Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

リズムダンス「4つのくずし」

2008-11-23 21:57:47 | 体育
 リズムダンスの授業には,抵抗感を感じる子供たちが少なくない。子供ばかりではない。教師も抵抗感を感じる。「心のくずし」ができていないためである。

 リズムダンスでは,「4つのくずし」が必要であると村田芳子氏はいう。
(1)体のくずし
(2)リズムのくずし
(3)人間関係のくずし
(4)空間・場のくずし
である。
 
 これらの4つのくずしをすることによって,「心のくずし」もできると思われる。

 「TOSS体育全国セミナー」で何度も見た鈴木恭子氏の授業は,これらのくずしが見事に内包されている。だからこそ,開放的な雰囲気の中で,一体感・達成感・連帯感,そしてハッピー感が味わえる授業となったのである。


(1)体のくずし
・とにかく大げさに動こう
・指の先,つめの先までダンス
・関節は全部動かそう
・おへそ,髪の毛を動かそう
・体のどこかにねじりを入れよう

(2)リズムのくずし
 リズムに変化をつけることで,メリハリのあるダンスになる。
・面白い動きは繰り返そう
・急に力を入れたり抜いたりしよう
・ストップやスローモーションを入れてみよう

(3)人間関係のくずし
 1人ではできない動きに挑戦することによって,動きが立体的になる。
・友達の動きとぴったり合わせよう
・友達と反対の動きをしよう
・友達と体を絡ませよう
・友達と近づこう,離れよう

(4)空間・場のくずし
 人のいないところへ動く。
・体育館全部,天井までステージだよ
・床から50cmの世界になろう

キンボールを扱えるか

2008-11-22 23:59:46 | 体育
 ボールゲームの中で,私が高い教材価値を見出している種目にキンボールがある。6年生に授業し,大変大きな手応えを得た。

 ところが,以前教育課程発表会で,指導主事に「指導要領を拡大解釈している」「ニュースポーツは扱うべきではない」と批判された。

 新しい学習指導要領の中で,キンボールを扱うことが可能かどうか検討してみたい。

 新指導要領の高学年の「内容の取扱い」の部分に次のような記述がある。
「(前略)イはソフトバレーボールを(中略)主として取り扱うものとするが,これらに替えてそれぞれの型に応じた(中略)その他のボール運動を指導することもできるものとする」

 イというのは,「ネット型」のことである。
 新指導要領ではボール運動は,「ゴール型」「ネット型」「ベースボール型」に分類されている。
 
 筑波大学附属小学校の木下光正氏は,ネット型ゲームの魅力として,次のように挙げている(『体育科教育』2008年12月号)。

・相手にじゃまされないので,子どもに優しい
・練習によるプレーの再現性が高い
・ラリーの継続,打つ面白さの経験ができる
・仲間との協力・信頼を意識させることができる
・プレーの結果が明確であることにより,観る面白さがある

 また,ネット型ゲームで子どもたちに身につけさせたい技能や判断能力については,次のように挙げている。

(1)ボールの落下点へ移動する
(2)打つ,弾くなど,ゲームに必要な個人のボール操作技能を身につける
(3)意図的にボールを打つ方向を決める
(4)コート内での位置関係を理解し,個人で処理できないときには味方にパスをしたり,任せたりする
(5)セッターを意識し,意図的にその位置にレシーブボールをあげる(バレー)

 ニュースポーツであるキンボールは,既成のゲームから派生したものではないので,本来どの型にも属さないと考えられてきた。

 しかし,その魅力や動きの特性を見ると,ネット型ゲームと解釈することができると思う。上の木下氏の挙げた内容を全て含んでいるからである。

 キンボールは,いわばネットのないネット型ゲームであるといえよう。
 新指導要領で扱うことも可能なのではないだろうか。

長縄跳び

2008-11-18 01:31:01 | 体育
 体育の授業で,10月初めから長縄跳びに取り組んできました。
 
 8人ずつのチームに分かれて練習しています。
 少人数で行うことで,運動量や学習の機会が保障されます。

 各チームの連続して跳べた回数を記録してきました。
 1分間で何回跳べるかということに挑戦するのではなく,一定のリズムで何回連続して跳べるかということに挑戦しています。空回しが入ると,回数がゼロに戻るルールになっています。

 8人の心が揃わなければ記録は伸びません。
 跳ぶ子も縄を回す子も,一瞬でも気が抜けると引っ掛かってしまいます。
 そのため,全員で声を合わせて数えています。全員で数えることによって,リズムが生まれます。声でリズムを作っていきます。そして,呼吸が合い,連帯感が生まれます。

 また,各チームの合計回数も記録してきました。
 そうすることによって,クラス全体としてどれぐらい伸びたかが分かるからです。
 
 縄回しは交代で行わせています。
 長縄跳びでは,縄回しの技能に習熟させることが大切です。
 最近では,跳ぶ子に合わせてタイミングをずらしたり,位置をずらしたりしながら回せる子が出てきました。

 これまでの記録の変遷は次の通りです。

青チーム 24  59  49  100  108  47  188
黄チーム 24  24  66   46   49  132  106
赤チーム 35  39  26  113   66  126  274
緑チーム 22  31  50   67   37  112  148
合計  105  153  191  326  260  417  716


組み合わせ単元 2

2008-11-17 23:18:06 | 体育
 どのような単元を組み合わせて行うとよいでしょうか。

 1つ目は,同じ場所で行える領域の運動を組み合わせる方法です。

 体育館で行う運動と校庭で行う運動とを組み合わせて行うことは無理があります。プールも同様です。
 したがって,体育館で行う運動と校庭で行う運動とに分け,それぞれの運動を組み合わせていく方法があります。

 2つ目は,異なった領域の運動を組み合わせる方法です。

 同じ領域の運動同士を組み合わせるのは避けたほうがよいでしょう。例えば,「ゴール型ゲーム」のあとに「ネット型ゲーム」を行うなどです。
 同領域では,その運動に必要とされる基礎感覚が共通していることが多いからです。結果として,できない子が達成感を得にくくなってしまい,授業の勢いが失われます。
 ただし,「体ほぐしの運動」で心と体のウォーミングアップを図ってから,「多様な動きをつくる運動」を行うなど,同じ「体つくり運動」の領域同士を組み合わせるなどの例外はありえます。

 3つ目は,季節に合う運動で組み合わせる方法です。

 夏場は体温が主運動を行うときの状態に近いので,ウォーミングアップのための準備運動は必要ない場合があります。
 しかし,冬場はそうは行きません。ウォーミングアップを十分に行う必要があります。
 例えば,縄跳びなどはウォーミングアップにもってこいの運動です。縄跳びを最初に15分ほど行ってから,主運動としてサッカーなどのボール運動などに入っていくと,スムーズに授業が流れると思います。

組み合わせ単元 1

2008-11-16 23:11:39 | 体育
 私の体育の授業では,単元を組み合わせて行うことが多いです。
 1回の授業で2つの教材を扱うのです。

 例えば,最初の15分間を「多様な動きをつくる運動」にあて,その後の30分間を「跳び箱運動」や「マット運動」にあてます。

 なぜこのようにして行っているかという理由は,大きく2つです。
(1)運動の回数の保障
(2)授業の勢いの持続


(1)運動の回数の保障
 例えば,「多様な動きをつくる運動」の年間の配当時数が8時間だとします。
 その場合,45分間「多様な動きをつくる運動」単独単元で行うと,8回の授業で終わってしまいます。

 一方,15分間ずつ取ると,24回の授業ができます。運動の頻度が増え,長期にわたって取り組むことができるのです。

 例えば,逆さ感覚,回転感覚などの基礎感覚は,すぐに身につくものではありません。短時間ずつ長期に取り組むことで,子供たちはできるようになっていきます。授業で取り上げる回数が多くなることで技能の向上を図ることができます。

 そうすることによって,教師の評価回数も増え,子どもの自信につながっていきます。


(2)授業の勢いの持続
 仮に45分間「多様な動きをつくる運動」の授業をしたとしましょう。
 できる子は同じことの繰り返しで飽きてしまい,できない子は達成感が得られず不満が募ってきます。
 その結果として授業のリズムが崩れ,勢いがなくなっていきます。

 組み合わせ単元で授業すると,1回の時間を短くすることで,子供たちの興味・関心を保つことができます。
 1時間に複数の教材を組み合わせて行うことによって,授業にリズムが生まれ,集中して取り組むことができるのです。

鬼ヶ島

2008-11-12 23:31:58 | 特別活動
 私は朝の会でくだらない話をすることにしています。
 調子に乗りすぎて,1時間目にかなり食い込んでいることも少なくありません。
 
 くだらない話のねらいは,子供たちを笑わせることです。
 笑いによって,子供たちの心を開放していきます。
 話のネタはあらかじめ考えているわけではありません。大方の場合,その場で考えます。
 
 昨日は,桃太郎の話題をしました。
 そして,「鬼ヶ島ってどこにあるんだろう。地図帳で探してみたら」と投げ掛けました。

 私のクラスでは,ほとんどの子が地図帳を毎日持ってきています。特に指示をしているわけではないのに,毎日持ってきているのです。

 索引を見て調べますが,「鬼ヶ島」はありません。
 「先生,そんなのあるわけないよ!」「あれは作り話で,本当の話ではないんだ」などと子供たちが言い出したそのとき,1人の男の子が地図帳を持って私のところに来ました。

 香川県に「女木島(鬼ヶ島)」というのを発見したのです。

 どよめき,驚きとともに群がる子供たち。

 帰りに書かせている「おたよりノート」に,次のように書いてありました。

「鬼ヶ島が本当にあることが分かりました。鬼ヶ島には鬼はいるのでしょうか。人が住んでいるのでしょうか。もし住んでいるとしたら,何語をしゃべっているのでしょうか。」

「最初はそんなのないと思いましたが,あったのでびっくりしました。どのぐらいの大きさか実際に見てみたいです。」

「鬼ヶ島が本当にあると分かりました。私はいないと思うけど,本当に鬼がいるのかなあ。」

 そのほか,「鬼ヶ島で鬼の骨が発見されたらしい」「きび団子が岡山県の名物なので,桃太郎は岡山県にいたらしい」などの未確認情報が寄せられました。

4年ハードル走 6

2008-11-11 00:07:30 | 体育
【第5時間目】

 前回のCと同じように場の設定を行った。
 最初に折り返しリレーを1回行い,その後,カラーコーンの位置を手前にした。そうすることによって,より遠くから跳ぶことができるからである。

 1度練習した後,競争を行った。観点は,スピードではなくリズムである。一定のリズムで何人が走れるかを判定し,合格者の数で競うのである。
 
 結果は,次の通りである。
 青チーム…7点  赤チーム…8点
 緑チーム…8点  黄チーム…7点
 
 達成率が94%まで向上した。リズムについてはだいたいできている。
 しかし,跳び始めの位置については,恐怖感の強い子はカラーコーンの内側に少し入った位置から跳んでいた。
 
 最後にもう一度行ったが,結果は次のようになった。
 青チーム…8点  赤チーム…7点
 緑チーム…8点  黄チーム…7点

 やはり94%であったが,できなかった2名は途中転倒した子であった。

 5時間の実践で,一定のリズムで走り越えることは概ね身につけさせることができたと考えている。

4年ハードル走 5

2008-11-10 00:00:35 | 体育
 最後に,「この時間にどんなことを勉強したのか言える人?」と問うた。
 最初の子は,「コーンを手前に置いたのがよい」という。これは駄目である。
 次の子は,「ハードルは,遠くから跳んで近くに着地するのがよい」と答えた。これはよい解答である。
 「いまのD君の言ったことを再現できる人?」と問い,もう2人に言わせた。「同じように言える人?立ちなさい」と言って,2人組で言い合い,合格だった子から片付けをさせた。

 今回の指示・発問で子どもたちの思考レベルが高まらなかったのは,ハードルが低いためではないだろうか。低いハードルで練習しているので,スレスレで跳ぶという感覚が実感できないのではないだろうか。BでもCでも,子どもたちはスレスレで跳んではいない。余裕のある高さなのである。
 ただ,ハードルの高さを上げると,恐怖心がとたんに大きくなる可能性が大きい。ハードルの高さを変えずにスレスレで跳ぶことを実感させるには,コーンをさらに手前側に置くことが考えられる。

 また,BとCと両方跳ばせ,タイムを比べてみる方法もよかったかもしれない。
 (本記事の写真はC)

4年ハードル走 4

2008-11-09 23:08:35 | 体育
 問題はBなのかCなのかである(本記事の写真はB)。

 子どもに選んだわけを聞いたが,論理的な意見が出ない。「自分はBが跳びやすかった」「Cが跳びやすかった」というような意見ばかりである。

 「跳びやすさというよりも,どちらが速く走れるかを考えてみなさい」と指示した。しかし,意見が出ない。

 「速く走るためには,スレスレで跳んだ方がよいか。それとも高く跳びあがった方がよいか」と聞いた。もはや誘導尋問のようである。「スレスレの方がよい」という。そして,「スレスレで跳べるのはBなのか,Cなのか」と問う。かなり強引なまとめ方である。
 
 「一番よいのはCです。スレスレで跳ぶとよいです。そのためには,遠くから跳んで,近くに着地するとよいのです」と説明した。

 場の設定を全てCに変え,練習させた。

4年ハードル走 3

2008-11-08 23:07:45 | 体育
【第4時間目】

 新しい課題の提示である。
「ハードルで速く走るには,どこから跳んでどこに着地するのがよいか」である。

 一般には,遠くから跳んで近くに着地するのがよいとされている。比率は2:1程度である。
 これを子どもたちにどのように認識させるか。
 今回もカラーコーンを使った。

 カラーコーンとハードルを,次のように3種類置いた。

 A…コーンの先端部分をハードルに合わせる(本記事の写真)
 B…コーンの真ん中をハードルに合わせる
 C…コーンの底の部分をハードルに合わせる

 Aの場合,近くから跳んで,遠くに着地することになる。
 Bの場合,飛ぶ位置と着地位置との距離がほぼ1:1の割合となる。
 Cの場合,遠くから跳んで,近くに着地することになる。

 3つのコースを全て跳び,どれが一番跳びやすく,速く走り抜けられるかを検討させた。

 子どもの予想で多かったのは,Bである。

 結果は次のようになった。
 A…1人
 B…16人
 C…15人
 
 Aは危険であるという意見が多かった。
 遠くに着地するために,コーンを踏みそうになる。また,跳ぶときにハードルにぶつかりそうになるのである。
 これが誤りであることは明白である。