この季節、集落の道のあちこちで動物の糞のように黒くなっている箇所があります。
“タブ”の実です。
石垣の間から生えてきた木にたくさん果実をつけ、
それが熟しきって下に落ち、道行く人々に踏んづけられて、つぶれてしまったものです。
“タブ”と言っても、どんな実かご存じない方がほとんどだろうと思われます。
当地区でこう呼んでいますが、本当の名前ではないようです。
私も長い間本当の名前を知りませんでした。
ネットで検索しても、“タブノキ(椨の木)”が出てくるだけです。
“タブノキ”とわが地区の“タブ”はまったく異なります。
ということで、偶然捜し当ててわかったのですが、わが地区の“タブ”の正体は、イチジクの仲間で“イヌビワ”というようです。
イチジクの仲間なのに、「○○ビワ」というのもおかしな話ですが、別名 イタビ、イタブ、コイチジクなどというらしいです。
確かに、イチジク同様に果実を割ったときに、小さな粒粒があり、その風情はよく似ています。
と納得です。
が、私が果実だと思っていたのは、実は「花嚢」というのもので、その中にたくさんの小さな花が咲くのだそうです。
そして、その後つぶつぶのたくさんの黄色い果実が出来るのだそうです。
ですから、一見 種だと思っていた小さなつぶつぶこそが真の果実だそうです。
イチジクは「無花果」と書くとおり、表面的には花は見えません。
“タブ(=イヌビワ)”も同様、表面的には花は見えません。
ということですが、
“イヌビワ”という名前に私は大反対です。
“タブ”は、甘さ控えめの、田舎の香り満載ノスタルジック的天然食です。
子供の頃は良く食べたものです。
“イヌ○○”などとさげすまれたような名前をつけて欲しくないです。
せめて“コイチジク”くらいの扱いはして欲しいものだと強く思います。
それよりも、自立した“タブ”という名前を認めて欲しいものです。
植物学者のみなさ~ん!
このほんのり甘い、かわいい果実に清い名前を!
ぜひとも“タブ”を一人前に認めて市民権を与えて欲しいものです。
※本日の投稿は過去記事のリメーク版です。
過去記事 「“タブ”に市民権を!」(2007年8月25日)
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