西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

レオポルト・ウラッハ

2007-09-09 20:52:29 | 音楽一般
今日は、オーストリアのクラリネット奏者レオポルト・ウラッハの生誕日です(1902年)。
クラリネットを独奏楽器とする協奏曲は、モーツァルトのそれがとても有名ですが、他にウェーバーが2曲書いています。他にあるのだろうか。辞典を見ていたらイタリアの作曲家メルカダンテに1曲あるようですが。
しかし、モーツァルトのその1曲は、とても優れた作品だと思います。管楽器のための協奏曲をいろいろ書いていますが、その最後の作品です。晩年亡くなった年の作品です。このような作品を天才のものと言うのだろうか。極めて自然な旋律で始まる第1楽章。しかしこの中にモーツァルトの悲哀が隠されているように思います。静かな穏やかな第2楽章。どこかで、グラスを片手にこの第2楽章を聴きながら涙を流していた初老の紳士の話を読みました。なぜかこの話が印象に残っているのです。この楽章に、私も何かその紳士が心に思うのと共通するものを見出しているのかも知れません。第3楽章は、独奏楽器が活発に動く元気さを装うものですが、どこかモーツァルトのその明るさの裏には、悲しみが秘められているような気がしてなりません。これは多くの識者も指摘することですが。
カラヤンは、3度この曲を録音していますが、最初のものが、このウラッハとのものです。2番目がウォルトン、3番目のがライスターとのものです。管楽器の協奏曲集のセットになったもの(すなわちライスターのもの)を愛聴していますが、このような協奏曲でもカラヤンのバックは実に素晴らしいものと思います。画像は、そのセット物の曲集です。

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