かえるネット木津川南

大阪市南西部で活動する日本共産党の青年後援会のブログです。

砕け散った安全神話2

2011-04-30 07:26:59 | インポート

止める・冷やす・閉じ込める

原子炉の二大事故は何かといえば、原子炉暴走事故と冷却材喪失事故です。

前者は反応事故とも呼ばれ、1986年4月の旧ソ連チェルノブイリ原発事故がその典型例です。

後者は、1979年3月の米国スリーマイル島原発事故や今回の福島第一原発がその典型例です。冷却材喪失事故では、たとえば原子炉の一次冷却系の配管などが破損し、冷却材が大量に流出します。大量の冷却材が失われると、核燃料の温度が急激に上昇し、燃料損傷から燃料溶融(メルトダウン)に突き進む可能性があります。炉心溶融事故として知られる恐ろしい事故です。

さて、原子力発電は、なんらかの緊急事態に際し、「止める・冷やす・閉じ込める」ことが、安全の基本といわれています。

福島原発では、「止める」ことには、まず成功したが、「冷やす・閉じ込める」ことには失敗しました。

 

止める

「止める」とは、原子炉を停止させること、核分裂反応を止めることです。

地震によって、福島第一原発、同第二原発ともに制御棒(原子炉のアクセルとブレーキにあたります)を入れ、原子炉はすべて停止しました。

しかし、地震によって停電となり、発電所の外から供給される電力が止まり、非常用炉心冷却装置が動かなくなりました。

それでも所内にはこうした外部電源喪失事故に備え、非常用のディーゼル発電機が設置してあり、それらが作動した。ここまでは「想定」どおりでした。

 

冷やす

ところが大津波によって、ディーゼル発電機がすべて停止した。

報道によれば、5メートルの津波には対策ができていた、しかし、10数メートルの津波には対応できるものではなかったようです。

そのため、ポンプで水を循環させて炉心を冷却することができなくなった。「冷やす」という操作が、これでできなくなってしまいました。ここを東京電力は「想定外」と言っているのですが、想定が甘かったということです。

たいていの機械類は止めれば安全になります。たとえば動いている自動車は事故を起こしますが、とまっていれば安全です。

ところが、原子炉のやっかいなところは、止めるだけではすまないことです。原子炉内には膨大な量の放射性物質があって、放射線を出し続けています。放射線のエネルギーを周りの物質、冷却水や核燃料などが吸収して、その温度が上がっていきます。

 

閉じ込める

核燃料は2800度くらいにならないと溶融(とけること)しません。核燃料をおおう被覆管、これはジルカロイと呼ばれる合金でできていますが、1200度になると、水蒸気と反応し水素ガスが出てきます。核燃料がこのような温度になると燃料損傷、悪くすると一部燃料溶融に突き進みます。

核燃料も高温になっているので、核分裂生成物である気体状の放射性希ガスや放射性ヨウ素、放射性セシウムなど比較的低温で気体になる揮発性の放射性物質が、核燃料からもれ出てきます。

それらが圧力容器をもれ出て格納容器にたまりました。そのため、格納容器内の圧力が高まりました。格納容器が圧力に耐えられなくなって壊れると、格納容器内の放射性物質がすべて環境に出てしまいます。これは「閉じ込める」ことの失敗、最悪の事態を意味します。

これを防ぐために、格納容器内の気体を外に出し圧力を下げる作業をしました。格納容器が壊れ、大量の放射性物質が環境にもれ出るよりも、多少の放射性物質をあらかじめ放出したほうが、まだましだということです。第1・3号炉では、この作業のときに水素爆発がおきました。爆発の理由は今のところ不明です。

第2号炉では、格納容器が損傷し、容器内にたまっていた放射性物質が漏れました。これを境に、茨城県など各地の観測で放射線量率が大きく上昇しました。茨城県では十数倍から数十倍に、東京でも最大で十倍に上がりました。

また、第一から第四号機の放水口付近で、海水の汚染が進んでいることが分かっています。放射性ヨウ素、放射性セシウムだけでなく、バリウム140など他の放射性物質が海水から見つかっています。どこから漏れ出ているか分からないだけに深刻です。

第3・4号炉では、使用済み燃料のプールの水も、ポンプが動かないため冷却できずに、蒸発し、燃料棒が水から出てむき出しになりました。

こうして「冷却」に失敗し、「閉じ込める」ことにも失敗しました。放射性物質は今も幾つかの箇所から漏れ出ています。

 

労働者の被ばく事故

なお、この「冷やす・閉じ込める」作業中に、20~30代の東電協力会社社員の作業員が三人被ばくするという事件がおこりました。被ばく線量は180ミリシーベルトほとです。緊急作業にあたる作業員の被ばく線量の上限値は全身で100ミリシーベルトと決められていたので、本来ならこの被ばくは法令違反です。

しかし、100ミリシーベルトでは復旧作業上の時間的制約が大きいと判断した首相官邸の要請を受けて、厚労省と経産省が1日足らずの間に、第一原発で緊急作業にあたる作業員の被ばく線量の上限値を全身で250ミリシーベルトにあげてしまいました。ご都合主義もいいところで、大変に問題であると思います。作業者を消耗品扱いするなと言いたい気がします。

また、放射線の担当者が、当日のタービン建屋地下一階の線量率を測定しておらず、また作業員にも同行していないことも大きな問題です。

つづく・・・

 

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