<訃報>独自の大衆小説、直木賞作家の寺内大吉さん死去
9月6日20時23分配信/FONT>毎日新聞
「はぐれ念仏」「念仏ひじり三国志」など宗教を素材にした独自の大衆小説で知られた直木賞作家で、浄土宗大本山増上寺法主の寺内大吉(てらうち・だいきち<本名・成田有恒=なりた・ゆうこう>)さんが6日、心不全のため死去した。86歳。葬儀の日取りは未定。喪主は増上寺執事長の楠美知仁(くすみ・ちじん)さん。 東京都出身。大正大在学中に生家の大吉寺(世田谷区)住職になる。最初の小説は純文学的な短編だったが、その後大衆小説を執筆。55年「逢春門」でサンデー毎日大衆文芸賞、56年「黒い旅路」でオール読物新人杯(現新人賞)を受賞し注目される。57年、司馬遼太郎らと雑誌「近代説話」を創刊。61年「はぐれ念仏」で直木賞、83年「念仏ひじり三国志」で毎日出版文化賞を受賞した。他に「化城の昭和史」「慟哭(どうこく)の明治仏教」など。 ボクシング、プロレス、競輪などのスポーツ評論でも知られた。浄土宗宗務総長も務め、「開かれた浄土宗」を唱えるなど仏教者としても活躍した。 この人の著書をまともに読んだことがない。 でも、とても親しく感じている。 それは、週刊誌でのエッセイか、テレビのコメンテーターとしての物言いか、もうあまり覚えてはいない。 たぶんスポーツ新聞などに、「世相を斬る!」みたいなあるいは「スポーツ、和尚が物申す!」みたいな連載が、親しみを覚えているところかもしれない。 同じ坊主では、今東光なども、文学をものしながら遠慮ない発言をしていた。 寺内さんは、でも今東光さんよりは、もっと庶民派であったかもしれない。 下町の焼き鳥やで、ボクシング談義などをしているときに、フラっとあらわれてくれそうな人のようであった。 「開かれた浄土宗」というのは、ある見地からは、とても必要とされていることだ。 生臭坊主でもいいではないか。 親鸞は、肉を食い、妻をも娶った。 寺内さんみたいな坊主が、どこの町にもいてもいい。・・・合掌! |
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