Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

伝言お絵かきバトル

2009-01-27 23:06:52 | 特別活動
 1月23日,学級活動で「伝言お絵かきバトル」を行った。
 これは,先日行った「お笑い!お絵かきバトル」の発展形である。

 方法は次のとおりである。グループ対抗のゲームである。

(1)教師が列の先頭の子に「お題」を与える。
(2)先頭の子は20秒でお題の絵を描く。そして,その絵を2列目の子に5秒見せる。
(3)2列目の子は何の絵だったかを考えて,20秒でその絵を描く。そして,3列目の子に5秒見せる。
(4)同様に列の最後の子まで続ける。
(5)最後の子は,何の絵と思ったかを発表する。
(6)列の先頭の子が,声を揃えて正解を発表する。合っていれば,そのグループは1ポイント獲得とする。

 私が最初に与えたお題は,「クワガタ」。
 制限時間が20秒ということで,大急ぎで描く子どもたち。このゲームは大急ぎで描くから面白いのである。じっくりと考えながら描いたのでは,つまらない。
 前の子が描いたよく分からない絵を見て,何だか分からなくてもとりあえず描く。

 クワガタは何と全グループ正解であった。
 あるグループでは,途中でカブトムシになってしまったが,次の子が描いた絵がたまたまクワガタムシになり,事なきを得たようであった。
 
 2つ目のお題は「ランドセル」である。
 じっくり考えている暇はない。とにかく描いて,次の人に5秒間見せる。
 これは難しい。既に1人目で何を描いているのか分からない。早くも得体の知れないものになっている。
 8グループ中,ランドセルで正解になったのは2グループであった。他のグループは,クマになったり,ゾウになったり,テレビとリモコンになったりしていた。
 
 子どもたちの反響はすさまじく,「もっとやろう」とコールされたが,2問で終わりにした。

長短とび 3

2009-01-18 01:33:21 | 体育
 1月14日,16日と授業で長短とびを取り上げた。時間はいずれも10分ほどである。

 1回目との変更点の一つは,人数である。
 いつもの8人組を2つに分け,4人1組で練習させた。ただし,兄弟チームなので,2つのチームの数を合わせたものがそのチームの得点になると説明した。
 4人組にすることによって,運動の機会が増え,実際に動くことでコツをつかむことができ,上達した。

 変更点のもう一つは,回数である。
 前回は制限なく何回も続けて跳んでよいこととした。今回は,最高10回までとした。10回連続で跳べた子は合格であり,帽子を裏返しにするというルールにした。
 これにより,達成感を味わえる。

 結果は次の通りである。

      1/13  1/14  1/16
青チーム 31   60   77
黄チーム 28   47   58
赤チーム 20   56   60
緑チーム 37   78   80
合計   116   241   275

 記録は1回目のときと比べて,飛躍的に向上した。
 欠席者がいたので,29名の参加であった。全員満点だと290点ということになるが,275点であるから,達成率はおよそ95パーセントといったところである。

 工夫としては,長なわを回す子が短なわの子に合わせていることがある。短なわを跳んでいる子の足元を見て回している場合が多い。
 また,全てのグループで声を出していた。
 結果としてはうまくいかなかったが,長なわを回す子も,短なわに合わせて一緒にジャンプするという工夫もあった。
 
 10回跳べずに帽子の色が変わらない子が6名いる。
 失敗の原因の多くは,短なわの子の問題である。一定のリズムでの1回旋2跳躍ができないのである。あと数回というところで,リズムが狂うのである。
 そのような子に聞くと,普段1回旋1跳躍に慣れているので,簡単そうな1回旋2跳躍が逆に難しいのだという。

 次回からは,前とびだけでなく,後ろとび,交差とびなども入れていくようにしたい。

リズム太鼓の活用 3

2009-01-17 23:48:03 | 体育
 筑波大学附属小学校の初等教育研修会に2度参加したことがある。
 体育の授業では,リズム太鼓の使い方が大変印象的であった。

 筑波大学附属小学校で使われている太鼓は,林恒明氏の著書によると,日本女子体育短期大学教授天野先生創案の「天野式リズム太鼓」というものだそうである。

 1年生の授業は,折り返しの運動となわとびを取り上げていた。

 なわとびの際,授業者の山本悟氏は太鼓を叩いてリズムを取っていた。

 私はどれぐらいの速さで叩いているのかをカウントした。
 前回しとびのときは,30秒間に110~120回,後ろ回しとびのときは30秒間に70~80回の速さであった。
 林恒明氏は「1回旋1跳躍を30秒で70回跳べれば二重とびができる」と主張したが,太鼓はそれよりもかなり速いペースで叩いているということが分かった。

 また,折り返しの運動でも特徴的な太鼓のユースウェアが見られた。

 4つ足の手足走りのときは太鼓のふちを「カンカンカン…」と叩き,折り返しで走って戻ってくるときは「トントントン…」と皮の部分を叩いていた。
 次の場面で山本氏は,皮とふちを交互に「トンカントンカン…」と叩き,「次は何だ」と子どもたちに問い掛けた。すると,子どもは「ウサギ走り」と答えた。
 太鼓の音を聞くだけで,何の運動をするのか子どもたちに分かったのである。

 うさぎ跳びの指導では,根本正雄氏は「トン・パッのリズムで跳びます」と指示している。
 山本氏は,この「トン」のときに「トン」と皮を叩き,「パッ」のときに「カン」とふちを叩いたのである。

 太鼓の音が運動と完全に結びついている。太鼓の音が子どもたちの体に染み付いているという感じである。

長短とび 2

2009-01-13 23:48:16 | 体育
 私が長なわを回してみた。
 すると,それまでうまくできていなかった子が15回跳んだ。

 ここで子供たちに考えてほしいのは,「どうして先生が回したら,回数が増えたのだろうか」「どうして先生が回すと,タイミングが合うのだろうか」ということである。
 このような疑問を持つことが,論理的思考につながっていく。

 他のグループにも入って,私が長なわを回してみた。すると,やはり回数が増えるのである。

 このような様子を見て,どうやら子供たちもコツに薄々と気づいてきたようである。

 模擬授業では,
「長なわを回す人が,短なわのリズムに合わせてあげた方がよいですか。それとも短なわの人が長なわを見て合わせた方がよいですか。」
と直接発問をした。
 しかし,直接発問をしなくても,「先生が回すと,なぜ成功するのか」と考えることで,テクニカルポイントをつかんでいった。
 
 最後に上の発問をしてみた。
 すると,長なわを回す人が短縄に合わせるという子が26名。短なわの人が長なわに合わせるという子は3名であった。
 やはり,練習を通して,テクニカルポイントをつかんでいたのである。
 
 テクニカルポイントはつかみ,「わかる力」はついたものの,「できる力」はついていない。記録は低調である。
 個人では,私が回したときに跳んだ15回が最高である。
 私が回したときを除いて,各グループの成功回数の合計は,31回,28回,20回,37回となっている。
 この記録がどこまで伸びていくかが楽しみである。
 
 今日は8人1組で行ったが,次回は4人1組で行い,運動に触れる機会をもっと増やしていきたい。

長短とび 1

2009-01-12 22:43:44 | 体育
 長短とびの授業を行った。長なわと短なわの組み合わせである。

 この教材は,9月に「第3回杜の都のTOSS体育セミナー2008」で模擬授業を行っている。模擬授業で学んだことを実際の授業に生かすようにする。

 組み合わせ単元で行ったので,授業時間は,15分ほどである。
 
「前回し1回旋2跳躍。10回できたら座ります。」

 4年生であるから,できない子はいなかった。

 模擬授業では,このあと8の字跳びをして実態把握をしたが,普段の授業から全員できることが分かっているので省略した。

「『長短とび』という新しい種目に挑戦します。長なわの中で短なわを跳ぶのです。」

 このように説明したところ,「えー」「そんなことできるのか」という反応であった。

 「1回旋2跳躍ができれば,誰でもできます」と言って,私が示範した。子供たちの反応は,「それならできそうだ」という感じであった。

 この示範は上手ではなかった。
 長なわを回している子とのタイミングが合わず,2回しか跳べなかった。
 つまり,この示範を見ただけでは,子供たちは動きのコツを発見することはできなかったはずである。運動の仕方は分かったが,運動の原理は分からない状態である。

「グループで役割を交代しながら練習しましょう。」

 今日は,このように投げ掛けて,練習させてみただけである。
 8人1組で,中で跳ぶ子や長なわを回す子を交代しながら行わせた。
 
 見た目と違って,意外と難しいようである。長なわと短なわのタイミングが合わないようである。
 タイミングを合わせるために,グループ全員で「トントン,トントン」と声を掛け合っているところも見られた。

「お絵かきバトル」の分析

2009-01-10 23:05:08 | 特別活動
 まず導入であるが,教師の「ボケ」から始めている。
 教師のくだらない芝居により,子どもの心が緊張感から一気に解放感へと向かう。
 「つかみ」はOKである。
 
 お笑いは,「フリ」「オチ」「フォロー」からなる。
 授業にも,次のように当てはめることができる。

○フリ……教師が出す発問・指示など
○オチ……教師の「フリ」を受け,子どもがする発言・作業など
○フォロー……子どもがした発言や作業などへの対応
 
 教室に笑いが起きる場合は,2つあると考えられる。

 ひとつは,教師がボケる場合である。教師が「フリ」も「オチ」も演じるのである。いわば教師の一人舞台である。

 もうひとつは,教師が「フリ」,子どもが「オチ」を担う場合である。

 この実践は後者である。
 「オチ」は自分や友達が絵をうまく描けないということである。うまく描けないことを笑い飛ばすのである。うまく描けないからといってすねたり,うまく描けない子を馬鹿にしたりするような状況は,このゲームでは起こらないと思われる。

 教師がしていることは,「フォロー」と「ツッコミ」である。「これはすばらしい」と言って褒め,「これは本当にピカチュウか」とつっこみ,一緒に笑い,一緒に拍手をし,盛り上げたのである。

 失敗や間違いを楽しむ「くだらない」ゲーム。こんな「くだらない」ゲームをくり返し行えば,少々の失敗や間違いは気にならなくなる。
 「くだらない」ことが,「安心感」を育てていく。

お笑い!お絵かきバトル

2009-01-09 23:55:08 | 特別活動
1.ネタ
 お笑い!お絵かきバトル(「お笑い教師同盟」中村健一氏の追試)


2.方法
(1)教師が「お題」を与える。
(2)子どもたちは,1分間で「お題」の絵を描く。
(3)「ウケをねらわない」「真面目に描く」がポイント。
(4)グループの中でお互いの作品を見せ合う。
(5)この時,思ったことを自由に発言してよい。
(6)グループの中で「そっくり賞」と「お笑い賞」を決める。
(7)各グループの「そっくり賞」と「お笑い賞」の作品をクラス全員に紹介する。(8)クラスの「そっくり賞」と「お笑い賞」を決め,表彰する。


3.授業の実際
 年末の押し迫った時期,12月19日5時間目,学級活動の時間に行った。

 教室に入ると同時に,「授業も遅れていて,全部終わらないかもしれないというときに,こんな紙を配っているということは,あまりいいことではないぞ」と真顔で言いながらA5サイズの白い紙を配る。
 
 子どもたちに緊張が走る。
 「誰か何かやったのではないか」「何か反省文を書かされるのではないか」
 
 「今から先生が言うものを真剣に描け。分かったか」
 神妙な顔の子どもたち。
 「波平の絵を描け!」
 「は?」「えっ?」一気に緊張が緩む。
 「いいから描きなさい!」「真剣に描くんだぞ」

 こんな感じで授業が始まった。
 私はこういうくだらない仕掛けをするのが大好きなのである。
 
 その後,グループで「そっくり賞」と「お笑い賞」を決めさせた。
 一気に笑い声が教室にあふれかえった。友達の作品を見て笑い,自分の作品を見て笑う。
 選んだ作品を黒板に貼らせた。なかなかの力作がそろった。
 その中からクラスのナンバーワンを決定した。
 
 「波平」のほか,「ジャイアン」「ピカチュウ」などのお題を出した。
 ※写真はお笑い賞のピカチュウ

リズム太鼓の活用 2

2009-01-08 00:18:10 | 体育
 TOSS体育代表の根本正雄氏は,リズム太鼓の利点について,次のように述べている。

1 手軽に持ち運びができる
2 リズム感が育つ
3 楽しく動ける

 「リズム太鼓を使わないと子供の動きはぎこちなく,途切れてしまう。軽快感がなく動きが重い。 リズム太鼓を使うとひとりでに走り出す。太鼓のリズムに,体が自然に反応していくのである。」

※『体育授業技術入門』根本正雄著(明治図書)より


 根本氏の授業は何度も参観した。
 根本氏は,常に太鼓を叩いているというイメージがある。

 例えば,準備運動などでリズムを引き出すときに使用している。
 「太鼓のリズムに合わせて走りましょう」と言って鳴らす。スキップやギャロップなど動きが変われば,その動きに合わせてリズムを変えて鳴らす。
 
 ときには時計代わりになることもある。
 「かえる倒立10秒」「太鼓が10なる間に集まりなさい」などの指示はよく知られるところである。
 私が驚いたのは,ゲームの時間を計るのに,太鼓を鳴らしていたことがあったことである。ゲーム後,「いま私は太鼓を何回叩いたでしょうか」と根本氏は講座の参加者に問われた。すると,「試合時間が1分ですから,60回叩いていました」というのである。

 授業の雰囲気づくりにも役立つ。
 サッカーの試合中も,ダブルダッジの練習中も,軽快な心地よい太鼓の音が鳴り続けている。

 太鼓が動きを引き出し,教師と子どものリズムが共鳴させていく。
 また,太鼓が授業の盛り上がりをつくっているのである。

 リズム太鼓は,まさに根本氏の分身といってもよいほどである。

リズム太鼓の活用 1

2009-01-07 00:14:43 | 体育
 『TOSS体育通信』の原稿依頼をいただいた。
 テーマは「リズム太鼓の活用で授業が劇的に変わる」である。

 太鼓とホイッスルのそれぞれの利点を,筑波大学附属小学校の眞榮里耕太氏は次のようにまとめている。

■太鼓
○動きのリズムを刻むことができる。
○太鼓を叩きながら,子どもたちに声を掛けることができる。
○教師がねらう動きのリズムを,太鼓の音で臨機応変に決めることができる。
○太鼓の音の強弱で授業の雰囲気を盛り上げることができる。

■笛
○笛の音は,高く,大きいため,遠くまで響かせることができる。
○ボールゲームの試合中など,瞬間的に動きを止める場面では効果的である。
○場所を取らずに手軽に持ち歩ける。
※『10分でわかる!体育授業のコツ 小学校中学年』体育授業実践の会編(学事出版)より


 また,同校の清水由氏も,授業の雰囲気をよくするための手立てとしてリズム太鼓の有効性を述べている。

 「体育の授業では大きな声で応援したり,軽快なリズムや音楽が流れていたりすることで雰囲気がよくなり盛り上がる。雰囲気をよくするために,次のような手だてをとっている。 
 ①リズム太鼓を使用する。(以下略)」 
 ※『子どもが動く授業マネジメントと折り返しの運動』清水由著(学事出版)より  


 園田学園女子大学の林恒明氏(元筑波大学附属小学校)は,「首から笛をぶら下げるスタイルはやめましょう」と提唱し,太鼓の有用性,必要性について,次のように述べている。

○授業のテンポをつくることができる。
 特に指示の流れや,活動のテンポをつくるために,口伴奏とともに使用している。
○運動リズムをわからせるために使用する。
 太鼓の音でリズムやタイミングをとる。
 ※『子どもが喜ぶ体育の授業づくり』林恒明著(明治図書)より抜粋

考えを広げるための聞き方

2009-01-06 22:29:07 | 教師修業
 12月18日の研究授業での指名方法については,以前も記した。
 強制的指名,アトランダム指名である。
 この指名法では,子供たちは即興的な解答を求められる。
 じっくりと考えることができない。
 発問後すぐに,しかも手を挙げようが挙げまいが関係なく突然指名されるので,時間を掛けてじっくりと考えている暇がないのである。

 指導案には,「それぞれの意見を発表させることで,自分の考えを広げさせる」とある。
 では,この授業で子供たちは自分の考えを広げることができたかというと,私は十分にはできていなかったと考える。

 自分の考えを広げる以前に,自分の考えを明確に持っているかどうかが問題である。
 考える時間が与えられないのであるから,自分の考えを持つに至らなかったのではないかと思う。
 多くの子は,友達の意見を聞くという,受動的活動しかできない。

 友達の意見を聞くだけで,自分の考えは広がるであろうか。
 単なる受け身では,私は十分には広がらないと思う。

 能動的に友達の意見を聞くためには,自分の意見を持っていなければならないと考えるからである。
 能動的に友達の考えを聞くということは,自分の考えと比較するということである。
 「なぜか」「本当か」「正しいか」と,友達の考えを検討するのである。そして,自分の考えとどこが同じか,どこが違うかと考えていく。

 このような聞き方ができれば,友達の発表を聞いて,自分の考えを広げていくことができるであろう。