天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

俳句リベンジマッチin吉祥寺

2018-10-08 05:28:21 | 俳句

吉祥寺の池


きのう吉祥寺の動物園で五人会「どすこい」の吟行句会を行った。
どすこいの2人が欠場しての4人はさみしいので「鷹」から前原正嗣さん、「秋草」から木村定生さんを招き6名とした。

木村さんとは去年まで共に俳句甲子園神奈川大会の審査員を3回つとめた縁。多摩川のすぐ南に住んでいて去年、競馬場吟行に誘ったら来てくださった。はじめての競馬場がかなり気に入り開催日でないときも閑散とした場所で日溜りを楽しんでいるという。
その吟行でぼくは彼の句を3句採ったが、彼はぼくの句をまったく採らなかった。あとでそれが悔しくなった。そのとき彼は「ぼくの句は脱力系」といった。それに対してぼくの句は基本的に物を際立たせるタイプゆえ水と油なんだと思った。
しかし悔しいのできのうは木村定生選に入ることをめざした。いわばぼくの彼奴に対するリベンジマッチであった。
むろん彼にそんな意識はない。

彼は去年の競馬場吟行で待ち合わせ場所に来なかった。電話するともう取材しているという。基本的に団体行動が嫌いで自分で好きなところへ好奇心のまま突っ走る人はぼくの好みである。飯島晴子もそうであった。
しかし彼は会場費を払うのを忘れた。それを1年間ずっと申し訳なく思っていたようでおかしい。
きのう彼は遅刻したのでぼくらは彼を無視してはじめた、彼には次の句会場所を知らせておいた。去年と同じである。
3時半に彼と句会場で会って懐かしかった。しかし去年の会場費のことは忘れていたのでこちらから言って300円徴収した。300円はどうでもいいが帰ってから彼が思い出して気を揉むのはかわいそうと思った。

7句ずつ出して42句。5句選。
さて木村定生選に、小生の
秋晴のしんしんとして耳遠し

が入った。やれやれ。ほんとうはもう1句採られたかったがよしとする。読みをじっくり聞くとぼくの意図した通りに解釈していてほっとした。今回ぼくは彼の句を1句も採らなかった。ほかの人の点も入らず
藤棚の藤の根元や昼の虫 定生
に前原さんの1点が入ったそれだけではなかったか。前原さんは「もう少し色のある言い方ができないかなあと思うが昼の虫はいい」という。けれど色のある言い方をしないのが木村さんの世界なのである。いわゆる「脱力系」。
鳥の巣に鳥が入つてゆくところ  波多野爽波
の系譜が木村さんの世界なのだが。爽波の鳥は見えるが今回の木村さんは出来が悪かったのではないか。この方向の俳句作りは間違うと「ただごと」になってしまう。そのぎりぎりのところで木村さんはやっている。

彼はぼくの明るさを褒める。ぼくは彼が来ると別の力が出そうでうれしい。双方がなんとなく引き合っている。これからも吟行にお呼びしたい御仁である。彼は読む力が秀でていてぼくより鋭い指摘をしたりする。ひこばえの諸君は違う流派の人と接しいい勉強になったことだろう。
今度はぼくがうきうきする句を出せよ、定生さん。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 甘柿から渋柿へ | トップ | 柿失敗ぎんなん成功 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

俳句」カテゴリの最新記事