補足1
~吉雄耕牛~2
吉雄邸の2階にはオランダから輸入された家具が
配され「阿蘭陀坐敷」などと呼ばれたという。
庭園にもオランダ渡りの動植物にあふれ、
長崎の名所となった。
同邸では西洋暦の正月に行われる
いわゆる「オランダ正月」の宴も催された。
吉雄邸を訪れ、あるいは成秀館に学んだ蘭学者・医師は数多く、
青木昆陽・野呂元丈・大槻玄沢・三浦梅園・
平賀源内・林子平・司馬江漢など
当時一流の蘭学者は軒並み耕牛と交わり、
多くの知識を学んでいる。
大槻玄沢によれば門人は600余を数えたという。
中でも前野良沢・杉田玄白らとの交流は深く、
2人が携わった『解体新書』に耕牛は序文を寄せ、
両者の功労を賞賛している。
また江戸に戻った玄沢は、
自らの私塾芝蘭堂で江戸オランダ正月を開催した。
若くして優れた才覚を発揮していたため、
上記に記している青木昆陽・野呂元丈・前野良沢など、
自身よりも年上の弟子が何人も存在する。
古美術 崎陽
長崎の歴史