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マッチングイベントでの効果を高める~企業から見た活用のポイント~

2011-02-12 15:59:03 | 企業支援
日本政策金融公庫が発行している「調査月報」2011.2月号に
マッチングイベントの特集がされていましたので、
備忘録的に残しておきたいと思います。


近年、さまざまなビジネスマッチングが実施されている。
成功事例も増えてきている一方で、
出展した企業からは負担に見合うだけの成果が上がらないとの声も聞かれる。
では、出展の効果を高めるためにはどうすればよいのだろうか。


ビジネスマッチングとは、
新たな取引先もしくはその候補となる相手と出会う機会を企業に提供する活動や、サービスのことをいう。
多くの中小企業では、優れた技術や画期的な製品がありながら、
販路開拓がうまく進まないという声が聞かれる中、
その悩みを解決する効果的な支援策の一つとしてマッチングが重視されている。

ただし今後、中小企業が本当の意味でマッチングイベントを活用するためには、
ただ出展するだけではなく、効果を高めるよう取り組むことが欠かせない。

日本政策金融公庫総合研究所の「全国中小企業動向調査(2010年)」によると、
得られた効果をみると、直接的効果では、
「商談の成立」が35.6%
となっており、新たな取引先を確保するのは容易でない中で、3分の1が大きな成果を得ている。
一方、間接的な効果では、
「広告宣伝」が49.3%のほか、
「社内のモチベーションアップ」「知識・情報の取得」「商品アイディアの取得」と続いている。

出展企業が感じる課題では、
「出展に伴う費用の負担」40.0%
「人手の不足」17.2%
「商談相手に関する情報の不足」15.9%
「イベントに関する情報の不足」14.2% が挙げられれている。
また、現場では、
「商品のPR方法に関するノウハウの不足」31.1%
「自社の信用力の不足」6.4% などが挙げられている。


【効果を高めるポイント】
出展の検討、申込み
「開催情報を入手する」
商工会などサポートを受けられる支援機関との接触を密にしておきましょう。
情報のアンテナを高くすることが重要です。

「目的に合わせて展示会を選ぶ」
企業側としては、主催者の勧誘にすぐに乗るのではなく、
自らが出展のねらいを定め、
各展示会のメリット・デメリットを見極めることが必要です。

単純なことですが、テーマが絞られている展示会を選べば、
○ 的外れになりにくい
△ 出展企業の業種は限られているので、同業種の中堅・大手企業とバッティングしやすくなる

一方、テーマが広い場合は、
△ 階差規模の割に商談につながらないというリスクが高くなる
○ 来場者の顔ぶれが多彩になる
 よって、これまで想定していなかった層へ販路を広げたい場合は有効

開催エリアも判断基準のひとつに。
地元での開催…相手からの信用が得やすく、商談がまとまりやすい
大都市圏での開催…開催規模が大きく、宣伝効果が高い


出展準備から当日まで
申込後は、当日に向けて展示物や資料の作成といった準備に入る。
ブースの装飾や展示する商品・パネルの設置も出展企業が行わなければならない。

いよいよ当日には、ブースでの来場者対応が中心となる。
商品説明や名刺交換を経て、順調に進めば商談へとつながる重要な舞台だ。
展示会を活用している企業の大半は、当日の活動の効果を高めるために、
むしろこの準備に力を入れている。

「事前アナウンスで来場者を集める」
出展企業の顔ぶれは、パンフレットや主催者のホームページでも紹介されているため、
必ずしも企業自ら宣伝する必要はない。
しかし、この期間中に個別に出展をアピールすることで、
商談成立への期待は高まる。

㈱高田製作所(富山県高岡市)では、
取引先だけでなく、名刺交換をしたことのある企業に対しても電子メールなどで出展を知らせている。
こうして事前に周知することで、当日のヒット率を高めようとしている。
たとえ足を運んでくれなかったとしても、
別の機会にアプローチする際にその話題をきっかけとして
新製品のPRがしやすくなるという後日の心理的な効果も期待できる。


「とにかく目立つ展示物を準備する」
ライバルがひしめく中、自社をいかにアピールするかも重要となる。
成果を上げている企業に共通するのは、
ブースを目立たせると同時に自社の実力を際立たせる展示物を準備している点がある。

㈱大館工芸社(秋田県大館市)では、
毎年、東京で開催されるギフト関連展示会へ出展しており、
そのたびにそれに合わせて新たなデザインを考案している。
来場者の目をひきつけ、話しをするきっかけを図るのが狙いである。
オリジナリティあふれる商品を出し続けているため、
今年はどのような商品ができたのかと楽しみに来場するリピーターも多いという。
同社の持つ強み(発想力や製作技術の高さ)を示すことで、
従来の伝統的な曲げわっぱの品質への評価も高まり、
その販売数が伸びる効果もあるという。

㈲高嶋製作所(福井県福井市)では、
当初は、当社の取扱品である石英ガラスを切削した品を展示していたが、
見た目のインパクトが乏しいこともあり、
加工技術の高さの訴求もできないまま通り過ぎられることが多く、
なかなか人が訪れなかった。
そこで、当社では特大サイズの石英ガラス製のボルトとナットを準備し展示した。
その結果、人を呼び込むことが実現したと同時に、技術の高さもアピールする展示とすることができた。
PR方法に悩む企業は多いが、
まずはブースに訪れてもらえるような展示物を準備することが効果的といえる。

「信用力を高める」
来場者の立場にしてみると、よく分からない企業とその場で商談することに対する抵抗感はあるはずだ。
そのためにも、出展企業としては少しでも自社の信用を高められるよう準備しておく必要がある。

㈱エコファクトリー(熊本県熊本市)では、
品質の国際規格ISO9001を取得しているメーカーと生産委託の提携を結び、
十分な生産体制があることをアピールした。

また、その場での商談はなるべく避け、後日、相手の企業や商品のことを改めて詳しく調べる来場者も多い。
その際、貴重な判断材料になるのが、配布資料やホームページである。
出展にあたっては、展示会後にじっくりと企業定めや品定めをされることを想定し、
情報を提供できるツールの準備をあらかじめ万端にして臨むことも重要となる。



出展後

「次回に向けたヒントを見い出す」
㈱橋製粉所(福井県福井市)では、
大豆を平らにつぶす加工を施した福井県の伝統食品「打豆」のメーカーである。
ある日、食品関係の会社から手持ちの大豆にも同じ加工ができないかとの打診を受けた。
これへの対応を検討した結果、大豆以外にも大麦や米といった穀物にも応用できることに気づくことができた。
そこで当社では、この業務を受託するためのシステム化を検討し、
加工が可能な穀物の種類、最低ロット、料金、見積もりから納品までのスケジュールなどを細かく決めた。
その結果、商談も進めやすくなったのである。
さらに、ホームページをリニューアルし、打豆に関する内容を充実させることにした。
また、HP上にダウンロード用の加工指図書の雛形を用意して細かなオーダーにも対応できる点をアピールした。

「事後フォローでつながりを保つ」
先に紹介した㈱高田製作所では、展示会終了後の来場のお礼メッセージにとどまらず、
引き続き同社の取り組みや新製品などをブログに載せたり、
メールマガジンとして定期的に来場者に定期配信したりして、
相手に自社のことを思い出してもらうきっかけ作りに力を入れている。
このように、事後フォローでつながりを保っておけば、次回出展を周知したときの相手の反応がよくなるという効果もある。
展示会では、将来の取引につながることを見据え、細かい手間を惜しまない姿勢が成功を生んでいるといえそうだ。


マッチングイベントは、出展自体が中小企業にとっても身近なものとなってきた一方で、
かえって他の出展企業の中に埋もれやすくなってきているともいえる。
このような、出展をするだけでは効果が得られない傾向は今後さらに強まっていくものと予想される。

マッチングイベントは、あくまでも販路開拓などのきっかけを得るツールにすぎない。
その利用価値を高めていくためには、周囲のサポートに頼るだけではなく、
当事者である企業自らが工夫を重ねていくことが重要であることを忘れてはならない。








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