けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

ギリシャを笑ってはいられない(明日は我が身の現実)

2012-05-08 23:14:15 | 政治
連休中は政治の方もひと休みと言った感じで、いまいち動きが少なかった。事件・事故を除けば大きなニュースも少なく、個人的にも怠け癖がついてブログを書く余裕がなくなってしまっていた。連休が明けて一斉に動き出し、1日のリハビリを開けて今日からまたブログを書くことにした。

さて、色々と話題には事欠かないのだが、やはりフランス、ギリシャの選挙結果が心配なところだろう。既に何度もニュースで耳にしているが、欧州危機を乗り切るための緊縮財政にNoを突きつけた側が共に勝利したのである。これは何処かの国でも同じような光景を見ていたことに気づかされる。そう、我が国、日本である。

ギリシャを例に取れば、あれだけ国家の財政破綻が現実のものとして直視せざるを得ない状況にありながら、この後に及んで「ちょっと待ってくれ、もうちょっとイイ生活を続けていたいんだ!」とか、「破産宣告しちゃえば借金なんてチャラさ!」とか、何とか目先の、直近の「楽」を求めている人が過半数であるということである。その後のニュースによれば、結局、総選挙で第1党が過半数を抑える連立樹立が不可能であることから組閣を断念し、総選挙で第2党になった反緊縮財政派に組閣要請がなされた。少なくとも一部の他の反緊縮財政派が連立を拒否しているので、全野党が協調して初めて151対149の過半数に達する状況では過半数は無理だろうから、結局は再選挙となるのであろう。となると、こちらは有権者である国民が「決められない政治」を主導している様にも見えてしまう。

フランスはそれよりもましであるが、「ギリシャのために自分達が苦しむのは嫌だからギリシャを切り捨てろ!」というちょっと正論っぽい言い分が、ギリシャがデフォルトになるとそこにお金を出しているフランスの銀行が倒産し、結局はフランス(というか世界全体)経済が大恐慌に陥るという爆弾への導火線に火をつけることを意味していることは誰もが百も承知であり、それでもあの結果につながった。もちろん、これまでの実績や政策などからサルコジ大統領だけは大っ嫌いという人もいるだろうから、緊縮財政か否かを選ぶのとは違うのであろう。まあ、日本の鳩山元総理ですら、普天間基地の辺野古移設を容認することになるくらいだから、野党時代と与党時代では現実を直視する真剣さが異なり、結局、オランド新大統領も前政権の基本姿勢を継承する可能性は高いのであろうが・・・。

さて、話を日本に戻せば、目先の短絡的な正論とその先につながる将来的に起こるであろう連鎖的な事態を十分にリンクさせた議論ができない状況である。程度の差はあれ、ギリシャに通じるものがあると言える。

例えば、「脱原発?」と聞かれればYesと答えるが、「電気料金値上げは?」と聞かれればNoと答える。ふたつの質問は当然ながらリンクしており、片方がYesで他方がNoという選択肢は存在しない。一部の専門家は「原発のコストは意外に高い。施設を誘致するために地元にばら撒いたお金や廃炉や再処理の費用などを加味すれば、実は他の発電に比べて高い」と主張するが、これは(まだ原発が存在しなかった時代に遡っての議論でない限り)正しくない。今後の新規原発を認めないというコンセンサスはほぼ得られていると思うが、この前提に立って考えるなら、「既存の原発を全て即廃炉にして、当面は火力発電を中心に徐々に再生可能エネルギーのウエイトを高める」という選択肢に要する発電のランニングコストと、「(現行の原発の中で)十分な安全確保が確認できる原発に限定し、耐用年数の範囲内での原発再稼動を容認しながら火力発電等を併用し、徐々に再生可能エネルギーのウエイトを高める」という選択肢に要する発電のランニングコストとを比較した時、後者のランニングコストが安いのは明らかだろう。地域に作られたハコモノや原発の廃炉に関しては、所詮、即時脱原発を選択しても費用は返ってこないのであるから、その費用を見込んで「原発は高い!」と主張しても、どうせ過去に遡ることは不可能なのだから現時点での議論としては適切ではない。一方で、(シェールガスやメタンハイドレートなどへの期待はあるが一般論として)液化天然ガスや石油などの資源は高騰気味にあり、更なるランニングコスト増となることも容易に予想される。さらにはCO2排出量が急増することになるが、これに対する社会的な責任をどの様に考えるかも悩ましい。多分、排出量取引しか手がないだろうから、日本をターゲットに取引価格が高騰することもあるかも知れない。その費用はやはり電気料金ないしは税金として跳ね返ってくる。再生可能エネルギーにしても、太陽光発電に1kwh当たり42円も払って買取をすれば、国内産業の育成とエネルギー政策の転換という視点で見ればよいのは分かるが、それが電気料金に大きく影響を与えるのは間違いないのであるから、そこまで込みで国民が納得しているのかは疑わしい。

その他、TPPでも消費税増税でも普天間問題でも何でもそうである。厳しい現実と共に、その現実に目を瞑り耳障りの良い言葉を囁く政治家やマスコミ、団体も一方で存在する。どれだけ厳しい現実に真剣に向き合えるかが国民には問われているが、「我々は様々な『覚悟』の中からどれを選ぶべきか?」の中で触れたように、登山家の野口健氏のいう「腹をくくれていない」「覚悟ができていない」状態であり、厳しい現実を受け止めているようには見えない。

小沢元代表の党員資格停止が明日解除され、民主党は戦国時代に突入しそうな勢いだ。自民党も公明党もみんなの党も、それぞれ如何にして野田首相の首を取るかで必死である。だから、遅くとも9月までに選挙が行われるのは間違いない。
その時、我々日本国民は、世界に対して胸を張れる結果を残せるのであろうか?明日は我が身と言わざるを得ない。

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