古美術 崎陽

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長崎で活躍した人~「司馬江漢」~4

2013-02-23 04:55:25 | ホームページ更新

寛永初期、日本における洋風画の開拓者として

秋田の小田野直武とともに重要な画家。

直武の作品が、遠近法、

明暗法などの西洋画法をとりいれつつ、

画材は伝統的な絵具と墨とを使用していたのに対し、

江漢は荏胡麻の油を使用して描いたことで特筆される。

江漢は、西洋画法と油彩の技法を駆使して

富士などの日本的な風景を描き、

それを各地の社寺に奉納することによって、

洋風画の普及に貢献した。

現存の代表作の「相州鎌倉七里浜図」は

もともと江戸の芝・愛宕山に奉納したもの。

社寺の壁などに掲げられる絵馬は傷みやすいものだが、

早い時期に社殿から取り外して保存されていたため、

保存状態がよい。

蝋油を使った蝋画の工夫などもしている。

日本最初の銅版画(エッチング)家でもあり、

天明3年(1783)その制作に成功した。

天文・地学、動植物など西洋博物学、

自然科学に興味を持ち、日本に紹介した。


『和蘭天説』や『刻白爾(コッペル)天文図解』

などといった啓蒙書も残した。


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