天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

ミラ・ジョヴォヴィッチの無駄使い

2024-05-20 05:49:41 | 映画

左からルーシー・リュー、ジェームズ・ブランコ、ミラ・ジョヴォヴィッチ


『フューチャーワールド』(Future World)は、2018年にアメリカ合衆国で製作されたSFアクション映画。ジェームズ・フランコが監督と主演を務めた。

第三次世界大戦により世界が荒廃したという設定。
荒廃した世界を暴力で生き抜く侵略者「レイダース」たちがバイクを飛ばすシーンから始まる。「レイダース」の親分ウォーロードを演じるのが監督も兼ねるジェームズ・フランコ。さて細々暮らす村を襲って何を獲ろうとするのか、走らせるガソリンが無駄ではないのか、のっけから奇異である。
辺りは砂と岩の荒蕪地。人間は何を食って生きているのか。西部劇や時代劇は現代人の知らぬ時空でるが物語の背景、人の生活が感じられついていける。ストーリーの成立する人間の数が存在するのである。けれど、核兵器などで抹殺し合った結果の未来は人間の存在自体が少なく、息絶え絶えに生きているのではないのか。
少数の人間たちは飲料水をどうやって得ているのか。大勢が飛ばすバイクの燃料はいったいどこから来るのか。いくらファンタジーが売りといってもまるで現実から浮遊している。
平和主義者たちが暮らす「オアシス」の統治者クイーンは難病である赤熱病に倒れて危篤。息子のプリンスは特効薬がある遥か彼方の「命の寺」を目指し一人旅立つ。
これが物語の骨子と思われる。
途中、盛り場ラブタウンでアッシュという娘と出会う。彼女はアンドロイドでウォーロードの女。
ラブタウンは要するに性サービスをする商いだが人が少なく供給も需要もそうないのでは。それより食う、飲むの生活の土台のほうが重大な案件ではないか。
プリンスが故障したアッシュを連れ出すのだがクルマ失っていて、橇に乗せてゆく。3キロくらいならそれも可能だが故郷から薬を求める旅路は1000キロ以上あったはず。クルマを失った時点で薬は手に入らないはず。
砂漠でガス欠になって往生するハリウッド映画は多々ある。
プリンスはなんとかドラッグタウンに着く。アッシュは修理してくれた女レイと恋仲になる。仲がよさそうだったプリンスとの関係はどうなってしまったのか、これも奇異。
ドラッグタウンの親分がミラ・ジョヴォヴィッチ演ずるドラッグロード。薬は大男と決闘して勝ったら腹の中から取り出せる。プリンスは大男を倒して腹を裂いて薬を取り出す。熊の胆を獲る狩人の風情でこれまた奇異。
それを持って故郷へ帰り、母クイーンの快癒に成功する。
こんな支離滅裂な内容の映画を久しぶりに見た。あまりバカバカしいのでやめようと思いつつ、どんな結末になるか興味はあった。
女同士恋愛関係になった(片方はアンドロイドだが)レイとアッシュはオアシスに留まらず、旅に出る。人生は希望である、というテロップが入って終了。

Dさんが短い映画評を書いている。
ミラ・ジョヴォヴィッチとルーシー・リューの無駄使い映画。
マッド・マックスのパクリの様な世界観で、何だかつまんなかった。
 アンドロイドのアッシュは、レズビアンっぽくなるし、おっぱいも見せてくれねぇ〜し!




ミラ・ジョヴォヴィッチは目が爛々と青く、凄みがあった。出るだけで存在感がある女優である。たしかに、無駄使いである。彼女一人の主演で出すべき。ルーシー・リューの無駄使いは、当たらない。彼自身が作りたくて出たくての映画である。

句会は80句中8句選みたいに、めいめいがいいと思う句を採り発表することで進行する。ときにあまりひどい句があると、だめな一句を指摘したくなる。そうすることもあり、これを「逆選」という。おもしろいが当該者をそうとう傷つけるので小生はしたことがない。
その「逆選」にふさわしいのがこの映画だと思った。
コメント
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