古美術 崎陽

古唐津 茶碗 他お茶道具等 古美術全般を取り扱う「古美術崎陽」のHP日記

長崎の歴史~正月編~13

2013-01-09 04:25:22 | 長崎の歴史
補足2

~芝蘭堂~2


その後一時帰郷して家族を呼び寄せ、

天明8年(1788)三十間堀に移転。


この年、玄沢は蘭学の入門書『蘭学階梯』を著したことで、

斯界で大いに名を高めており、

この前後に私邸を「芝蘭堂」と称して開塾したと思われる。

塾名の「芝蘭」とは本来、霊芝と蘭のことを指し、

香りの良い草の総称として用いられる慣用句。

さらに転じて『孔子家語』の

「與善人居、如入芝蘭之室

(善人とともにいると

香草の香り漂う部屋にいるように感化される)」

「芝蘭生於深林、不以無人而不芳

(芝蘭は人のいない深林に生えていても

常によい香りを放っている)」

あるいは『晋書』の「芝蘭玉樹生庭階

(香りの良い草や美しい木は階段の近く

=優れた先生の側に生える)」

など古典漢籍に見られるように、

優れた人物や君子にたとえられる語である。


一説には元々杉田玄白の塾名であったものを譲り受けたともいう。

入塾した弟子は100名以上いたと思われる。

また芝蘭堂は玄沢の私邸でもあったため移転も多く、

たびたび転居している。


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