生徒が履修登録をするとあることがわかってきます。それは、選択されていない科目がある、ということです。だれも見向きもしない科目がある、ということです。そうです。それは、履修者の数を調べるとわかります。
 担当者の名前をさらに、くわえて公表すると、ある特定の人が、選択されていないことが一目瞭然となるのです。
 さて、そのような科目や担当者の授業が、多くの生徒が履修登録する時間帯にあったらどうでしょうか。とたんに

選ぶものがない!

という苦情がでてきます。そうです。多くの生徒が、履修登録をする、その傾向が時間割表に凹凸として出現します。これは、無学年無学級制の単位制高校ならではの醍醐味なのです。

NPO授業仕訳

 さらに、それを消費者としてこのような活動が可能となります。
 私たち、授業の消費者には、このようなニーズがあります、といって、
(たとえば、)その教科が苦手な人間たちが、

「わかりやすさ」「楽しさ」「丁寧さ」

を求めているとします。
 そうしたら、それを調査する団体を設立すればいいのです。出口調査をし、そのニーズに従って、雑誌を刊行するのです。
 こうした、〈事業仕訳〉ならぬ授業仕訳が事業として、たちあげられることになるのです。
 これは、立派な消費者運動です。
 ほかの学校の先生を調査します。

「ぜひ、**高校の++先生を呼んでください。校長先生!」

なんて、夢物語も出現するのです。

相談員としての担任

 無学年無学級制の単位制高校では担任の意味合いも変わってきます。十分な市場調査を行ったうえで、広告のパンフレットが用意されているのです。

「そうですか。今の授業にでれない。どうしてでしょうね?」

こうして、聞き取りをし、

「じゃあ、この先生の、この科目をお薦めします。」

ネット上にアマゾンドットコム風の★印

 さらに、ネット上には、それぞれの担当者を受けた受講生の、評価が★印の数と、コメントで示されています。
 こうして、受講者は自己責任を問われます。担任も推奨した責任を問われます。そして、なにより、教科担当者は、受講生の評価を受けることになるのです。
 そうです。さらに、リピーター率もこのネット上には掲載されていたらどうでしょうか?どのくらいの人がリピートしているか?

合同説明会

 さらに、無学年無学級制の単位制高校ならではの学校行事が、「合同説明会」です。年に一度、体育館を使って行われるのです。各教科の説明を、各ブースに分かれて行います。どのような生徒に、どの科目が向いているのか、を相談するのです。そうしたフェアを開催するのです。
 そのときに、学校外部の塾や、専門学校も出店が許されていたらどうでしょうか?



 これが消費社会を前提とした無学年無学級制の単位制高校の可能性の中心なのです。これが、可能性から実現性に移行した時、人事担当者の決済責任が赤裸々になるのです。現在は、何の理由で採用されたのかも不明、いったい、その教員が学校のニーズに合っているのかも不明、何もかも不明、この真っ暗闇を前提に教員評価が行われているのです。

無学年、無学級制の可能性 3 対人関係のストレスの縮減
無学年、無学級制の可能性 2 無限なる市場の出現 
無学年、無学級制の可能性 1 多様の共存 

 
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