サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

127日目「現代工芸への視点 装飾の力(東京国立近代美術館工芸館)」竹橋

2009年12月02日 | 姪っ子メグとお出かけ
姪っ子メグ 北の丸公園の落葉はとても綺麗ねぇ。人もあんまりいないし。
キミオン叔父 近代美術館から工芸館にかけて、その奥の北の丸公園は、この季節が一番好きだなぁ。
あら、おじさん、腰を痛めたの?
いやいや、紅葉は見てるのは好きなんだけどさ、自宅に植わっている落葉樹の落ち葉掃除が大変なの。朝、オジサンが担当する時もあるけど、すごい量でさ、背中を痛めてしまったんだ。
情けないわねぇ。でもさっきの近代美術館だけど、ガイドの方に1時間付き合っていただいたわね。専門家のえらい先生の展覧会に則した有料・無料のセミナーは何回もあるけど、今日のスタッフのお姉さんは、ボランティアなんでしょ。オジサン、鼻の下、伸ばしたでしょう(笑)
からかうんじゃないよ。だけどさ、最初1Fで声かけられた時には、俺たちだけしかいなかったもんね。最後は、周りから見学者が寄ってきたから、10人ぐらいにはなったけどね。
今日のお姉さんは、「絵画と光」という着眼点で3点の展示物を解説してくださったけど、どちらかというと、見学者に質問を投げかけて、いっしょに発見していくというスタンスを採られていたでしょ。とても好感が持てたけど。
ああそうだね。話をしながら、普段だったら、ああこの絵が有名なあの巨匠の!なんて、詠嘆だけで通り過ぎちゃうようなものでもさ、じっくり見ていくポイントのようなものを改めて学べるところがあるね。
特集企画は権鎮圭「韓国近代彫刻の先覚者」。この方は、戦後20代半ばで来日されて、武蔵美術で学びながら10年ぐらい日本におられたのね。早すぎた天才!と現在では評価されているけど、社会的には恵まれなくて、50歳そこそこで自殺しちゃったのね。
そうなんだ。とてもいい作品じゃないの。
特色はなんといってもテラコッタを材料にした作品よね。
胸像が多いけど、やはり女性像だな。尼僧のような女性像があったけど、清楚で温かくてどこか一抹の哀しみも背負っているようで、すっかり見いっちゃったよ。



工芸館、今回は「装飾の力」か。装飾そのものは、それこそ縄文の火炎土器もそうだけど、脈々と時代、時代の意匠を伴って、また西洋も東洋もそれぞれ影響しあって、装飾ということに意味を持たせてきたのよね。なんの装飾もないものもシンプルでいいけど、改めて若い工芸作家の装飾を見ていると、伝統的な工芸制作の技の磨きのなかで、自分の「モノ」とのかかわりのテーマを探っているところが感じられる。
下手すると、単に「うるさい」としか見えなくなっちゃうからね。
そうそう。誰のとは言わないけど、今回の展示の中でも、うざったいとしかあたしには思えなかった作品群も、ちらほら(笑)。
全体として、陶芸作品が多いよね。これって、よくメグと行くINAXギャラリーの作品の方向に、似通ってるよね。たしか、田中和美さんとか、服部真紀子さんの作品は、INAXで見た記憶があるぞ。
たしかに、工芸における実用性と装飾そのものが過剰に出ると実用を疎外する場合もあるでしょ。でも、そのこともわかってやってれば、作品としては成立するわよね。
たとえば、植葉香澄さんの「キメラ」連作があったでしょ。派手で、目立ちのキメラデザインだけどさ。1点は実用として、部屋にあっても愉しいだろうなぁ、と。
桃山時代の絢爛豪華な装飾にしても、戦国時代の武将たちの「ワビ・サビ」を唱えながらも、「いきなりド派手」な武具や意匠や飾り物を競う「へうげもの」たちの争いがあったりね。面白いな。


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