山中慎介様、WBCバンタム級12回目の防衛おめでとうございます。ダウンを5回奪っての第7ラウンドTKО勝利、すばらしいのひとことです。
第5ラウンド、カールソンの大振りのフックを食らってぐらつく危機も見せるという演出までしてくださいました。
お金を払って見にきてくれたお客様へのサービス精神も一流です。ぜひ具志堅用高様の防衛記録に並び、さらに越えていってほしいと願っています。
一つお願いがあります。
リングの上で御子息を抱いて、パパ強かったでしょう、みたいな演出をするのがいかがなものでしょうか。視聴者のご機嫌を取りたいテレビ局もいけないのですが、神の手はそれを拒否してもいいのではないでしょうか。
ぼくはあなたを一人の屈強の男、剛腕の格闘者と見ています。一人黙々と常人のできぬ鍛錬を続け神域に入った存在と見ています。極北のストイシズムの光として崇めるのです。
そんな存在が神聖なリングの上でエロスの所産を抱いて誇らしげな顔をするのはどうにも違和感を持ってしまいます。
あなたがリング上で毎度御子息を抱くシーンを見ているうちにパンチドランカー状態になってやや違和感が薄れつつありますが、でも、やはり、神域のストイシズムを演出してほしいのです。
大相撲で土俵上で優勝力士が御子息を抱いたことがあったでしょうか。抱くのは優勝賜杯です。
一時、女性が土俵に上がることさえ神聖さを穢すといって問題になったほどです。
敗者がよろよろ去って行くかたわらで御子息を抱いて見せるのは、倒れた相手を後ろからハンマーでぶん殴るような非礼のようにも思えます。「慎介」の「慎」には、<つつしみ>という意味がこめられています。
小生の提唱する保守的な倫理観に目覚めたならばなおいっそうスーパースターを崇めることができるのです。
以上、老婆心ながら。