天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

句会のあとの塩大福

2024-05-22 08:55:27 | 俳句

塩大福と麩餅(麩饅頭)


きのう5月定例のKBJ句会を開いた。欠席投句を含め6人48句の句会となった。
小生は前日ひこばえネット130句を見て6、70句に関し取捨にかかわらず短評を書いたので二日続いて句に対してものを言うことに食傷ぎみであった。
けれど小川主宰など結社を牽引するトップの方々は毎日、人の句を見ているだろう。小生も頑張らねばと力を振り絞った。

墨筆を一気に下ろし初夏と書く 坪山治子
という句にはっとした。「墨筆」は広辞苑にないのだがイメージは立つ。文字通り勢いがありいかにも初夏である。毎月ほとんど小生の選に入らない近所の治子さんの句であった。新しい句の書き方がいい。
続けていれば何か起こるのが俳句であると痛感した。

夏の山水飲んで水かぶりけり わたる
これに4点も入り驚いた。司会者が小生にコメントを求めるので、「乱暴な句ですね」ととぼけた。こんなに支持があるのなら小川主宰に見せようか。






さて句会が終わると誰かが小生の靴の横に何か包み物を置いてあった。小生への贈答らしい。帰って開くと、塩大福と麩餅(ふもち)であった。生産者「京嵯峨野竹路庵」。
夕方から夜にかけて甘いものを食べると身につくのでセーブしているが大福は見るだに美味そう。塩が効いた餡の練り具合がよい。おまけに「豆大福」ほどではないが豆が散らばっている。大福が好きでヤマザキでもありがたく食べているが竹路庵(ちくじあん)を頂くともう雲泥の差を感じてしまう。

前の句会でも和菓子をいただいたような気がする。それは蕨餅であった。冷たくて蕩けるようだった。
お礼に、
声の佳き鳥が甍に蕨餅 わたる
と書き、当句会に出して1点入ったように思う。呉れた人が採らなかった。う~ん。鷹へ出せるレベルだと思ったがほかの句を優先させてしまった。この蕨餅も「京嵯峨野竹路庵」であったか。

小生は下戸にして甘党である。
年を取ってそうたくさん食べるわけではないが基本的に甘党である。高校の入学の日、これまた甘党の父と甘味処で二人合わせて20個の饅頭ほか和菓子を平らげたのであった。
その割に和菓子の餡を句に詠んでいない。

餡といえば、すぐ、
厚餡割ればシクと音して雲の峰 中村草田男
を思い出す。
「シクと音して」が和菓子、饅頭の質感、食感であって、洋菓子の追従できない世界である。洋菓子はベトベトして垂れる。媚びている感じ。洋菓子よりやはり饅頭に惹かれる。

高遠は花こつてりや饅頭も わたる
南信州の桜の名所、高遠は饅頭が名物。
はじめ「高遠饅頭」が出たが模倣されて模倣された元祖が「高遠城址饅頭」となった。ほかに「亀饅頭」というのもある。いま3種類のはずだが三つは刻印が違うだけでほぼ同じ体裁で似たような味である。桜はコヒガンザクラ、むっちりしている。
故郷で母は濃厚な餡を作り父が餅にたっぷり乗せて食べた。同様にその子も餅を甘くして食べた。
餡こ、饅頭系の句を書いて鷹へ出して載せることが呉れた方へのお返しと思う。なんとか果たさねば。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最初から負けていた豊昇龍 | トップ | 宇良関香を聞いていますか »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2024-05-24 09:38:47
墨筆を一気に下ろし初夏と書く 坪山治子
テレビに映った海月と同じで初夏が季語として機能しているのだろうか。

夏の山水飲んで水かぶりけり わたる

何人の句会か存じておりませんが四点集まって高得点との事。さすがに天地さんのお弟子さん達だけあって選句眼は確かなようです。夏山で飲む水の旨さ、水を頭から被った時の爽快感がダイレクトに伝わるシンプルな書き方です。しかし、作者自身がこの句を評価していなかったのが意外ですね。天地さんがまさか技巧に目が眩んでいるとも思えませんが。
名をなのれ (わたる)
2024-05-24 13:16:33
小生のブログに何か言ってくださるのは歓迎しますが、言葉をやる者は名前はなのらないと話になりません。
「春の星この世かぎりの名を告ぐる 奥坂まや」
名を言ってこそ人は堂々と立つのです。よろしく。

コメントを投稿

俳句」カテゴリの最新記事