サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

「空手バカ一代」/影丸穣也(漫画家)/72歳

2012年05月08日 | 毎日がメメント・モリ

漫画家の影丸穣也さん死去 「空手バカ一代」の作画

産経新聞 5月8日(火)22時17分配信

 梶原一騎さん原作「空手バカ一代」の作画などで知られる漫画家の影丸穣也(かげまる・じょうや、本名・久保本稔=くぼもと・みのる)さんが4月5日、膵臓(すいぞう)がんのため東京都内の自宅で死去していたことが8日、分かった。72歳。大阪市出身。葬儀は近親者で済ませた。喪主は妻、ヨシ子(よしこ)さん。偲ぶ会が後日、公認ファンクラブ主催で開かれる。

 「空手バカ一代」は、途中で降板した漫画家のつのだじろうさんの後を引き継いで、作画を担当した。他の代表作に「ワル」、横溝正史さん原作の金田一耕助シリーズ「八つ墓村」「悪魔が来りて笛を吹く」など。NHK「プロジェクトX」のコミック版なども手がけた。

やはり、梶原さんで愛読したのは、梶原一騎原作の「空手バカ一代」とその実弟の真樹日佐夫原作の「ワル」であった。

「空手バカ一代」は実在の大山倍達 はじめ格闘家オンパレードの劇画であったが、つのだじろうが作画であった。
あまりに原稿入れが遅すぎたのでと言われるが、つのだじろうが切れてしまって自分の漫画の「魔子」で梶原一騎を揶揄するようなアナグラムを書いてしまい、怒った梶山兄弟に監禁されてしまう。
もちろん、「空手バカ一代」を欠かさず読んでいた僕が、大学時代の73年のことだった。
仲がよかった友人とどうなるんだろうねぇ、とひそひそ噂しあったが、そのあとを見事に継いだのが、影丸穣也さんだった。

途中の中断はあるとしても長期連載していた「ワル」でこの兄弟と親しかったとはいえ、またご本人も格闘の心得があるとしても、大変覚悟のいるバトンタッチであったと思う。
その後、梶原一騎はいろいろスケープゴートにされたりもしたが、死後やはりそのストーリーテラーの才能は再評価されている。

大学時代にひそひそ話をした友人は、その後『梶原一騎論』を上梓し、その再評価の流れに貢献もしている。
一方で、影丸穣也さんは、NHKの「プロジェクトX」のコミック版にたずさわるなど器用なところもみせてくれたが、その編集をしたのも、僕の若い友人だった・・・合掌! 

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ワル/真樹日佐夫」 

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2 コメント

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残念です。 (きさ)
2012-05-09 23:11:41
「空手バカ一代」と「ワル」もありますが、個人的には「八つ墓村」の印象が強いですね。
初めて接した横溝作品でしたので。
その後あれほどのブームになるとは思いませんでした。
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きささん (kimion20002000)
2012-05-10 01:36:27
コメントありがとう。
「八つ墓村」など、横溝ものも記憶に残りますね。
影丸さんは、出自が貸本時代いありますが、原作を自ら書いたものは少ないですね。
そういう意味でも、貴重な作画家であったと思います。
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