天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

映画『THE GREY 凍える太陽』

2024-10-06 11:08:42 | 映画




ザ・シネマがテレビに提供する映画の中にときどき引き込まれる逸品がある。『THE GREY 凍える太陽』は、リーアム・ニーソンが出るということでテレビをつけたら、目が離せなくなった。リーアム・ニーソンは「孤高の男」という言い方がぴったりの渋い男優。存在感が抜きん出ている。
【ストーリー】
石油採掘場に雇われた射撃のプロ・オットウェイ(リーアム・ニーソン)は、休暇を過ごすために家族のもとへ帰る他の作業員とともに飛行機に乗っていた。 ところが、その飛行機は嵐に巻き込まれ、アラスカの山中に墜落。生き残ったオットウェイらは、自分たちがオオカミの縄張りに来てしまったことに気付き、救助を待つよりも、その場から逃げたほうがよいと考えた。生きて帰るべく南へ向かう生存者を、厳しい自然が襲う。

最初7名生存していた男たちが次々死んでゆくサバイバルスリラー。死ぬ最大要因が狼の襲撃。
日本では死滅したという狼の群れは迫力がある。記録映画でない劇映画で野生動物をどのようにして意図をもって作る映画に撮り込むことができるのか。ハリウッドは巨大宇宙船やら意中怪獣やら大仕掛けの物を作っては壊し迫力ある映像を生産し続けているが、かえって野生動物の凄みを遺憾なく見せてくれた。
狼は怖いのである。狼に何人かの男が食いちぎられて死ぬのだがその食われ方、出血といい、凄まじい。まさか現実の俳優が食われたわけではなかろうが、ぞっとする場面がリアルである。
ライオンや虎より狼を怖く感じた。狼は凄いのである。
それは彼らの住む場所が寒冷地かもしれない。寒冷と狼の襲撃から逃げる男たちがどんどん死んでいく。
最後の残った主人公オットウェイは狼のボスと対峙する。そのとき彼は父が残した詩の一片を思い出す。
「最大の敵と戦い勝ったなら死んでもいい」といったような内容である。
寒さと狼とに追い詰められてひたすら死に向かっていく。死に向かっていく男に一片の詩がある。

そう知られていそうもない作品だが死と詩が濃密にからんでいて圧倒された。リーアム・ニーソンならではの映画であった。


まるで狼のようなリーアム・ニーソン

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