Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

運動会全体練習 2

2009-05-30 23:07:49 | 特別活動
 放課後に,同僚の先生と次のような会話を交わした。
 「今日の練習,よかったですね」
 「いえ。全然分からない状況の中で行ったので,大変迷惑を掛けたと思います。どこがよかったのでしょうか」
 「やり直しをさせたところがよかったです。全校にやり直しを命じるということはなかなかできません。
 前の体育主任は,今の状況をあきらめていたようなところがありました。
 まわれ右の指導も,ああやって一つ一つきちんと指導したのがよかったです」

 私がこの話で印象に残ったのは,前体育主任があきらめていたというところである。
 地域との共催ということで,子どもたちの気が緩むという状況は確かにあるだろう。保護者や地域の方々がだらけていれば,当然子どももそうなる。子どもは大人の背中を見て育つのである。仕方がないところもある。

 しかし,それでは教育活動ではない。仕方がないと言ってそのまま放置するのでは,教育ではない。

 ましてや今回は,保護者も地域の方もいない,授業としての全体練習なのである。
 何の指導もせず,ただ活動させるだけならば,何もしなくても同じである。まさに「活動あって学習なし」である。

 硬派な私としては,やり直しは当然の措置であった。

 来週は総練習がある。私は,総練習は必要ないと思っているのだが,やるからには子どもたちに何らかの学びがあるようにしていきたい。

運動会全体練習 1

2009-05-29 23:03:07 | 特別活動
 勤務校で運動会の全体練習を行った。1年生から6年生までおよそ500人での練習である。全体指揮は私が行った。

 内容は,開会式,閉会式の入場と退場,全校でのフォークダンス「タタロチカ」の指導である。

 運動会は学校だけでなく,地域の運動会との共催である。平成6年度から共催で行っているとのことである。その影響もあるのか,ピシっとした雰囲気ではなく,どことなくだらけていると聞いていた。

 初めに開会式の入場である。「前へ…進め」と号令を出し,入場させた。
 今年度異動してきた私は初めて見たのであるが,お世辞にもしっかりしているとは言えない状況であった。
 それぞれの場所に着くと,足踏みをやめてしまい,おしゃべりをする子が見られる。前後の間隔も詰まりすぎている。
 これでは駄目である。

 まず,「全体…止まれ」の号令があるまではその場で足踏みを続け,止まった後は指揮台に体を向けることを指導した。
 また,大きく「前にならえ」をさせ,間隔をつかませた。
 
 ここで終わったのでは,指導したことにならない。これでは言っただけと変わらない。
 前代未聞であろうが,やり直しをさせた。
 
 2回目は,幾分良くなった。足踏みを続け,間隔を考えている。
 1度の指導でこれだけよくなるのであるから,もともと持っている能力は高いのである。
 よくなったことをほめ,評価した。点数を付け,評定してもよかったかもしれない。
 
 退場の練習では,「まわれ…右」がめちゃくちゃであった。
 1の動作の指導→2の動作の指導→1・2の動作を続けて→3の動作の指導→1・2・3の動作を続けて,と指導していった。
 動きは見違えるほど良くなった。
 
 タタロチカもやり直しをさせた。
 学校全体の一体感を醸し出さなければならない全校ダンスなのに,ふざけた動き,危険な動きが目に付いたからである。

 一番問題だったのは,手をつないで横に移動する動きである。
 手をつながない児童がいる。一つには,私が事前に描いた円が大きすぎたということがあった。これは私のせいである。
 しかし,恥ずかしいという理由などからつながない子も多いように見受けられたのである。
 
 さらに,大股で速く動くために,手が切れるというのも目に付いた。腕が引っ張られ,危険な状態である。仲間と動きを合わせようとしない自分勝手な動きである。
 こういう動きを黙認していては,けがをする子が出てくる。
 
 「小股で動きます」「速く動くと,けが人が出ます」と指導し,やり直しをさせた。
 2回目の動きは,1回目より良かった。指導の成果がある程度表れたといえるだろう。

体育科における言語活動 4

2009-05-28 21:52:27 | 体育
3 生かす・活用

 「あそこでやったあのきまりを使うと,こうなる」というものである。
 これには系統立った指導,意図的な指導が必要である。教師がポイントを理解していることが大切である。

 台上前転の指導で,「頭のどこを着いたらよいでしょうか」と発問した。「①頭頂部 ②後頭部 ③着かない」の3択である。
 子どもの意見は②と③に分かれる。私は③を正解としている。
 子どもになぜそれを選んだのかと聞いてみると,「マット運動の前転の時に,頭を着けないと教わったからです」という。
 マット運動で学んだ技能を生かしたのである。
 ただし,教師が運動の系統を意識していなければ,このような答えは子どもからは出ない。

 他の領域でも同様である。
 例えば,低学年での鬼遊びで培った技能が,中・高学年のボール運動につながっていく。そういったことを教師が分かっていなければ,活用を意識した指導はできない。
 そうでなければ,子どもから「2年で行った鬼遊びでは○○だった。だから,タグラグビーでは○○すればよいはずだ」というような考えは出されないだろう。

体育科における言語活動 3

2009-05-27 19:50:48 | 体育
2 順序

 「はじめ・中・おわり」「1番目に…。2番目に…」など,順序立てて話したり,書いたりする。
 体育の授業場面では,学習カードを使っている場合を除けば,書く活動は頻繁に行われてはいない。この観点は,体育科では難しいかもしれない。

 順序を表現する方法として口伴奏がある。これも言語活動の一つである。動きを表す言葉をリズムに合わせていうのである。

 筑波大学付属小学校の清水由氏は鉄棒のだるま回りの指導において,「まげてーー,のばしてーー,いーち,にーの,さん!」と声を掛け,補助でのだるま回りを指導している。

 山本悟氏は,縄跳びのかえしとびの指導の際,「前まわし」「なわ右」「おじいさん」「前の手くるん」と口伴奏を行い指導している。

 林恒明氏も前転の指導で「まげ・まげ・ピン」と口伴奏を活用している。

 筑波大学附属小では伝統的にこのような指導が継承されてきているのではないだろうか。
 
 学校体育研究同志会の山内基広氏による「ネコちゃん体操」,「お話マット」なども口伴奏の一つと考えられる。

体育科における言語活動 2

2009-05-25 00:43:51 | 体育
1 理由の提示

 自分の考えを,理由を出して説明できるということである。なぜそう考えたのかを論理的に説明できるということである。
 理由であるから,文末は「~だから」となる。この理由を促す発問は「なぜ」「どうして」となるはずである。
 このように問う場面は体育授業ではよくある。

 例えば,準備運動のカエルの足打ち跳びの場面で,腰がピンと伸びている子に示範させる。
 そして,「なぜ○○くんの動きは良いのだろうか」と問うである。
 初めは分からなくても,何度かやっているうちに子どもたちは「腰が伸びているからです」「脚が伸びているからです」と答えるようになってくる。

 また,例えば,ボールゲームでの作戦タイムも理由を提示する場である。
 チームの仲間に,自分の考えを説明できなければ,同意は得られない。

 縄跳びで,長縄跳びと短縄跳びを組み合わせる長短跳びを4年生に指導した。
 「長縄を回す人が中で短縄を跳ぶ人に合わせたらよいのか。それとも短縄を跳ぶ人が長縄に合わせたほうがよいのか」と発問し,実際に2つの方法で試させる。
 前者のほうがよい。
 「なぜなのだろうか」と発問することで,論理的な思考が促されるのである。

体育科における言語活動 1

2009-05-24 21:05:58 | 体育
 新学習指導要領で強調されているものの一つに「言語活動」がある。
 言語活動にはどのようなものがあるのだろうか。

 筑波大学附属小学校の白石範孝氏は,
「言語活動の内容をもっと簡単にまとめると,説明活動,記録活動,要約,論述です。要約する力はすごく大事な内容です。それから,論述も。こういう活動を行っていかなくてはならない。そのためには,どんな観点があるのかについて私なりに整理してみました」として,次の10の観点に整理している。

①理由の提示(~と考えた理由は…)
②順序(はじめ・中・おわり)
③生かす・活用(~を使うと,~では)
④きまり(きまりを使う)
⑤類似(同じ所・似ているところ)
⑥相違(違っているところ)
⑦類推(もし~だと…)
⑧具体化(言葉を置き換える)
⑨抽象化(言葉を置き換える)
⑩批評(確かめる)
(教師の“知恵”.net企画 白石範孝著『国語授業のつくり方』東洋館出版p.98~99)
 
 これは国語科に限った観点であろうか。
 そうではないだろう。
 確かに基礎基本を身につけるのは国語科の授業においてであろうが,他の教科にも応用が利くはずである。
 
 そこで,体育科における言語活動をこの10の観点をもとにして,考えていきたい。
 
 体育科における言語活動といっても,ただ話せばいいというものではない。
 そこに論理的な思考,コミュニケーション能力,表現力などが内包されている必要がある。

TOSSデー 仙台・体育会場

2009-05-01 23:57:50 | 教師修業
 TOSSデーを実施しました。

 当初参加申し込みが2名と少なく,どのように講座を組み立てようかと迷っていました。
 しかし,直前に多くの申し込みをいただき,まさかの8名参加となりました。
 サークルメンバーを入れると,何と17名。
 人数的にも,内容的にも充実したものになったと思います。

 準備なくして奇跡は起こりません。
 これも,サークルのメンバーのみなさんのおかげです。

 「来る人には楽しみを、帰る人には喜びを」
 これは鍵山秀三郎氏の名言ですが,その通りのセミナーになったと思います。


●日時 4月26日(日)13:30~16:15

●場所 仙台市泉海洋センター体育館

●参加者 8名
 事務局 9名
合計 17名

●内容
 講座1 マネージメント 「リズム太鼓を使った準備運動」
 講座2 体つくり・体ほぐし 「円形コミュニケーション」
 講座3 低学年の盛り上がるネタ 「身近なものを使った体つくり運動」
 講座4 低学年の盛り上がるネタ 「子ども熱中!宝運びリレー」
 講座5 中学年の盛り上がるネタ 「向山式跳び箱指導法」
 講座6 中学年の盛り上がるネタ 「誰もが活躍できる!ティーボール」
 講座7 高学年・中学校の盛り上がるネタ 「長なわ1分間100回跳び」
 講座8 高学年・中学校の盛り上がるネタ 「ダブルダッチ」

●参加者の感想
○段階を経て子供たち自身の力で達成できるよう促すことが大事であることを改めて実感しました。
ぜひ今回学んだことを生かしたいと思います。

○手軽な運動で、しかも運動量もあり、楽しくでき、苦手な子も楽しくできる授業展開を提供していただいたことに感謝します。
 新学習指導要領では、習得・活用・探究といわれますが、習得・活用の部分をこれから勉強していかなければなりません。
 これから多くの人にこのような講座に参加してほしいです。

○体育の授業に実際に使えそうなものがたくさんあって、とても参考になりました。
 自分も体育を教える機会があれば、やってみたいと思いました。
 自分でも体を動かして楽しかったです。

○バリエーションをたくさん教えていただき、即追試したくなりました。
 跳び箱の補助の手の添え方、勉強になりました。ライブの醍醐味です。
 体育は体を動かしてスカッとするのがいいですね。健康になった気がします。

○自分自身、体を動かすことが大好き。スポーツ大好き。
 しかし、体育の授業となると、どう教えてよいか自信の持てないことが多い。
 実際に体を動かしながら学べ、大変実践的です。
 テンポよく、質の高い講座が展開され、大変心地よい1日でした。

○明日からすぐ使えそうな内容で、大変勉強になりました。
 昨年の「杜の都のTOSS体育セミナー」での研修もよかったですが、今回もわかりやすく、かつステップを踏んで教えていただいたので、さっそく実践してみたいと思います。

○どんな子も体育が楽しいと思える良い内容で、感謝です。
 体ほぐしなどのネタは、すぐ使えそうで、大変ためになりました。