伊が「尊厳死法」を施行 死を「自己決定」した“後”に来るものとは
2018.02.02(liverty web)
《本記事のポイント》
- 男性の安楽死をきっかけに、イタリアで尊厳死法が施行
- 日本でも尊厳死をめぐる議論が盛んになっている
- 死後も苦しまないためには、霊的人生観が必要
延命治療を望まない「尊厳死」を認める法律が1月31日、イタリアで施行された。海外メディアや読売新聞が報じた。
法律は、「医師は延命治療を望まない患者の意思を尊重しなければならず、その際殺人罪などに問われない」というもの。尊厳死を認める法案については以前から議論されていたが、国民の7割以上がカトリックを信仰しているイタリアでは、人間が死の時期に関与することに否定的な人が多く、法制化が進まなかった。
しかし、ある男性の安楽死をきっかけに法制化が進んだという。
イタリアでDJとして活躍していたファビアーノ・アントニアーニ氏は2014年6月、交通事故で失明と四肢のまひ、絶え間ない全身の激痛という後遺症を負った。リハビリや治療に励んだが、改善が見られず、生きていくことに苦痛を覚え17年2月、投薬による安楽死が認められているスイスで安楽死を遂げた。
アントニアーニ氏は生前、尊厳死や安楽死の容認を求める動画をインターネットに投稿しており、これにより、イタリアで尊厳死や安楽死を容認する声が増えたという。ただ、このたび施行されたのは、寿命に従って平穏に亡くなる「尊厳死」を認めるものであり、投薬による「安楽死」を認めるスイスとは異なる。
日本でも「安楽死で死にたい」
日本でも昨年8月、脚本家の橋田壽賀子氏が『安楽死で死なせて下さい』を発刊し、投薬を伴う安楽死の是非について議論が沸き起こった。認知症になって周りの人に迷惑をかけるくらいなら、安楽死で死にたいというのが、橋田氏の考えだ。
これに対して、日本在宅ホスピス協会会長の小笠原文雄氏や日本尊厳死協会副理事長の長尾和宏氏は、「安楽死と『安楽な死』は違う」とし、寿命に従って平穏に亡くなる尊厳死を勧めている。
このように、尊厳死と安楽死では意味合いが大きく異なるが、いずれにせよ、「どのように死ぬか」が大きなテーマであることは間違いない。
死後苦しまないために
ここで考えるべきは、「あの世への旅立ち」という観点だ。大川隆法・幸福の科学総裁はこのように述べている。
「私は、自殺そのものには反対ですが、ある意味で、安楽死や、延命治療を打ち切ること、あまり長く苦しまないで亡くなること自体は、よいことだと思うんですね。末期の苦しみがあまり長いと、死んだあとにも苦しみを持ち越して、その状態が続くことがわりに多いので、その辺の見切りは大事だと思います。病気になって、あまり苦しくて悲惨な状態を長く続けるのはよくないのです。『もう回復不能』と判断したら、そこで見切るのも愛かなと思います。この世の人にとってもそうですし、本人自身の魂も、『もう、あの世に還りたい』と願っている状態であれば、あまり無理をして延命を続けないほうがよいと思います。唯物論的な医学では、『延命させることが愛だ』と思ってやっていますが、必ずしもそうではない面があるかもしれません」(幸福の科学出版『勇気ある人となれ』大川隆法著)
「いまのところ、人間の権利として認められていないかもしれませんが、人間には、『安らかに、あの世に旅立つ権利』というものがあるのです」(幸福の科学出版『霊界散歩』大川隆法著)
人間の本質は魂であり、新たな経験を積むために、一人ひとり「人生計画」をたてて地上に生まれてきている。したがって、死ねば何もなくなると考え、「苦しみ」から逃れたいという一心で死期を早めるべきではない。しかし、唯物的に肉体の生存のみに執着することも、安らかな死を阻害してしまう。
尊厳死や安楽死を考えるにあたっては、「転生輪廻」や「魂の安らかな旅立ち」という観点が不可欠だ。
(片岡眞有子)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『霊界散歩』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=133
幸福の科学出版 『勇気ある人となれ』 大川隆法著
※書店では取り扱っておりません。最寄りの幸福の科学の精舎・支部・拠点までお問い合わせください
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