イギリス時代にお世話になった某商社の方とご飯を食べることになり、渋谷で落ち合った。
久々に、とは言っても10カ月ぶり程度の話だが、再会し、簡単にお互いの近況なんかを報告したりする。
さて、どこで飯を食うか。
かれこれ4年ほど東京から遠ざかっていたこともあり、どこで飯を食べれば良いのか検討がつかない。
全ての店が同じように見えるし、男二人で飯を食うとなると入れる店も限られてくる。
渋谷の人の波を泳ぎながら、最終的には、こういう店に入ることになった。
さて、この某商社の男、イギリス時代はえらくモテることで有名だった。
見た目がかっこいいだとか、背が高いだとか、そういう要素はあまりない。
そこらへんは極めて平均的。
じゃあ、何がそんなにモテるのか。
それは、バランス感覚の良さ、話し方・考え方の切り口の鋭さ・柔軟さ、周りへの気遣いや面倒見の良さあたりなんだろう。
イギリスに滞在している時分、この男は誰とも付き合うことが無かった。
彼にアプローチをかけてくる女性は多数いたのだが、彼の方から積極的に動くことはなかった。
そこらへんは彼の「理想の高さ」であったり「真面目で奥手」から来るものだと理解していた。
日本に帰国してからの彼の直近の状況を聞いてみると、仕掛かり案件のみならず、Exitingを開始しているものまであるという。イギリスでの大人しさはどこへやら、一転して活発な動きを見せていた。
何でそんなに変わったのか?と聞くと、答えはシンプルで、日本の方が女性の母数が大きいからとのこと。
このブログでも、以前、そこらへんの倍率を計算したことがあった。
イギリスで日本人女性のパートナーを見つける場合の倍率は4000倍。
そう考えると、彼の行動パターンの変わりっぷりにも得心がいく。
今回盛り上がったもう一つの話が、「グローバル」について。
ここについてはかなり盛り上がった。
結論だけ言ってしまうと、彼は、海外で何が起きているのかを肌で感じたのだと言う。その上で、日系企業さらには日本という国そのものが、どう強くて、何が足りないのかが感覚的にだけれども理解出来た。それに対して、企業として、日本人としてどう攻めていくのか、どう合わせていくのかを考る必要あり、さらにはそれを実行に移していかないと、日本という国そのものが世界に置いていかれてしまうだろう、そして、今の企業なり日本という国なりが、今後、必要となってくるのは「多様性」ならびにその結果として生まれるであろう「選択肢」なんだろうと。
そういう小難しい話を二人でしていた。
しばらくすると、某商社の男、おもむろにこう言い始めた。
「さっきの彼女作りたい話に戻るけどさ、俺、海外に住んでたことあるか、海外に興味ある人じゃないと付き合えない気がするんだよね」
この感覚は分からないでもない。
一度違う世界を知ってしまうと、その価値観や視座を共有出来ない相手と自然体で接することは難しい。
必ずどこかで気を遣ってしまうだろうし、その些細な歪みは確実に蓄積されていく。
この男、どんどん魅力的になっていく一方で、選択肢はどんどん狭まっていくようだ。
こんなにもモテるにも関わらず、彼女が出来るのは、どうもまだ先のようだ。