サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

冤罪の真相は?/荒木潔(「甲山学園」元園長/79歳

2011年01月24日 | 毎日がメメント・モリ

荒木潔氏(知的障害児施設「甲山学園」元園長)が死去


読売新聞 1月24日(月)9時50分配信


 荒木潔氏(あらき・きよし=知的障害児施設「甲山学園」元園長)23日、心不全で死去。79歳。告別式は近親者で執り行う。喪主は長男、浩氏。

 1974年、兵庫県西宮市の甲山学園(廃園)で園児が水死体で見つかり、保育士の女性が殺人罪に問われた「甲山事件」の発生当時の園長。保育士のアリバイを証言したとして、偽証罪で起訴された。しかし、99年、保育士の無罪に続き、自身の無罪も確定した。

1974年、関西の大学にいた僕は、西宮でおこったこの事件に心底驚いたものである。
当時22歳であった保育士の山田悦子が逮捕され、園児の供述もあり、本人の自首の調書もとられた。
「甲山学園」は、知的障害児施設であるため、園児の証言能力が問われた。
事件自体も、園内の浄化槽で行方不明になっていた12歳の少女が発見され、その後同じく12歳の男児の死体も発見されると言う異様な事件であった。
山田悦子の不安定な精神や恋人問題や当時元アル中の用務員3人が勤務していたことなどもあり、新聞のセンセーショナルな論調はいまでは考えられない扇情的なものでもあった。
証拠不十分で結局山田悦子は25年近くにわたる長期の裁判の結果、無罪となった。
弁護団は239人の大所帯にのぼった。
冤罪事件、差別事件としても注目を浴びた。
事件の余波は各方面に拡がった。
何年かして園児が自分たちが殺めたという証言をして、その信憑もまた論議された。
清水一行が山田悦子がやはり真犯人であると言うトーンで小説を書き、訴えられた。
二人の被害者の親は、学園の安全管理であると損害賠償を訴え、勝訴したが、その際に学園関係者が「知的障害の子を亡くして親は育てる苦労を免れた」などという趣旨のトンデモ発言をして顰蹙をかったりした。
無罪判決後、山田悦子は国を訴えていたが、その訴訟を取り下げ、そのことに批判する向きもあった。
当時、学園は共産党系と反共産党系で対立しており、そのことが動機のひとつではないかなどの見方まで立てられたことがある。
園長たちもアリバイの偽証罪に問われたが、結局無罪になってはいる。
しかしながら、本当の真相はなにかはまだ解明されていない。
ともあれ、長い長い裁判過程のなかで、荒木元園長の人生はいかほどのものであったのだろう・・・合掌!

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