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北林谷栄さん=2002年、松村明撮影 |
東京・銀座生まれ。山脇高等女学校卒業後、1935年に創作座に入団、戦時中は移動演劇の瑞穂劇団に所属した。50年、滝沢修さん、宇野重吉さんらと劇団民芸を創立し、中心俳優として活躍した。
瑞穂劇団在籍中に、「左義長(とんど)まつり」で3歳年下の宇野さんの老母を演じて以来、老け役を得意とし、役作りに励んだ。今井正監督の映画「キクとイサム」(59年)では、高齢女性の柔らかな唇の感じを出すために前歯6本を切り落とした。
63年から演じた舞台「泰山木の木の下で」の神部ハナが当たり役で、72年に紀伊国屋演劇賞を受賞。「タナトロジー」(82年)、「黄落」(97年)でも同賞を受賞した。また、映画でも「キクとイサム」と岡本喜八監督「大誘拐」(91年)で毎日映画コンクール女優主演賞を受賞した。
「強者が弱者をいたぶることへの強い怒り」を持ち続け、えん罪(えんざい)事件の被告を救済する活動にも積極的に参加した。著作に「蓮以子八〇歳」「九十三齢春秋」など。
民芸の重鎮、奈良岡朋子さんは「私の初舞台『山脈(やまなみ)』(49年)でご一緒してから思い出はたくさんありますが、今はひとこと、本当に長い間お疲れさまでした、と心から申し上げます」と悼んだ。
北林さんは1911年生まれで、ずっと昔からおばあさん役をやっていた。ということはたぶん、数十年にわたっておばあさん役をやってきたということであり、これはこれですごいことだ。
昔から、いろんなテレビや映画で見てきたが、本来は劇団民芸の中心女優だ。
多くの役者たちの栄枯盛衰、あるいは死を見続けてきたはずだ。
晩年も、活躍しておられた。北林谷栄という記号のほかに、安藤蓮以子という本名の人生が興味深い。
遅ればせながら、彼女の著作を図書館ででも読んでみたくなった・・・合掌!
北林さんは私が若い頃から(彼女も若かっただろうに)お年寄りの役が多く、、
最近では、「阿弥陀堂なんとか・・」って映画に、とっても素敵なおばあちゃん役で出てたのが印象に残っています。
よみうり新聞に、69才だかでイギリスに留学した・・って書かれていて、すごいなー!って思いました・・・。
そうですね、自伝は読んでいませんが、この時代に生まれて民藝の看板女優ですから、相当な人生を歩まれているんでしょう。若いときから老いの役をやっておられるから、老いそのものは怖くはなかったのかもしれません。
あのドラマもかれこれ30年前になるから田宮さん、太地さんと他界された方もいらっしゃいますね。
あと20年くらい前に大誘拐という映画をみました。緒形拳さんと共演されてました。セリフがしっかりとききとれてとてもすてきな女優さんだと思いました。
舞台を生でみたかったです。
「大誘拐」は僕も観ましたが痛快な映画でした。
本当に存在感のある役者さんでしたねぇ。