西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

コレクション シューベルト 室内楽曲

2012-07-16 10:35:23 | 音楽一般
シューベルトの室内楽曲でまず取り上げるべきは、弦楽四重奏曲だろう。15曲あります。このうち2曲は未完です。しかしそれらを含め全集が出されています。最初に購入したのが、

1.メロス弦楽四重奏団/シューベルト弦楽四重奏曲全集

です。メロス弦楽四重奏団は、これでレコードデビューした(?)記念碑的全集で、内容も私のお気に入りです。普通第1番からレコードを構成するところ、これは1枚目に最後の第15番が来ていてなぜなのかと思いました。

その後、CD時代になり、

2.ウィーン弦楽四重奏団/シューベルト弦楽四重奏曲全集(6CD)

を買いました。シューベルトの活躍したウィーンのものをと思ったわけです。これには、演奏者4人のサイン入りの生写真が付いていました。これは、第1番から順に収められていて、15番にはおまけ(?)として「独奏ヴァイオリンと弦楽のためのロンド イ長調」(D.438)が付いています。

弦楽五重奏曲はわずか1曲のみ書いています。生涯の最後の年に書き上げました。非常な傑作だと思います。

3.タネーエフ弦楽四重奏団、ロストロポービチ/シューベルト弦楽五重奏曲(LP)

4.メロス弦楽四重奏団、ロストロポービチ/シューベルト弦楽五重奏曲(LP)

5.アルバン・ベルク弦楽四重奏団、シフ/シューベルト弦楽五重奏曲(CD)

の3種とも名演奏だと思います。最初に、この曲のことを知らずに3を買いました。ロストロポービチが加わっているものならということで。この四重奏団の素晴らしさも知り、それ以上にこの曲の演奏でこれ以上のものがあるだろうかというふうにも思いました。この曲を聴くならこれに限るとも。しかし弦楽四重奏曲全集を完成させたメロス弦楽四重奏団がロストロポービチと組んだものならと4を買い、さらに5も名演と思い買いました。

シューベルトの室内楽作品は、弦楽四重奏曲・弦楽五重奏曲だけではありません。それこそ多種多様あります。それらを何とすべて網羅した全集がカメラータから出たのです。シューベルト作品をすべて聴こうと思っている私にはこれ以上ないものです。3巻に分かれていて、第1巻が弦楽四重奏曲全集、第2巻がピアノを伴う室内楽、第3巻が、(主に)ピアノを伴わない室内楽です。第1巻は2と全く同じ内容でしたので、第2・3巻を買い求めました。

6.シューベルト室内楽全集Ⅱ(5CD)

7.シューベルト室内楽全集Ⅲ(5CD)

Ⅱには、ピアノ三重奏曲全2曲が入ってますが、これについては以前

8.ルビンシュテイン、シェリング、フルニエ/シューベルトピアノ三重奏曲全集(2LP)

を持っていて、愛聴していました。これも間違いなく名盤と思います。この3人はブラームスでも名演を残してくれました。

とにかく、2と6と7があれば、シューベルトの本場ウィーンの演奏家による、室内楽全作品が聴かれるということです。カメラータのこの試みには感謝です。しかしなぜか、アインシュタインの作品表のうちの「D998 ヘ長調?フラグメント(四重奏曲の第一楽章?)(1812頃)」とある作品はどこにも入っていません。残念です。